180SXが長期入院中である。

 記憶ではトラブルがあったのはTwitterでさかのぼってみると8月15日のことだったので、もう2か月の入院になる。

 エリーゼのエアコンでディーラーに修理に出した時も2カ月くらいだった(その時は途中で進捗聞いたら単にパーツ待ちだと言うのでいったん返してもらった)ので、これ以上になると自分史上最長の入院期間へと突入する。

 今の所出口は見えていないのでそうなることは確実だ。

 結構簡単に直ると思ったのだが、コンピューターの中が焼き付いていて、その繋がっている先がイグニッション系だとのこと。

 コンピューターは換えがもう無いので、コンピューターそのものを修理できるところに出して直してもらった。

 この直ったコンピューターをつないでも、焼き付きの原因となっているところを直さないと、エンジン掛けたらまた同じことが起きる可能性がある。しかしその場所を探すにはエンジンをかけて電気を通さないと分からない...。と言う事なのだろうか?

 この辺がよく分からない。工場は自宅のすぐ近くなので、今度お邪魔して聞いてみよう。

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在りし日の180SX。帰ってきてくれ。
3年以上やって動画は150本弱、チャンネル登録者数は690人。たった数本の動画でチャンネル開設から1カ月もしないうちに1,000人の登録者を楽々突破するチャンネルがゴロゴロある中で、この結果とあれば、チャンネルとしてはもうゴミに等しいと言わざるを得ない。

それが、結果だ。


■僕を動かすのは、この場が必要だから

 しかし、である。

 そうは言っても690人である。プロでも何でもない僕の発する声が、毎週690人に通知が行く、と言うのは、それはそれですごいことだと思う。しかも、ロータスエリーゼと言う世の中的にはかなりニッチなものを題材としているし、プロドライバーでもなければプロ整備士でもない僕のチャンネルを、少なくともこれだけの人が観てくれているのだ。これは驚くべきことだ、とも思うのである。

 ちょっとはくじけそうになったことはあるが、止めようと思ったことはない。

 なんだろう、多分、自分で作ったものを発信するのが好きなんだと思う。逆にこういうのがないと、何か「生きててもツマラナイ」...まで言うと大げさか...なんだろう?よくわからない。

 でも、このウェブサイトもそうだし、YouTubeチャンネルもそうだけど、こういう場は持っておきたいのである。自分がこういうことが好きでやりたいからやっているのであって、そこが強さでもあると思う。YouTubeで収益上げて金持ちになってやる!だけの動機だったらとっくにやめていると思う。すでに結果は見えている。

 それは収益化出来てカネが入ってくるようになればそれは間違いなく嬉しいが、それ以前に、僕は自分で感じたことや知ったことをこうして伝えたい、残したい、そういう場所を持っていたい、と考える生き物なのである。趣味の世界を生きるのに、この場が必要なのだ。だから、止めることはないと思う。

 え?でも、最終回なんだよね?

 そうである。「うるふの怪しいホームページ」YouTubeチャンネルとしては。しかし、僕の発表の場の名称が変わるだけだ。新しい名前は「エリーゼオンライン中学校」。今後はチャンネル名をこれに変更して僕のYouTube活動は継続される。


■自分も懸念していたことを視聴者様が背中を押してくれた

 2018年、このチャンネルを始めようと思ったのはどちらかと言うとやや衝動的な部分もあったと思う。

 記念すべき僕の第1回の動画は非常に地味なものだった。これからYouTubeチャンネルを始める決意を語るわけでもなく、第1回目にふさわしい自己紹介的なものでもない。

 それは単に180SXのターボチャージャーの外れたアクチュエーターのロッド元に戻す方法、と言うだけの動画である。

 Webページ版のうるふの怪しいホームページで文字で書いたのではこれは伝わらないと踏んだのだ。動画にするべきだ、と。そう直感した僕は、カメラを用意して作業を動画に収めた。

 動画編集は子供のビデオとかをちょっと編集したくらいだったが、出来ないわけではない。それでよかった。自分が伝えたい、単純にそれが最初の動機だ。

 はじめはこんな感じで、文字では伝えにくいことを動画にするだけで、ベースはWebページと言うスタンスにするつもりでいた。僕のWebページの内容を補完するのだから、チャンネル名も「うるふの怪しいホームページ」で良かったし、そうでなければならなかった。今のように正副逆転するとは思っていなかったのだ。

 新しいチャンネル名を考えなかったわけでもないが、どのような方向性になるかもわからないので、20年以上やっている「うるふの怪しいホームページ」を超える名称は思いつくわけもなく、新しいチャンネル名という選択肢はすぐに消えたのだ。

 しかし、徐々に内容がエリーゼに特化され、僕自身も動画編集自体も楽しくなってきて、軸足は完全に動画になってしまった。少ないチャンネル登録者数、視聴回数ではあるものの、エリーゼの方が圧倒的に反応が良いため、内容もほぼエリーゼに特化され、視聴者の方もエリーゼ乗りやエリーゼ購入希望者になってくると、YouTubeチャンネルを運営するにあたって絶対にダメとされる「チャンネル名を見て何をやっているか想像できるものにする」という超基本的事項に反していることになってしまったのだ。

 しかし、ある程度の所まで来てしまった以上、なかなか自分の決断だけでは「チャンネル名変更」には踏み切る勇気はなかったのだ。

 そこに来て、あるチャンネル登録者の方から、コメントをいただいた。5月22日のVlog、錆転換剤の回である。


ホームページ名を変えることにはご抵抗がありますか?
エリーゼについては元より、これだけ有意義な情報をご発信なさっているのに登録者数700人というのは少な過ぎますよね。
「ホームページ名を変えれば100倍には増えるのになー」と常々思っておりました。 

 この視聴者様は、実際僕が最初にコンタクトを取らせて頂き、お会いさせて頂いた視聴者様でもある。

 だた、それでこのコメントを書くのは相当に勇気が必要なことだったかと思う。それを乗り越えるほど、僕のチャンネルの行く先を憂い、ここにある情報をより多くの自動車ファンに届けてエリーゼファンにするべきだと思ってくださっているのである。

 自分が情報発信する場が欲しいと言うだけの動機で好き勝手にやっているチャンネルに対し、ここまでのことをして下さる方がいるとは、本当に嬉しいし、幸せだし、誇りに思う。

 当然、僕自身もずっと思っていたチャンネル名の違和感。たった一人の視聴者の方に背中を押され、ずっと抱いてきたモヤモヤを今こそ吹き飛ばそうと、行動に出ると決めたのである。

 だから僕は、すぐにチャンネル名変更に動くと、返信した。

 こうしたチャンスには、絶対に乗るべきなのである。


■チャンネル名の推敲に1か月以上

 チャンネル名はそうコロコロ変えたくはない。この一発で、納得の行くものにしたい。そう思った僕は、チャンネル名変更の返信はすぐにしたが、チャンネル名変更そのもの自体は急がず、納得の行くものが出るまで案を出し続けると決意した。

 ボツになったチャンネル名については、うるふの怪しいホームページYouTubeチャンネル最終回で上げているのでここでは省略するが、あの動画に出て来なかったものものとして、「頭文字E」と言うのがある。

 これはかなり捨て難かった。

 クルマ好きならみんな知っている「頭文字D」のパロディであり、絶対に通りがいいし、一発で覚えてもらえることは間違いない。

 そして何しろ一定時期の後のロータスの車名は頭文字がEとなっているので、エリーゼのみならずロータス好き全員の方を対象としたチャンネルにできるのも良い。ロータス好きならニヤリとしてしまうタイトルだろう。

 ロータスを題材としたチャンネル名でこれほど完璧なものはないと思ったが、頭文字Dの知名度に完全にタダ乗りしている所が正々堂々としていないと思い、踏みとどまった。今後、ロータス車を題材にしたYouTubeチャンネルをやりたい方で気に入ったらぜひ使って頂きたいと思う。


■動画公開直前にチャンネル名称変更!本当はエリーゼ○○○中学校だった?

 最終的には「エリーゼオンライン中学校」という名称にしたのは動画でも言っている通りなのだが、この動画を公開する土曜日朝8時まではこれとは異なるチャンネル名で行くはずだったのである。

 チャンネル名変更前の「最終回」動画でボツになったチャンネル名のを紹介しているが、その一番最後を見ると「子供みたいな大人たちへ。エリーゼオヤジ幼稚園」とある。

 そう、実際は「エリーゼおやじ中学校」になるはずだったのだ!

 理由はそのいくつか前の動画「ロータスエリーゼ乗ったら目立つのか?」で言っているように「クルマ好きっておじさんかおじいさん」と言うのがあったからである。


 「ずっと子供のエリーゼ好きオヤジが集う場所、エリーゼオヤジ中学校」として進めていたのだ。

 要はちょっとした自虐なのだが、僕はそう言うのがあるのが好きである。完全無欠のキラキラネームよりも、ちょっと下げる、毒を持たせる。その方が観る方も親しみやすいし、自分も肩の力を抜いて取り組める。「うるふの怪しいホームページ」も同じ考えである。

 しかし、引っ掛かりはあった。「おやじ」限定のように感じてしまう。もちろんそんなつもりはないが、チャンネル名に「おやじ」とあればそう感じられてしまうのは間違いない。

 ま、実際僕のチャンネル視聴者の内訳を見ると、45~65歳の方で87%を占めているんので、すでにおやじ限定なのだが、これから幅広くエリーゼを知ってもらいたいという理念には反するのでは?

 これである。

 という事で、「エリーゼおやじの中学校」と途中に「の」を入れて少し和らげようとかも常に頭を横切っていた。「の」を入れれば、エリーゼ好きのおやじが多く集まる中学校であって、決しておやじ限定ではないとなるかな、なんていう考えだ。

 しかし、このくらいの自虐はやはりあっても良いだろうと自分に言い聞かせ、動画を完成させた。投稿する前にも何度も確認して投稿したが、「公開」する勇気が出なかった。

 いざ、動画が完成してみると、やはり「おやじ中学校」はよろしくないと思ったのである。

 では、何にするか。公開予定時間を過ぎてから再考し始めた。「エリ中」は外したくないので「おやじ」を何か別の言葉に置き換える作業となる。

 他の候補にもあったが、エリーゼオーナーズ中学校などは「オーナ限定」のようにも見えるので、考えたが止めた。「エリーゼパラダイス中学校」も良かったが、「パラダイス」にあまり意味がないし略称が「エリパラ」と「エリ中」で二分しそうだったので気が進まなかった。

 そして最終的にオンラインで全世界に届ける、と言う意味で「エリーゼオンライン中学校」となったのである。

 自虐も毒もなくなった分、印象に残りにくいと思うが、広くエリーゼを知ってもらうと言う意味ではこちらの方が良いと思っている。

 動画については「エリーゼおやじ中学校」と言っている部分が4か所あったが2か所に減らし、その部分の音声のみ撮り直して置き換えている。なので、公開された動画は「エリーゼオンライン中学校」の部分だけ声のトーンがちょっと不自然になっている。

 なお、実は「エリーゼおやじ中学校」の動画はアップしたまま消しておらず、限定公開として残した。下のリンクから見れるので、興味がある方は「エリーゼおやじ中学校」バージョンも観て頂ければ幸いである。
先日こんなTweetをした。
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現在の180SXの悩みは色々あるが、その一つに洗車がある。水道のない場所で以下に車をキレイにするか。

■そもそも下が砂利で汚れやすい。

 僕の停めている駐車場は砂利である。そのうえ周囲に遮るものもなく、この地域特有の畑の泥の混ざった風がもろに当たってしまう。かなりマメに洗車しなければ、クルマはすぐ泥ホコリだらけになってしまう。

 それこそ、洗車した翌日には、泥をかぶったようになってしまうような日もある。

 そして、この駐車場にはもちろん水道などないから、ここで洗車をすることはできない。

 そのような場所での洗車の方法として、僕が得意としている「フクピカ」がある。しかし、それもこの駐車場にあってはあまり使いたくない方法だ。前述の通り、この場所は泥ホコリをすぐにかぶってしまう。フクピカを使えば、その大量の泥ホコリを引きずることになる。もう、磨き傷がどうこう言っている程度ではないが、フクピカそのものを大量に消費してしまうのも嫌だ。

 エリーゼで使えるのはシートをかけていて、この泥ホコリがあまりない状態からスタートできるから使えるわけであって、泥ホコリがうっすらと堆積したような状態では、一度水洗いしてから使いたいものである。


■自宅に入れれば良いが...

 自宅に入れれば洗車はできるが、妻のNOTEがいない間でなければ自宅Pにはスペースが生まれない。なかなかタイミングが合わないのが現状で、ま、月1回と言ったところだろう。しかしそれでは上記のような汚れやすい環境の駐車場では凄い汚れてしまうし、通りに面しているという事は、この上には電線があるわけであって、丁度前バンパーからボンネットに掛けて鳥のフン害もある。

 泥ホコリはまだ我慢できるが、鳥のフンは我慢できない。1か月放置すれば鳥のフンの量も凄いことになってしまう。


■オレの車、狙われてる?

 最近気になっているのがこのことである。

 2年くらい前に前の駐車場が使用不可になるという事で、ここに移って来た。通勤する道すがらにあるので、毎日状態を確認できたり、仕事帰りに乗るのに都合が良かったりと、良いこともあるが、良くないのは砂利であることと、通りに面して目立つことである。

 この駐車場に来て数日後には運転席のドアノブに紙が挟まっていて、手書きで「廃車をお考えなら下記まで連絡下さい。引き取りから全て無料」と携帯番号とともに記載されていた。

 その後も、結構ちゃんとしたチラシから名刺から、とにかく「廃車にしませんか」「買い取ります」的なものが良く備え付けられるようになった。

 それまでの駐車場は囲まれた敷地内にあったため、その様なことは一度もなかったが、ここに来てからは良くあるケースになった。

 今や180SXも希少車である。日本でも少なくなって来たので、部品取りとしても価値があるのだろう。実際、僕もチューニングパーツなどではない、地味なパーツがもうなくて結構困っている。

 また、アメリカなどではJDMとか言ってこの年代の日本車は人気が高い。25年ルールもクリアしている。廃車としてタダで引き取って、同じようなクルマとともにアメリカに一気に持って行けばある程度の利ザヤが取れるのかもしれない。

 周りに停めてある車にはそのようなチラシは挟まっていないから、僕のだけにしているのだろう。ということは、車内なども覗き込んで状態なども品定めしていることだろう。

 僕の180SXは結構ボロいし、サッカーの道具なども外から見てわかるくらい大量に積んであって、若干放置車の様に見えなくもない。そこに更に泥ホコリ→雨→泥ホコリ→雨のレイヤー+鳥のフンなどが除去されずにいつまでもあるようだと、無管理状態の様に見えてしまい、イタズラ、盗難などの被害にも遭いやすくなる。

 僕のクルマは幸い被害に遭わなかったが、この辺一帯のクルマのナンバーが跳ね上げたように折り曲げられる事件があった。結局犯人は捕まって、動機はムシャクシャしていたから気晴らしにやった、と言う物だった。こうした被害に遭わないためにも、クルマをきれいにしておく、管理されている感を出す、と言うのは有効だと思う。


■水道のない場所で水だけ手洗い洗車

 基本的に僕の洗車方法は水だけの手洗い洗車である。シャンプーつけたりとかそう言うことはしないので、それほど多くの水を必要とはしない。

 という事で、先日ホームセンターに行ったらふと目に着いたのがこのアウトドア用の水タンクである。意外とコンパクトだが6Lの水が入る。ノズルが付いているのが秀逸で、これがあれば、側面などにも水をかけやすい。約500円だったので試しに買ってみることにした。

 買ってすぐに出番は来た。先日の日曜日、昼の11時くらいに予期せぬ雨がバーッと降った。直ぐに止んだが、クルマは泥ホコリが雨に流れた跡がしっかりと付いていた。

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 購入してすぐにタンクは満水状体にして積載していたので、出して使うだけである。

 せめて窓ガラスだけでもと思ったが、意外と量がありそうなので、屋根から行った。窓ガラスも十分きれいにできたので、ボンネットに移る。良く見ればまた鳥のフンが付いていたのでそれも落とす。フェンダー回りも行けた。

 まだ余裕があったので、後続車からよく見えるリアライト、後輪の泥はね、ナンバー、バンパー下部分...。まだいけるぞ。リアガラスから垂れて来た水が通る所が後になりやすいので、そこも落とす。って、ここまで来たら全部行けるんじゃないか?って感じで結局ほぼ全部落とすことができた。

 逆にマメにやってそれ程汚れをひどい状態にさせなければこの6Lタンクである程度の水だけ洗車はできることが分かった。

 やっぱり車はキレイな方が良い。ボロくてもキレイな方が良い。この水タンクを積んでおけば、それが実現する。水は非常時にも色々使える。僕の180SXはリアが軽すぎるので、リアの一番後端部分にこれを積載することで、トラクションにも貢献する。

 色々良いことのある、500円の投資であった。

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「言語」は人類最大の英知と言えよう。
記録として後世に残し、未経験の他人に伝達できることにその価値はある。
時間と空間を越えて人から人へ伝播させることができるのである。
この道具は、わが人類がここまで発展するのに不可欠の能力であったことは否定しない。
しかし、今回ロータスエリーゼSr.1に試乗し、言語の持つ、
負の部分を大きく意識させられることになる。


 【この動画の内容】 

 ・はじめに 

 ・ロータスエリーゼSr.1データ 

 ・出会い

 ・ファーストインプレッション 

 ・レポート不能 

 ・おわりに 


 【はじめに】

 それはこの車のフィーリングが、余りに感性直撃であり、言語と言うインターフェースを介しては到底伝えることができないフィット感、運転感覚、一体感を味わったからである。

 当然この試乗を動画やブログにするつもりだったし、手持ちの試乗記事なども再度読み返してからこの日に臨んだ。どんな言葉でこの未知なるSr.1の乗り味を伝えようか。想定できる様々な表現を予め用意していた。

 しかし、この偉大なクルマを前にして、僕ごときがこの乗り味を言語化しようなど、全くの野暮であることが乗ってすぐにわかった。ムリなのだ。村上春樹とかならできるのかも知れぬが、僕には到底ムリな代物だった。

感性直撃。

 このクルマは、どうやってか知らぬが、極めてアナログかつ無段階の、とてつもない情報量を高速伝送できるケーブルを、僕自身もその存在を知らなかったような、感性直結ポートにブッ挿して来たのだ。

 しかもそのやり方が泣かせる。
 僕のような底辺ドライバーに対しても、まるで英国紳士の様に「あなたもお持ちですね。私の感覚をご理解頂ける感性直結ポートを」とこう来るわけである。

 この脳直結ポートから情報を受け取り始めると、言語を口から発することを制限されるようで、動画に納めなければならないという使命感があるにもかかわらず、最後まで僕に言葉でこのクルマのフィーリングをまともに語らせてくれはしなかった。

 何度もチャレンジするのだが、いつしか無言になってしまう。このフィーリングを言語に変換するべきではない。文字と言う記号に置き換えればこの感覚は確実に劣化し、絶対に正確なものとしては伝わることがない。

 時間と空間を越えて、数千年の太古から大量の知を多くの人々に伝播するという役割を担ってきた人類の英知、言語。

 エリーゼSr.1はこの英知の限界をあっさりと越えてのけたのである。

 この記事は、クルマのプロでも物書きのプロでも何でもない一介のクルマ好きが、このとんでもない感性直撃のクルマの乗り味を言語に変換しようという、徒労どころか神の教えにも反するかのような無駄な努力の集合体である。


■ロータスエリーゼSr.1データ

 以下に、簡単にエリーゼシリーズ1のデータを記載しておく。

SIZE:3,726×1,850(ミラー含む)×1,117mm ※ミラーを含まない全幅1,719mm
WEIGHT:755kg(F:303kg/R:452kg) ※車両重量
ENGINE:ROVER 18K4F 1,796cc 118bhp(119.6ps)
TIRE SIZE:F:185/55R15 R:205/50ZR16
(ネコパブリッシング LOTUS ELISE&EXIGEによる)

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 比較対象として、僕のシリーズ2のデータは以下のとおりである。

SIZE:3,785×1,801(ミラー含む)×1,148mm ※ミラーを含まない全幅1,701mm
WEIGHT:774kg(F:294kg/R:480kg)
ENGINE:ROVER 18K4F 1,796cc 119bhp(120.7ps)※マニュアルにはエンジン呼称「K16」とある
TIRE SIZE:F:175/55R16 R:225/45ZR17
※うるふのエリーゼはフロントはタイヤ選択肢の広い195/50R16に変更
(車体に付属のマニュアルによる)


■出会い

 車体の借り受け場所はオーナー氏の経営する箱根のそば店「竹やぶ」の駐車場であった。開店1時間半前に到着すると、駐車場には黄色いSr.1が用意されていた。

 左ハンドルである。
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 左ハンドルには良い思い出がない。
 先日、ポルシェボクスターに試乗して、今一つ慣れなかった経験がまだ心の随所にこびりついていた。ポルシェが慣れないのか、左ハンドルがダメなのか。その両方か。少しばかり不安になった。

 一通り車の説明を受けると、せっかくの箱根だし天気も好いからオープンで楽しんで欲しいと、オーナー氏がハードトップを外してくれた。

 オープンのエリーゼに乗り込む。
 乗り方は過去に「ロータスエリーゼ乗り方・降り方助手席編」をやっておいたお蔭か、逆でも身体はうまく動いてくれた。オープンになっていて頭をぶつけることを意識せずに済んだのも幸いしたと思う。



 エンジンをスタートさせると、殊の外控えめなマフラーの音に少々拍子抜けする。僕のエリーゼの様に周囲に気を遣うような音はしない。その分、エンジンの音は良く聞こえる。もちろんそれが不快であるわけがない。

 左ハンドルであってもペダルの素材もレイアウトも僕のエリーゼと全く同じ。視点だけが異なる。クラッチミートのポイントやアクセル開度なども特に個体差は感じず、自分のクルマと同じ感覚でスタートさせることができた。

 乗ってすぐに感じた。このクルマは何馬力だとか、0-100km/hが何秒とか、サスペンションの構造が何だとか、そういう分かりやすいものに頼ってその性能を伝えるクルマではない。もっとエモーショナルなものだ。少し慣れてから撮影を開始しようと思ったが、作戦を変えた。すぐに回し始めてなるべく慣れないうちの言葉を録画しておくべきだと、そう直感した。


■ファーストインプレッション

 道も混雑しておらず、思ったままに走ることができたのは幸いだった。
 流れる箱根の景色と相まって、このクルマのまずは車体の軽さから来ると思われる感覚に驚きを隠せなかった。

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 クラッチミートの位置やアクセルが反応してくる位置は僕のと変わらないが、反応はずっと敏感だった。アクセルは足首で操作するのでは段階が粗過ぎ、指の動きで加速感が変わるくらいである。ガバッと踏むときは足首で構わないが、コーナーでの細かな調節を望むなら指の感覚まで気を遣う必要がある。

 それではこのクルマは常に指先の感覚に注意していないとドライブできないのかと言うとそんなことはない。
 流して走りたいなら3速固定で発進から街乗りまで全てこなせるし、3速1,200回転でも一般車と同じペースでいいなら箱根の坂でも普通に登ってしまう。
 ギアの入りも極めてスムーズ。パワーが欲しければすぐにシフトダウンしていつでもスポーツ走行に入れる。モードの変更など不要だ。自分の気の移り行くままに操作すれば、このクルマはそれに応じた走りをしてくれる。

決してパワーのあるクルマではない。
しかし、車体の軽さとシャシーの出来がそれに勝っている。

 ドライビングの気持ちよさとは何か。パワーによってそれを与えるのも一つの方法だが、このクルマのアプローチは異なる。思い通り。しかもその思い通りになっているという感覚が脳直結で伝わってくる。この感覚で十分満足してしまう。

 実際、とても満足の行くスピード感で走っていたところ、ふとミラーに目を遣ると僕の後ろにクルマの隊列ができていたことがしばしばあった。もちろん決して遅い速度ではないが、箱根と言う場所に於いてはやや遅めだったかも知れぬ。しかし、その時その速度で僕は完全にこのクルマのドライブを腹一杯楽しんでいた。

 ドライビングプレジャーは速度ではないのだ。速度も含むそれ以外の総合的な脳への「何か」の刺激。この量が足りていればそれでいいのだと思う。逆に言えばそれが提供しきれない車は速度やパワーなどの絶対的な情報に頼るしかないのかも知れない。

 それにしてもこのクルマの与えてくる情報量は何なのか。そしてその質はどこまでもアナログ。どこまでも無段階。しかしそれが氾濫して手に負えないということもない。こんな底辺ドライバーの僕でもこのSr.1の伝えて来る情報を感じ切っていた。「理解」と言う言葉は使いたくない。感じるが最も近いと思う。

 理由は分からないが、おそらく「翻訳」する必要がないからだと思う。言葉に置き換える必要のない、全く別の次元の情報として脳に直接送られてくるのだ。


■レポート不能

 この不思議な感覚に陥ると、確実に無言になってしまうのだった。最初はなぜそうなってしまうのか、理由も分からなかった。

 この日の予定はある程度余裕はあったが、とは言え、である。

 当時の映像を見返してみると、まずは「しゃべることがない」と言っている。その理由として「何も感じない」としている。もう少し踏み込むと「違和感がなさすぎる」「あまりにも思い通り」だと言う。だから「うん、そうだよね」としか喋れないと。

 何遍撮り直してもマトモな映像が出て来ない。
 しかしその理由も分かってきた。喋っても喋っても、この感覚を言葉にできない。言葉にしてみても正しくない。語れば語るほど、劣化した情報となる。それを強く感じるから先が続かないのだ。

 結局、拙いながらも最もこのクルマの感動をエモーショナルに伝えている最初のシーンと、慣れてきた最後のシーンをベースに所々無理やりしゃべっている所を何とか繋げて動画にすることにした。

 プロでもないのにテクニカルなことを喋ろうとしているシーンなどは全てカットした。このクルマの伝えて来る豊かなメッセージに対し、その様な拙い説明はあまりにもお粗末だ。このクルマを前にすればそんな言葉は価値も何もない。

 車を停めてのシートの感じとかは動画を参照頂きたい。こうした点については言葉で語ることが可能だ。


■おわりに

 「こんなクルマがあったのか」を連呼せずにはいられない試乗となった。

 クルマの性能を文字や数字での表現に頼ろうとするなら、それは力には力で対抗するだけのパワー競争に陥るだろう。それは我々消費者も気を付けなければならないのであって、あっちは何馬力、今度のアレは何馬力ということばかりに気を取られてしまってはメーカーもそう言う分かりやすい所ばかりに訴求したクルマ作りをするだろう。
 ウソをつくわけには行かないから当然そうしたパワーを出すクルマができてしまうわけだが、そんなのを一般人が運転しても大丈夫なように電子制御ゴテゴテのクルマにせざるを得なくなる。今すでにその状況だ。

 Sr.1はこの様な終末的な状況になることを既に予見していたのではなかろうか。言語も時を越えて情報を伝えるが、Sr.1もこの車体が存在する限り「楽しいクルマとはこういう事ではないのですか」という事を僕らの脳に、感性に、直接伝えて来る。
 「意のままに操る」「人馬(車)一体」などという言葉があるが、言葉と言うのは恐ろしい負を持っている。読んでわかった気になってしまう。今回Sr.1に乗って強くそう思った。
 動画でも言っているが「ひらりひらり」もそうである。
 おそらく、多くの人がこの言葉の伝えたいことを知らずに使っていることだろう。Sr.1に乗ればそれが分かる。分かるし、その先にあるまだ理解できない領域の底深さも同時に分かってしまう。それに恐れを抱く。

 こう言うことを追求した希少なクルマは他にもあるのかも知れない。残念ながら一般人である僕はそう言うのを知る機会に恵まれることも極めて少ないが、今回、オーナー氏の好意により、こうした機会を得ることができたのはこの上ない幸運である。
中古タイヤでタイヤ購入の選択肢が広がるのはわかった。しかし、やっぱり不安...。それなら尚のこと中古タイヤ屋さんに行き、よく知ることから始めよう。それが不安を解消する最善の道だと思う。

 
■最大の不安。命を乗せて走るタイヤを中古って...

 前回も書いたが、中古タイヤの最大の不安は「自分以外の1人以上が使用していた」という事実である。
 どんな使い方をしていたかわからない、これである。
 
 それを払拭するには、とにかく外観をよく見ることだ。今回は4点の外観チェックポイントをお話ししたい。
 
1.タイヤの製造時期を見よう
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 僕のブログ読者なら説明不要かもだが、タイヤには製造時期がわかる刻印がある。メーカーによってフォントなどの違いはあるが、左右が丸い枠で囲まれた中にアルファベット+4桁の数字が書かれている。
 この4桁は製造された週と西暦だ。1017なら、2017年の10週目に製造された、という意味である。週→年の順であることを忘れないようにしよう。
 ちなみにその前にあるアルファベットなどは文字数などに法則性がなく厄介だ。これは製造した工場などを記号で示したりするようで統一感がない。それこそ中古タイヤ屋さんでたくさんの事例を見ると、見分けがつくようになるだろう。
 
2.サイドウォールの傷を見よう
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 基本的に、致命的なサイドウォールの傷があるものは売らないはずだ。だが漏れもあるかも知れないので自分でも確認しよう。表面的なものなら問題ないが、奥までえぐれているようなものは店員に確認した方がいい。サイドウォールのパンクは一瞬で空気が抜けるケースが多く、危険なうえに、修理も不可能。ここに不安があるタイヤは避けておきたい。
 
3.タイヤ表面を見よう
 溝に石が挟まっていたり(取れば別に問題なし)、傷がついていないか確認しよう。パンクにまで行っていないが、切れ込みの様な傷が奥に向かって入っているケースもある。気になるようなら店員さんに聞いてみよう。
 スポーツタイヤなどは、表面が熱で溶け、そのカスがまとわりついているものがあったりする。僕はあまり気にしていないが、タイヤ表面が沸騰するほど高温になったことを意味しており、おそらくサーキット走行をしたタイヤだ。気になるならやめておいた方がいいが、そういうタイヤを物色する人は自分で選別できるでしょうから僕の説明は不要ですね。
 
4.パンク修理跡を見よう
 タイヤを回転させ、内側から確認するとツノの様なものが飛び出しているタイヤに遭遇することがある。パンク修理の跡である。きちんと修理されているのであれば問題ないし、嫌なら止めれば良い。大体同じ車から外したであろう4本が固まっておいてあって、5千円、5千円、5千円...と来てるのに1本だけ3,000円、なぜ?と思って調べるとパンク修理跡のあるタイヤだったりする。
 不安だからやめるのか、安く買えてラッキーなのか、それはあなたの考え方次第だ。
 
 以上のような外見チェックでほぼ危険は回避できると「僕は」思っている。

 それでも「命を乗せて走る」ものだから...。

 ムリに勧めるものではないのでいいのだが、一応言うと、自分が新車で買った車に着いていた新品タイヤが5分山まで減ったとして、その先は不安だからと言って半分山があるのに途中で捨てたりはしないだろう。それと同じで、誰かが命を乗せて普通に乗っていたものを、後半自分が引き継ぐだけの話だ。このタイヤの前オーナーが売る瞬間までは安全で、次に使うあなたに急に危険が及ぶような状態を、外観の確認では分からないように仕込むとはどのようなことがあるのだろうか?

 絶対ないとは言い切れないが、そこまで言うと、新品タイヤとて初期不良は一定数あるはずだし、前回除外したが作業者のミスの確率(新品も中古も同じ確率としてあると考えていい)の方がよほど高いと思う。

 そして僕は30年、そうした最初に除外したことも含めて、ずっと中古タイヤを使っているがトラブルは一度もなかった。

 分かってる。一度もなかったことがこの先一度もないことの保証にはならない。だが、現在までそのような確率で来ていることもまた事実である。

 
■とにかく行ってみる

 冒頭で、中古タイヤの最大の不安は「自分以外の1人以上が使用していた」という事実だと書いたが、実は中古タイヤ屋さんが良くわからない」と言うことから来る不安ではなかろうか。
 ピットで作業している人の様子や他のお客さんを見てみる。この店もまっとうな仕事をして来なければここでは営業できなくなっているはずだ。つまり「何かが起きてしまう」ことを我々ユーザーと同じように、彼らもまた、とても恐れているのである。考え方によっては「同じ立場」とも言える。

 そういう中でお客さんも次々入っているなら、その分の喜びと信頼を得ていると言える。だから来るのだ。

 店頭に並んでいるタイヤもよく見てみよう。危険なものを騙して売ろうとか、そういう意図が見えるものがあるかどうか、気が済むまで商品を手に取ってみて確認してみればいい。中古タイヤ屋さんはそれができる。
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 「一度入ったら何も買わずに出る」のが苦手な人も多かろう。何より僕がそのタチだ。

 だが、店頭ではサイズを確認しに自分のクルマに戻ったり、車をピットに入れに行ったりと、会計せずに店を出入りする行為は常に起きている。僕の行っているお店はそもそもレジが奥にあって客の出入りも見ていない。

 接触回数が少ないと「良く分からない」ことが訳もなく漠然とした不安になってしまうことがある。何度か店に足を運び、自分のクルマのサイズや銘柄がどのくらいあっていくらくらいで売られているのかリサーチしよう。いくつかの店を見比べるのもよい。
 何度か店に足を運ぶうち、店を出ていくお客さんの様子などを繰り返し見ていると別に平気じゃん」ってなると思う。

 ならなければ、止めておけば良いだけだ。

 今回はやめたとしてもこのリサーチは決してムダではない。人生に1度や2度、マジでカネに困る時は必ず来る。その時に借金に手を出したり、クルマを手放したりせずに切り抜ける、切り札になってくれるかもしれない。
先日タイヤ交換をした。カーライフ30年、僕は中古タイヤのみで来た。だが中古は不安という人も多い。安いんだろうけど、大丈夫?興味あるけど、なんか入りにくい...。だが、中古タイヤ屋さんはルマライフの幅を確実に広げてくれるのだ。



 【このブログの内容】 

 ・中古タイヤ屋さんを利用することの不安とは? 

 ・中古タイヤ屋さんのメリット4つ
  1.安い
  2.選択肢が広い 
  3.1本から買える
  4.セールスされることなく、ゆっくり買える

 ・前編まとめ 


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【中古タイヤ屋さんを利用することの不安とは?】

 逆に言うと僕は新品タイヤを買ったことが殆どない。だから逆に新品タイヤのメリットと言うのは想像に頼る部分が大きいが、おそらく最大にして最強のメリットは「安心」これであろう。これに尽きると言っても良い気がする。

 カーディーラーや信頼のおけるショップ、タイヤ量販店などでタイヤを買って装着してもらうのが、我々一般人が可能な、もっとも安心できるタイヤの購入方法であることは間違いない。

 新品タイヤがなぜ安心か。それは、工場を出荷されたのち、一番最初に装着するのが自分である、ということだ。

 店頭での在庫期間や店頭での保管状態とかまで話をし始めるとややこしくなるが、安心と言えるのはそこだろう。

 後はもし、タイヤを装着するメカニックの技術レベルを心配しているというのなら、それは新品タイヤを扱う所か、中古タイヤ屋かとは無関係だと言って良い。それは仕事ができるかどうかという人の問題であって、このレベルの良否はどのディーラー、ショップであっても同じように存在すると思って良い。ディーラーが最も技術レベルが高くて、中古タイヤ屋さんはそうではない、ということはない。ディーラーにも仕事ができない人間は、残念ながらちゃんといるのが現実だ。

 なのでこの議論は本稿では置いておくことにする。これを心配するのであれば、やはり自らが色んなショップに足を運び、信頼のおける技術と人間性を持ったメカニックを探す努力を擦ることしかない。

 そうなると残る不安要素は、中古タイヤは自分の前に1人以上の誰かが使用していた、という事実がある。中古タイヤ屋さんを使用する不安要素はそこに集約される。

 それは良く分かる。今回はその不安要素を少しでも取り除く方法も合わせてお話していく。


【中古タイヤ屋さんを使うメリット4つ】

 中古タイヤ屋さんを使うメリットは、ズバリ安い。もう、これに収れんされると言って良い。

 が、一応いくつか書いておく。



 【中古タイヤ屋さんを使うメリット】 

 1.安い

 2.いろんなメーカー、ブランド、そして残り溝の状態から選べる 

 3.1本から買える

 4.セールスされることなく、ゆっくり選べる


 僕はこのあたりだと思っている。最後以外は副次的な他の効果もあるが、突き詰めれば「安い」につながる。

 それでは最初から見ていこう。


■中古タイヤ屋さんを使うメリット1 「安い」

 これは以下に車に興味のない人でも一番に想像するメリットだと思うが、それで正解。中古タイヤは安い。この安さを知ってしまうと、もう新品タイヤには戻れない身体になってしまう。僕がそれだ。

 特に僕は車を買って最初に友達に連れていかれたのが中古タイヤ屋さんで、この価格が僕の基準になってしまった。

 で、一口に安いと言っても、どのような事か。

 まずは、絶対的な支払額が安い。例えば新品の実売価格が1本1万円のタイヤがあったとする。同じ銘柄の中古タイヤが1万円のはずがない。タイヤを買う必要に迫られているが、どうしても1万円は用意できない、という時に、中古タイヤ屋さんならタイヤを変える可能性がある。

 さらに、割合としても安い。例えばその1万円のタイヤで、残り溝が8割のものが中古タイヤとして売られていたとする。それは8,000円か?というと、感覚的には5千円~6千円くらいで売られているか、もっと安い。それはおそらく上記の不安要素に加え、貧乏くさいような印象も含めて「中古」という負のイメージを打開するためには単に残り溝の分だけを価格にしたのでは売れないという現実があるからだろう。

 これは後述するが、事実上新品タイヤなのに中古として売られるタイヤもあって、それが新品と同じ価格でないことからも想像できる。


中古タイヤ屋さんを使うメリット2 「選択肢が広い」

 中古タイヤを買う最大のメリットはもしかしたらこちらかも知れない。突き詰めれば「安い」につながると言えなくもないが、それだけではない選択肢の広さは大きな魅力で、ここに魅せられていると言っても良いだろう。

 例えば、タイヤショップでもブリヂストン系列とかだと扱っている銘柄もある程度限定されると思う(行ったことないから想像だけど)。あまり聞いた事の無いようなメーカーのものを置いているようなこともない。

 しかし、中古タイヤ屋さんであれば、その様なことはない。ブリヂストンやYOKOHAMA、ダンロップなどの国内有名ブランドから、ミシュランやファイヤストーンなどの海外メーカー、ハンコックやクムホ、NANKANなどのアジアメーカーなど、もう完全無法地帯である。

 同じメーカーでも、色々ブランドを出しているが、これも多種多様。ポテンザやADVAN、ディレッツァなどのスポーツ系、コンフォートタイヤ、エコタイヤなども選べる。
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 もちろん、中古なので在庫がなければないのだが、仕入れるブランドを決めているわけではないので、聞いたこともないようなメーカーのタイヤに出会えることも多い。

 そして何より中古タイヤ屋さんの面白みは、残り溝の状態も選べる、という点である。これは価格に直結するわけで、本当に残り溝がない状態のものであれば、180SXのサイズでも1本1,500円などの値段が付いているものに出会える時もある。

 とにかく支払いの絶対額を減らしたい、と言うことであればこうしたタイヤを選んでそれこそツルツルのスリックタイヤ状態になるまで履く、という生き方もある。僕は大学時代など実際その様なことをして何とかカーライフをやりくりしていたのだ。

 そう言うケースは一般の方はないにせよ、例えば、通勤でクルマを使っていて、もうタイヤがなくなってしまったが、今月はどうしてもお金がない。しかし、タイヤを買わなければ明日から通勤もできない。そんな時もあるだろう。普段は新品タイヤを買っているが、そういう時だけでも中古タイヤで次のボーナスまで切り抜けることができる。

 他にも引っ越すとか子供が生まれるとかの理由で、もうこの車はあと1年で手放す、と決めているクルマがあったとする。しかしそんなタイミングでタイヤがなくなってしまったらどうするか。週1回しか乗らないから、新品で買ったら絶対に使い切らないのでそこまでお金をかけたくない...。

 こんな時に中古タイヤ屋さんが非常に重宝する。週一回乗るペースであと1年で使い切るであろう残り溝のタイヤを買えばいいのである。これならムダはない。


中古タイヤ屋さんを使うメリット3 「タイヤ1本から買える」
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 中古タイヤは1本から買うことが可能だ。店によっては違うケースもあるかも知れないので各自確認して欲しいが、僕は1本で買ったことも何度もある。スピンターンとかやったりしていると、どうしても同じ方が先に減ったりとか、まぁ、理由はいろいろだが片方はまだ使えるのにそれも買い替える、というのは金銭的に難しいのでそうしていた。

 結果、僕は右後輪はヨコハマなのに左後輪はブリヂストン、なんてのは日常茶飯事だった。

 新品タイヤの場合は、その様な売り方はしてくれないと思う。ちなみに僕は新品タイヤをやむなく購入しなければならないケースに遭遇した時、4本でないと売れないと言われたことがある。この事件については別の機会があれば話したい。

 気持ちは分からないでもない。基本、タイヤは4つついているのだから4の倍数で仕入れているのだろう。それを1本で売ってしまったら残りは3本。こんな半端な在庫をしてしまって、次に誰が買うと言うのか。

 だが、中古タイヤはそんなことはない。これはビンボーオーナーには朗報だ。

 左右で違うタイヤなんで大丈夫?と思われるであろう。良いはずがない。それは間違いない。しかし、クルマが壊れるか?となれば、我が国のクルマはその程度では壊れたりしない、と僕は思う。僕の180SXでも相当やったが、実際30万km走った今でもデフをはじめ、何の問題もなかった。

 左右で違うと言っても、ある程度残り溝は似たレベルにするし、右がハイグリップタイヤで左がエコタイヤなんてことをするわけでもない。パターンが違うくらいで、この程度の差は通常の路面であっても常に差はある。どんなに真っ直ぐ走っていてもコンピューターが操作しているわけではないから厳密にはハンドルで微調整しているのであって、そう考えれば左右のタイヤの差動は常に発生していると言って良い。多分それと同程度の違いでしかないと思う。

 もちろん、お勧めはしない。せめてフロントやリア2本セットで交換することを勧める。だが、できるかできないか?で言えば、できるし、良くはないが壊れもしない。

 ただ、例えば、新品でタイヤを買ったばっかりなのに、カーブの時に縁石でサイドウォールを切ってしまった、というケースはどうか。2本もしくは4本換えるのは非常に悔しいと思うし、出費もかなりのものになってしまう。まだ使える残りを捨てるのも忍びない。しかし、中古タイヤ屋さんで同じブランドの近い残り溝のタイヤが1本で買えるかもしれないのだ。


中古タイヤ屋さんを使うメリット4 「セールスされることなく、ゆっくり選べる」

 タイヤショップやカー用品店でタイヤ売り場の前に居れば、即座に店員がセールスしてくる。タイヤは販売店にとってかなり売りたい商品なのだろう。他の商品を見ている時はそんなことはないが、タイヤだとすぐ来る。オイルもその傾向があるかな。

 で、販売店も政策として売りたいタイヤがあるのだろう、最初に心に決めたタイヤがあったとしても店を出るときは別のタイヤを履いていた、なんて経験がある方も多いのではないだろうか。こう言うケースは店員とユーザーのリテラシーに大きな差がある商品に多い。パソコンとかもそうだろう。

 中古タイヤ屋さんではそのようなことはまずないと言って良い。もちろん、店によって違うと思うが傾向としてはそうだと思う。

 中古タイヤ屋さんは従業員のほとんどはタイヤ交換などの作業ができる人を厚くするような布陣で展開しているように思う。交換作業のできる人が店内にも来ている、という印象だ。多分彼らもセールスは得意な方ではないに違いない。だから、こちらから質問しない限り、店の人から積極的に声がけしてくるような経験は僕は一度もない。

 なので、心行くまでじっくり選んで、欲しいと思ったものが決まったら「これ下さい」と言えば、それが手に入る。装着できないサイズとかでない限り、別なタイヤを勧められるようなこともない。


前編まとめ

 いかがだっただろうか。中古タイヤには不安も多いと思うが、メリットもまた、たくさんあるのである。別にどちらかにする必要はない。

 新品タイヤメインだが、時と場合によっては中古タイヤを選択肢に入れられるように、日ごろから中古タイヤ屋さんをリサーチしておけばいいだけの事である。

 もちろん、まだ中古タイヤの不安を払拭できたわけではないと思う。

 後編では、その不安を少しでも解消する方法をお話していきたいと思う。
エリーゼに常備する軽くて小さくて、何より実際に「使える」工具を探す旅。2回目の今日はトップ工業の「板ラチェット」。1本で4サイズのボルトをなんと本締めまでできるという。果たしてその実力は。




 【このブログの内容】

 ・プロローグ 

 ・邂逅 

 ・ファーストコンタクト 

 ・使用感 

 ・まとめ 



<この記事は動画にも収録しております>


【プロローグ】

 仕事のピークを過ぎた土曜日。気づけば桜が満開だった。陽気も素晴らしい。エリーゼをオープンにして出かけるには最高の条件が揃った。しかし、丸一日日程が取れるならまだいいが、今日も自由に使える時間はわずか。そして、体は鉛のように重い。

 YouTubeには桜満開の所をオープンで走る様子を収めた動画が次々アップされるだろう。

「俺はいいかな...。もう、疲れたわ。」

 とも思ったが。

 ここの所、週末が連続で荒天であり、明日日曜日も荒れるという予報。今乗らなければ来週になってしまい、1カ月程度乗らないことになってしまう。それもさすがにまずい気がする。

 乗るか...。乗るなら撮るか...。

 と言う事で、ちょっとした距離を乗りたいときに目的地としてよく設定するホームセンターへ。道すがらの武蔵水路沿いは桜並木もある。ここでカメラを回そう。
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 で、ホームセンターに行くなら...。エリーゼ車載工具企画の工具を探してみるとしよう。

 僕はエリーゼのカバーを3週間ぶりに外し、充電することから開始した。

 体はやはり、鉛のように重かった。


【邂逅】

 とは言え、そんな素晴らしい出会いがあるのか?なければこの動画はお蔵入りだ。否、蔵にも入らぬ。即削除。果たしてどうか。

 一応何となくアタリを付けていたのは短いメガネレンチ。エリーゼに積むなら、13-15、14-17の2本で良い。今の車載工具には10-12もあるが、このサイズを本締めするというのは別にメガネレンチでなくても必要なトルクは得られる。

 と言う事で、小さいサイズはメガネレンチは持たないと決めていた。

 そして店頭へ行ってみるが、メガネレンチは凡庸なものしかなかった。もちろん使えれば良いのだが、やはりエリーゼに乗せるなら、一つ二つ語れる工具でないと愛着も沸かぬ。そういうヤツはいないのか...。

 と、もう少し視野を広げたら、面白いキャッチが目に留まった。
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「4サイズ板ラチェットレンチ」
「本締め可能」

 面白そうな臭いがするじゃねぇか...。

 ただ、1つの穴で2つのサイズをカバーするというのはどうなんだろうか...?

 という心配もあったが、メーカーはTOP工業。現在の車載工具ではすでに超一級レギュラーの「イグザクトレンチ」を出しているメーカーであることもあり、興味の方が勝った。

 価格は約3,000円。とは言ってもメガネレンチも1本1,000円~1,400円くらいなので、本締めできてラチェット付きなら、機能面も考えれば適正価格。否、安いと言っていい。



【ファーストコンタクト】

 開けてみると、質実剛健をそのまま形にしたような造りに好感を持った。

 中央部分に一部樹脂が使われていてしっとりとした握り感を醸しているが、これは操作時よりも取り出しや持ち運び時に効いてくるだろう。操作時はやはり先端に力をかけるが、そこはステンレスむき出しなので、本締めの時は素手では痛いかもしれない。その場合は手袋などを併用したい。
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 ラチェットのロックの方向性を切り替えるノッチもガッチリしており、操作もカチッ、カチッと気持ちよく、切り替わったことが音と操作感でハッキリと分かる。これなら手袋をしていても操作に支障はなかろう。

 ガッチリとした厚めのステンレス板に挟まれたギア機構。唯一の装飾と言っていいヘアライン仕上げがまたいい味を出している。

 錆びにくいという売り文句を裏付けるこのステンレスむき出しの本体は、それこそアルミバスタブフレームがむき出しのエリーゼと共通する思想を感じざるを得ない。「早く楽に効率的にボルトを締結することに必要な機能だけを追求したら、こうなりました、以上!」そう言う事であろう。

 まさに工具のエリーゼ。すべてに意味があり、その意味とは全てが機能に由来する。

 美しい...。

 持てば持つほどしっくりくるその重さ感。工具1つとして考えると、今回のコンセプトに照らせば、決して軽くも小さくもない。しかし、これ1本で2本のメガネレンチの役割を果たし、その上ラチェット機構の恩恵にあずかれるのなら、実質軽量コンパクトだ。


【使用感】

 さて、今回は実際に180SXのロールバー装着で使ってみたいと思う。

 まずは、最も気になる本締めの性能だ。とにかくここを試したい。一番サイズの大きい17mmのボルトがちょうどロールバーで使用されているので使ってみよう。

 ロールバーの取り付け作業に於いてとにかく面倒なのが、室内の作業にありがちなことだが、工具の自由度が低いことだ。入りにくい場所や締め付けのために工具の柄を回転させられるスペースが非常に限定される。これまではそれでも挿し換えながら作業していたが、作業スピードは当然落ちる状況であった。
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 前席の頭上部分に来るロールバーのボルトは、これまで僕の手持ちの工具では極めて困難だった。ボルトの頭が完全にはレンチにかかっていないような状態で、ロールバーに付属のL字のヘキサゴンレンチで挿し換えながら締めていた。

 しかし、この板ラチェットであれば、裏側にもいとも簡単に、そしてしっかりと入る。回転の範囲として使用できるのは90度分くらいだが、ラチェット機構があればそれがどうした?って感じだ。面白いくらいに早く作業が完了してしまった。

 今度は、足元の作業に入る。ここは助手席側の足元の部分。室内側のボルトと、車外床下のナット、2本の工具が必要になる場面だ。この位置はこれまでもラチェットレンチを使用できていたので、大差はない。今回の工具はオフセットしていないので、このような平らな場所では工具を握ることはできなくなってしまう。

 ところが、この工具の本領発揮の場面はこの部分のボルトだ。これまでは斜行したロールバーが邪魔になり、メガネレンチをかけるしかなかった。スピードはほぼ諦めて、メガネレンチを挿し換え挿し換えしながらやっていた。

 果たしてここは?
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 メガネレンチに比べてラチェット機構がある分、頭のサイズが大きいので若干難儀したが、ロールバーの保護スポンジを少々押し込んでボルトに賭けることに成功した。かかってしまえばこっちのもの。平面で握れないというの負はあるものの、ラチェット機構はそれをあっさり覆す作業スピードを提供してくれた。

 長さも程よく、必要な力が良くかかるサイズ感であった。とにかくラチェットの感触もカッチリしていて分かりやすく、本締めOKと謳うだけあって、工具の強度・剛性も全く不安感はない。

 ラチェットレンチとは比べ物にならないくらい頭の厚みが薄いので、使える箇所の可能性が広がっている。

 オフセットしていないので、完全な平面の部分では本体を握って作業できないというシーンもあるが、総合的に見ればこの工具から得られる利便性の方が圧倒的に多いのは使ってすぐにわかることだ。

 一つの穴に2種類のサイズがあてがわれていることについても、通常のメガネレンチと同等の深さはあり、使用上、何の問題も感じることはなかった。


【まとめ】

 使った感じ、利便性もさることながら、とにかく頑丈な造りで不安感が全くなく、これからこの工具と長く付き合えるお友達になれそうな気がしている。

 これから車載工具として、非常時でも使いこなせるようになるためには、本当に工具と厚い信頼関係が構築され、以心伝心のお友達になる必要がある。だから僕は、車載工具を普段も使う。と言うか、普段使うものを車載する。

 車載工具である以上、非常時にそこから脱出し、生還する目的でも使用される。こちら葛飾区亀有公園前派出所の本田の言葉を借りれば、一般公道は戦場なのであって、何が起きてもおかしくない。ひとたびトラブルが起きれば、人様に迷惑をかける場所で作業しなければならないかもしれない。雨が降っているかもしれないし、暑かったり寒かったりするかもしれない。時間的な焦りを伴うことも考えられる。エンジンオイルや冷却水がどんどん漏れていく状況だったり、もうすぐ日が暮れる山の中かもしれない。

 トラブル発生と言うだけで気が動転しているのに、その様な場所で使う道具が、その時初めて開けるような車載工具では生還できる可能性はぐっと下がってしまうことだろう。

 せめて、そこで工具が使い慣れたものだったなら。

 それが、僕が使い慣れた普段使いの工具を車載する理由である。そしてそれはもちろん、信頼のおける工具でなければならない。

 そこに於いて、この工具とのファーストコンタクトは、十分に信頼のおけるものだった。

 このダイレクト感、ボルトが締まってきた感じ、ロールバーの当て板がしなってくる様子までもが手にしっかりと伝達する様は、まるで路面状況をダイレクトに伝えて来るエリーゼのアルミバスタブフレームのようじゃないか。

【板ラチェットレンチ 4サイズ 13-15/14-17mm】
(amazon)

買ったから見れるパッケージ裏面。ご参考に!
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【関連動画】同じトップ工業のガタつかないモンキレンチ「イグザクトレンチ」
今まで車載工具を1セットしかもっていなかったが、エリーゼと180SXそれぞれに搭載しようと考えた。もう1セット作るなら、もっとコンパクトな工具セットと言うテーマで揃えてみよう、と考えた。まずはラチェットハンドルからである。


 【このブログの内容】

 ・軽量コンパクトな自撰工具セットを作ろう! 

 ・ラチェットハンドルのレゾンデートル 

 ・今のラチェットハンドルについて 

 ・まとめ 



【軽量コンパクトな自撰工具セットを作ろう!】

 最初だから経緯を詳しく述べることにする。

 僕はこれまで、簡単な工具バッグに入る分、1セットだけを所有し、基本的にエリーゼにそれを車載している。

 そうしながら、180SXで出かけるときはその工具バッグを180SXに積み込み、はたまた家族で出かけるようなときはNOTEにこれを積み込む。

 これで1セットでやってきた。(下の写真)

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 しかしながら、180SXは平日仕事帰りにもちょっと買い物なんかに乗ったりするが、そういう時は工具がエリーゼに積みっ放しになっていることもある。得てして、トラブルと言うのはこう言う時に起こるものなのだ。

 もちろん、そう遠くには行かない。しかし、万一車が動かなくなるような事態になり工具が必要になれば、クルマでは「そう遠くない」と言えども、歩いて工具を取りに戻るのはかなり厳しい。

 やはり、工具は常備すべきで、こういう事実がある以上、もう、180SXにも工具を積むべきではないのか、となる。

 要は、車載工具をもう1セット揃えるのだ。

 今の工具は長い年月をかけて僕の所有するクルマと技術レベルに合わせて洗練された、いわゆる僕仕様の、一つの答え。だから同じものを揃えればそれで困ることはないが、それでは面白くないし、進歩もない。

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 と言う事で、自らに課した命題が、ある。

―現場で使えるコンパクトな車載工具セットを自撰せよ―

 これである。

 そしてそれをエリーゼに搭載する。

 本当に必要な工具を厳選し、なおかつそれをより小さく、より軽いものにする。工具と言えども軽量を旨とするエリーゼに積むなら無法地帯であってはならない。より軽く、より小さく。そしてもちろん、実用に足ること。

 まさに工具の求道者と言えよう。

 なお、小さく短い工具となれば、力がかけにくいという欠点がセットになる。これはもうパイプを継いで使うと割り切った。パイプで延長して使用することをほぼ全ての工具では認めていない。当然だ。1.5mくらいあるパイプを継いでバカ力で回すユーザーがいるかも知れないのに認めるはずもない。完全に自己責任となる。ただ、力のない僕はこれまでもたくさんの現場で鉄パイプを継いで、正規の方法では外せないボルトを外してきた。気を付けてやれば大体壊れる前に気づく。

 メーカー保証外、自己責任であることを理解した上でこの旅に出るのだ。

 第1回目の今回は、ラチェットハンドルである。


【ラチェットハンドルのレゾンデートル】

 ラチェットハンドルは作業をするのに絶対必要か、と言うと厳密にはそうではない。
 全てメガネレンチでやればいいだけのことである。
 メガネレンチはボルトの頭をなめてしまう可能性が最も低い工具で、全てのボルトをこれで回せばよい。

 ...はずなのだが。

 実際の所はどうかと言うと、メガネレンチよりも、ラチェットとセットで使うソケットの方が、豊富なサイズが揃っている現実がある。

 厳密にいうと不要、しかし事実上必要。これがラチェットハンドルとソケットなのである。

 その最大の理由は、回すときの作業性の高さ。
 実際の現場では、メガネレンチでは他の何かに工具が当たってしまい、ボルトを1/4回転くらいしか回せないケースがほとんどだ。10回転させなければ外れないボルトを、1/4回転ずつメガネレンチを挿し直しながらは回さない。ラチェットハンドルを使えば、ボルトから工具を外さずに連続して回せて作業性は大幅に向上する。挿し直しが無ければボルトの頭も摩耗しにくい。

 結果、は前述の通りで、僕の工具バッグには絶対に必須なはずのメガネレンチは10、12、13、14、15、17㎜しか入っていない。もし、180SX用なら、13と15も不要だから2本で済む。しかし、ラチェットハンドルに着けるためのソケットは6㎜~27㎜までかなりの数を車載している。それが現実だ。結果的にラチェットハンドルとソケットが、使用頻度が最も高く、「なくてはならない」工具の座を欲しいままにしていると言えよう。


【今のラチェットハンドルについて】

 現在使用中のラチェットハンドルは、僕が初めて車を買ったときには既に実家の物置に存在していた。だからもう30年は経っている年代物と考えられる。どこのメーカーのものかも分からぬ。特にこうしたものにこだわりのない父が買ったものだから、ホームセンター(当時そんなものはなかった気もするが)あたりで買った安物のセットと思われる。

 なのに全く壊れる気配はない。不満があるかと言うとそうでもない。

 だが、気になっていたラチェットがあった。それが今回のストレート製「スイベルラチェット」である。

 首の部分で折れるものもあるが、それではない。言葉で書くのは難しいが、回転の中心線に完全に一致する位置にハンドルが垂直になるように動くのだ。これの何が便利かって、早回しができるのである。

 それだけではない。180度回せるスペースがあるなら、ソケットをボルトから外すことなく、スイベルを使ってハンドルを元の位置に戻し、再び回転させられる。

 という、非常に便利な機能を持ったスイベルラチェットがなんと今持っている半分の長さになっている。まさに今回の規格にぴったりだ。


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 驚くべきことに、ハンドルはT字ハンドルに変化する機構までついていて、更に早回ししやすくなっている。完璧だ。


【まとめ】

 まだ実戦で使用していないのでおそらく便利と思われる、という想像の域を出ないが、小さく・軽くなっていながら、しっかり利便性もアップしているところがスゴイ。(もう便利になると決めつけている)

 価格も2,000円程度と、この機能にしては爆安であり、後は簡単に壊れなければ、勧めない理由がないくらい完璧な工具になりそうだ。

 出だしから良い工具に出会ってしまった。

全長115㎜、重さ129g、早回しもできる、コンパクトラチェットハンドル
本年4月1日からのナンバープレートの新基準の全面適用がいよいよ目前に迫った。今回は、一般消費者目線でこの基準を読み解いてみたいと思う。

 本稿はYouTubeチャンネルの視聴者よりリクエストを受け、動画作成の下準備として投稿いたしました。当サイトおよび、YouTubeチャンネルはこうした読者、視聴者の皆様からのお声で支えられております。感謝申し上げます。




 【このブログの内容】 

 ・そもそもナンバープレートとは?

 ・この法律の目的は?

 ・内容については分かりやすく国土交通省ホームページに記載 

 ・罰則はあるのか

 ・誰が該当するのか

 ・そしてオレなりのツッコミ、これは誰も言及してないゾ

 ・まとめ

※本稿は一般消費者目線で本基準について解釈し、ネタとして面白可笑しく語ったものであることを予め告知致します。
 執筆者は法律家でもなければ国土交通省の職員でもございません。最終的な解釈の判断はご自身でもお調べください。

【そもそもナンバープレートとは?】

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 ナンバープレート(自動車登録番号標、軽自動車にあっては車両登録番号)に記載される番号を、「自動車登録番号」と言い、1台につき1つのユニークな(唯一無二の)番号(文字・記号含む)が割り当てられる。

 縦16.5×横33cm(普通乗用車の場合)程度の大きさの中に、管轄する陸運局、普通・小型・商用などの種別、自家用・レンタカーなどの区別など様々な情報が含まれている。

 これにより、その車両が道路運送車両法上の保安基準に適合していることや、保管場所の確保、自賠責保険への加入、自動車重量税の納付が行われていることなどが確認できる他、有料道路の料金の収受、ひき逃げなどの犯罪捜査、自動速度取締機による車両の特定、無謀運転・迷惑駐車などの通報など、様々な用途に利用できるものである。(国土交通省「ナンバープレートの機能」参照)


【この法律の目的は?】

 まぁ、これはあまり深く語らなくてもわかると思うが、ナンバープレートが見えない、見えにくい状態では、前述の目的が達成できないからに他ならない。

 にもかかわらず、2輪車などでは極端な角度に折り曲げたりナンバーを縦向きに90度回転させて取り付けたりしている。自動車に於いては悪質なものだと自動速度取締機(オービス等)の撮影から逃れるため、フラッシュに反応して反射し、逆光状態にして判別不能にする機能を持ったフレームや、走行風を受けて前傾し高速時には視認できなくなる取り付けステーなどが存在したりした。

 また、意図せず(もしくはそれを装って)ナンバーに泥の塊が付着して、もしくは汚れがひどく堆積したまま(故意に?)放置し、全部または一部が見えない状態になっている車両もある。

 中には、コンビニの袋をナンバーに引っ掛けたりして(これならば故意かどうかは容易に判別できない)、自動速度取締機が何キロで作動するか実験する輩もいたりした。更にエスカレートして、オービスに向かってピースサインまでしていたバカが(こうなればもう故意)待ち受けた警察官にその場で捕まったケースもある。悪質だったため、「速度違反」では処分されていなかったと記憶している。

 既に道路運送車両法19条では、国土交通省令で定める位置に「被覆しないこと」「識別に支障が生じない...方法により表示しなければ」ならないとされていたが、これではあいまいで解釈に相違が生じ、現場レベルでは混乱もあったのだろう。今回それをより具体化したものと僕は考える。


【内容については分かりやすく国土交通省ホームページに記載】

 内容については何も難しいことはない。国土交通省の「ナンバープレートを見やすく表示しましょう」のページを見て頂ければ問題ないが、同サイトから説明画像を引用し、掲載しておく。

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出典:国土交通省ホームページ「ナンバープレートを見やすく表示しましょう」より引用

 以上のとおりである。

 読めば分かるが、注意したいのは左右の傾きの角度で、傾けていいのは左向きだけであって、左右ではない。おそらく、クルマが左側通行の我が国にあって、歩行者側に向ける分には構わないが、歩行者がいない方であろう右側に傾けることはNGとしているものと推測できる。
 本件について紹介した記事をいくつか読ませていただいたが、中には「左右」傾き5度と読み取れる記載をしているものもあったので注意されたい。

 つまり、自然な形で車体右側に寄せて取り付けたら右を向いてしまうので、現実的でないと看ていいだろう。
 180SXがいい例だ。この車は車体左側にインタークーラーがある。右側はウォッシャータンクがあるだけなので、できればナンバーは右に寄せたいが、その為には少なくとも正対するように取り付けねばならないから、上から見たときに車体のラインとは沿わないことになる。

 僕は付けていないがナンバーのフレームも人気のドレスアップパーツの一つのようで、量販店では棚の一角を占めている。これには決まりができたが、ダメではない。基準が明確になったのでこれに則っていれば問題ない。上記サイトにも「フレーム・ボルトは一定の大きさでなければならない」と画像とは別に文章で記載されており、ダメとは言っていない。

 上記画像には「識別に支障が生じない」としか記載がないが、同サイトには「汚れた状態」も不可とされている。故意でなくとも、判別できない汚れはNGとされる可能性があるから、常にきれいにしておくことを心がけるとともに、泥濘地などを走行した後は汚れの状態を目視で確認するなどのケアがドライバーとして求められるとみていい。



【罰則はあるのか】

 この部分は各人e-Govなどで法を参照して頂くか、専門的知識を持った方にアドバイスを受けるべきかと思う。上記サイトにも罰則の記載まではなく、そのためか本件を紹介した記事にもこの点に触れていないものも多かった。

 が、自分が見つけた中で記載していたのはMotorz「ナンバー位置を変更すると違反になる!?2021年4月から罰則が強化されます!」のページで、そこには


また、ナンバー文字のペイントが剥がれたり、汚れで読み取りにくいと違反となり、50万円以下の罰金(道路運送車両法 第109条第1項)、悪質なものだと3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(道路運送車両法 第106条)となるため、今のうちから十分注意してください。

引用元:Motorz「ナンバー位置を変更すると違反になる!?2021年4月から罰則が強化されます!」

 とある。

 僕は法律家ではないのだが、一応エーGovで確認してみた。

 僕の理解では上記で言う所の道路運送車両法 第109条第1項の50万円以下の罰金については該当するように思えたが、同法106条の3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金の方はちょっと該当するようには読み取れなかった。



【誰が該当するのか】

 で、まぁ、おそらく多くの人が知りたいのはこの法に「誰が該当するのか」であろう。これも自動車関連サイトの記事によって微妙な差があったりするのだが、これは本家国土交通省のサイトが最も明確な気がする。

 要は2021年4月1日以降に初めて登録・検査・使用の届出がある自動車が対象なのである。それ以前から使用している僕たちのようなユーザーに対しては、「自動車の運行中番号が判読できるような見やすい角度によること、番号を被覆せず、脱落するおそれがなく、自動車の運行中番号が判読できるフレームまたはボルトカバーを取り付けることができる」(そう明記されている)と言う基準さえ満たしていればよい。

 次の車検からこれに適合するようにせよ、と言う意味でもない。

 この法律が施行された2016年4月1日からは準備期間であって、主に自動車メーカーなどに対して4年後からそういうデザインでないと違反になるから、今からそれを織り込んで準備しといてね、ということであって、我々一般ユーザーにはそれほど関係ない。

 ただ、注意すべきは、オーナー自身の手で自作あるいはアフターパーツを使用してナンバーを移動もしくは角度を変えている場合。これが、国土交通省のアナウンスしている基準に適合しない角度になっている場合はNGになると僕は思う。何故かと言えば、この作業を「いつやったか」を証明することができないからだ。

 純正の付き方が当時の法律ではOKだった、というのはこれからもOKなので、もはや何が純正か分からなくなっているようなクラシックカーなどは、純正然とさせておくことがテクニックであるように思う。

 つまり、前述の180SXの例で言えば、車体右側にずらすのであれば、少なくともナンバーは正面を向いた付け方にしておく必要がある。車体中央にかつてナンバーが付いていたネジ穴が開いているので、オーナー自身の手によって故意に移動させているのは明らかである。ナンバーを右にずらしてそのまま右に向いている場合はNGとなると僕は解釈する。

 ただ、それに関しては、既に2016年4月1日からNGだったと思うが。

 で、だ。よせば良いのにここで連呼されている「自動車の運行中」と言う言葉が僕の性格上、気になってしまった。この文章に拠れば「自動車の運行中」でない場合は好きにして良いわけで、自宅の駐車場でエンジンを停止させている場合であれば、ナンバーを隠して撮影するようなことは問題ないと考えられる。

 「運行中」という定義について調べ始めると、これはかなりの大迷宮で、この法律の性質からすると道路運送車両法第2条に定義される「運行」で良いと思うが、「自賠法」などまで読み解くとかなり定義は広がり、解釈もさまざまで正解はないようだ。

 また、道路運送車両法上であっても、車両の停止、エンジンの停止は必須と考えるとしても、今度は「道路」の定義にぶつかる。自宅の駐車スペースであればOKだろうが、高速道路のパーキングや一般道の路肩はダメっぽい感じがする。公園の駐車場などはグレーだ。難しいので触らない方が良い。



【そしてオレなりのツッコミ、これは誰も言及してないゾ】

 そして最後にもう一つ。これは各自動車関連サイトで誰も突っ込んでいないのだが、僕はメチャクチャ気になるので付け加えておく。ここからが僕のアイデンティティであり、これまでの部分は僕特有の長い前置きと言って良い(それもアイデンティティ?)。

 それは、ナンバーの面の向きについては全て「範囲」が設けられているにもかかわらず、水平方向の傾きにはその許容範囲が一切なく、単に「水平」と書かれているだけである。特に水平方向の傾きは「何に対して」なのか?そして「許容範囲はないのか?」である。(ちなみに二輪車のナンバープレートの向きも許容範囲なし)

 これを正確に解釈(法律なんだから当然だ)しようとするならば、僕に言わせれば「ザル法」であり、現場は混乱すると看る。
 何故ならこう書く以上、もう「自動車を運行する全員が違反者であるが、それを違反であると確定させることも誰もできない」と僕は解釈するのである。

 理由はこうだ。

 「水平」とだけあって許容範囲がない以上、「確実に水平」でなければ全て違反だ。1度1分の狂いもダメだ。完全なる水平。そうなってくると、「何に対して水平か」が問題だ。地面か?車体か?

 車体だと言うなら、今度は「車体」とはどこか?になる。ナンバーが取り付けられているバンパーか。それとも骨格であるフレームか。バンパーだって厳密には水平ではない。フレームだって確実に真っ直ぐではない。曲っている。工場でラインオフするその時から、許容された公差の中で曲っているのだ。

 つまりこの法に依ればすべてのクルマは

生まれた瞬間、違反車

 こうなる。

話を厳密にするなって?
国土交通省が一切許容範囲のない「水平」って言うから
オレも合わせざるを得ねぇんだよ。

 だから、このナンバーの傾きについて、取締現場では車体をまず確実に水平な場所に置く必要がある。警察官は人工衛星の電波などを利用して測定し、数学的かつ地球物理学的に1度1分の狂いもない水平な場所を用意せねばならない。なにしろ傾斜した場所に車を置いては何が水平か分からないし、車体だって微妙にひしゃげてしまうからだ。

 タイヤの方減りや懸架装置の経年劣化による左右の傾きの誤差も全て0に修正してからだ。理由は同じでそれらの傾きがあればフレームにしろバンパーにしろわずかにゆがむ。

 たとえそれが1mmであってもダメだ。何しろ国土交通省は許容誤差を許していない。

 で、そうした「場」が用意できたとして...だ。

 その「完璧な」ステージでまさか現場の警察官は目視なんかでナンバーの傾きを測るわけではあるまいな?車検場の検査員も同じだ。検査場の地面も数学的かつ地球物理学的に水平であることが求められる。

公差?
もちろんゼロだ!

 検査装置もそれは大掛かりなものでなければ信用に足らない。ナンバーの水平をそのまま両側に100km程度延長し、人工衛星からの電波を受信して計測することを数回行い、その全ての値が同じである必要がある。

 何?平均をとれだと?平均なんか無ぇんだよ。誤差は0なんだから。100回計測して100個とも同じ値でなきゃやり直しなんだよ!

 もし、地面に対して水平と言うなら、自動車の運行中、ナンバーは常に水平に保たれている必要がある。10式戦車の砲台のようにだ。

4月1日からはその装置が標準装備だ。

 クルマは100万円でもナンバー水平維持装置が1億円とか、そうなる。最高のエイプリルフールじゃないか!

 どうだろう。

 この世にナンバーが「水平」なんてクルマは1台も存在しない。しかしまた、そうであることを証明することも、車検場や取り締まり現場では、できないのだ。

 当然、これから判例などが出てきてその範囲は定義されることになるだろう。そうでなければ運用できない。であれば、最初から何に対してどの範囲で、と決めてやればいいと思うのだが。それとも、特に誤差の指定がない場合として包括的に決められているのだろうか?それとも一般公差を用いるのか。今回そのような記載を見つけることはできなかった。


【まとめ】

 ま、最後のは冗談であるが、とは言え、取り締まりの現場および検査場では、どこからが「水平」でどこからが「水平でない」かは混乱を招きそうなように思う。

 ただ、今回の基準の意図は、悪意を持ってナンバーをみえない状態にしようとしているかどうか、であると思うし、そうあって欲しい。料金の徴収や、自動速度取締機、はたまた事故を起こした際にそこから逃れる便宜を図ろうとするような意図が看て取れないのであれば、そこは現場では許容されるのかな、と期待している。

 そのためには、我々ユーザーも「これを許せば何もかも許さねばならなくなる」という常識的なラインを逸脱してはいけないと思う。悪意あるナンバーの付け方から一線を画していれば、今回の規定に若干適合していなくても、そこは問題視されないことを願ってやまない。
 エリーゼのほか、エキシージ、エヴォーラの終焉が現実のものとなった。

 果たして、今のロータスから、次の車種がどのようなコンセプトになるのかは全く不明である。

 願わくば、走りに不要な装備は極力捨て去り、人間とアナログ的な機械が直接対峙し、それ以外の介入がないような、そういうクルマを出して欲しいものだが、それは時代の流れからしてかなり高い望みであろう。

 電子制御やら快適装備やらがゴテゴテついて、より高価に、より重くなってしまいました、だから軽くするためにパーツをカーボンにしたのでまた高くなっちゃいました、みたいなのはロータスらしくない気がするのだが、僕の勝手な思い込みだろうか。

 ていうか、YouTubeとか見てても、何か知らんが異様にカーボンパーツを誉めるシーンが目に付くが、何故??だから、メーカーもカーボンパーツを付けたがってしまうのではなかろうか?どうしても機能として必要なものならそれをカーボンパーツ化するのも仕方ないが、軽くするなら付けないのがまず第一で、「ない」ものにはカネもかからない。それが一番ユーザーのためであり、安ければ普及もしやすくなるのである。それはメーカーにとっても都合のいいことではなかろうか。

 例えば、僕のエリーゼのABCペダルは、アルミ製で肉抜きも美しく、まさに機能美というものである。残念ながらこの後のモデルになってくるとそうしたものではなくハイテンションスチール製になってしまった。のだが、形状や肉抜きに改良を重ね、実はこちらの方が実は軽量に作られているというのである。誉めるならこの様な企業努力を取り上げて欲しいものである。(この情報の出所:「ロータス・エリーゼ&エキシージ パーフェクトブック」ネコパブリッシング社)

 もちろん、プレミアムな世界を演出するということもあるだろうが、そうではないものを追い求めるメーカーもあって欲しくて、それはこの先にもロータスが担って欲しいものだ。

 さて、である。

 兎にも角にも、そのような時代の転換点を迎えた以上、僕のこのエリーゼも歴史的価値も持ち合わせるようになったと自覚するのである。そう思えば、もちろんこれは自分のエリーゼなのであるが、後世にこのような素晴らしい庶民向けのスポーツカーが存在したことを語り継ぐべく、動態保存の努力をしなければならないと言う責任感も沸いて来る。

 そうなると、トラブルを未然に防ぐ、というのがまず第一であろう。

 出先でトラブルになると、出来ることは限られるし、橋の上など路肩のない場所であれば、状況を悪化させることを承知で、渡りきるまで走るなどの措置を取らねばならないこともある。こういうことがあっては前述の理念は叶わぬ。

 少しでもそのような事態を避けるため、運行前点検をできるだけ行うように心がけている。

 とは言っても、特別なものではない。教習所で習うことと一緒である。

 オイル量と色、冷却水の量と状態、空気圧などだ。

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 違うことと言えば、バッテリーに充電しているくらいである。ま、教習所で教わる運行前点検でも、バッテリーの液量の点検などは入っていたと思うので、思想としては同じことか。予備の水や補充用のオイルも持っている。

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 もちろん、他もやればいいことはたくさんあるが、それではいつまでたっても出かけられないので、この辺りが折り合いの付け所だろう。出かける前に行う作業として常識的な時間内にできることでなければ継続できないし、なにかあっても、ここまでやっていたのだから、と思えるかもしれない。

 昨年発生した、冷却水のホースが破裂した件は、もしかしたら運行前点検で冷却水を見ていれば防げたかもしれない、と言う思いがある。それが今、僕をこうさせている。

 僕の中の公道最速理論の中には、もちろんドラテク的なことはあるが、安全に目的地までたどり着き、安全に自宅に戻ることがそれよりも優先される。

 昨年はそのようなトラブルを発生させたので、まだまだ未熟ではあるが、それでもそうした理念を掲げ、こうした地道な作業を積み重ねるのみである。

 180SXについても、これまではかなり乱雑に扱ってきてしまったが、境遇は同じである。こちらも月までの距離38万km走行を目指し、同様にしていく所存なのである。


【PR:本文中で紹介したアイテム】

【対応車種】ロータス エリーゼ・エキシージ・エヴォーラ
レギュラー度:★★★★★

【対応車種】12Vバッテリー搭載車
レギュラー度:★★★★★
事件は重なる。昨年最大の事件と言って良いエリーゼのウォーターホース破裂事件。エンジンとラジエーターを冷却するためにかけた水道水が表面で固着し、ウォータースポットとなっていた。あの事件は今。
 

■経緯を簡単(?)に
 
 昨年夏、エリーゼの冷却水のホースが破裂し、冷却水がない状態で帰宅した。水温計は120度直前まで行っていたが、水がないので、冷却水路内の「気温」を表示していたにすぎず、エンジン本体の温度がどこまで上がっていたのかは不明である。
 
 冷却水がない以上、エンジンを冷やす要素はない(厳密には、オイルと走行風で若干冷えるけれども)。前述のとおり水温計が信用できない状態なので程度を測る術はないが、悪く考えれば車両火災の可能性もある事態である。
 
 と言うことで、到着してから即、車体全体に放水してエンジンを冷やした。
  
 ...以上の様子は、昨年既に動画に挙げた通りである。緊迫感のある映像になっているのでまだの方はぜひご覧いただきたい。




 
 
■水道水の自然乾燥はダメ
 
 上記の件については、その後の動画もご覧いただければ有り難いが、結果的には、今のところ、ホース交換だけで済んでいる。
 
 しかし、この時掛けた水はすぐに夏の日差しで自然乾燥した。そして、車体全体に盛大にウォータースポットを形成したのである。
 
 僕はこれまでの長いクルマ人生で水道水以外で洗車したことはない。洗車した後拭き取りまでしているのはエリーゼだけで、後はずっと自然乾燥でやってきた。
 
 しかし、過去にここまでバッチリとウォータースポットがついたことなどない。バッチリどころか、うっすらもないと思う(これまではボディー色が幸いして気づかなかっただけかもしれないが)。
 
 エリーゼだって、洗車後にテールランプの隙間やドアの間に残った水が流れ出してきて自然乾燥するなどは毎度のことだ。拭き残しが一度もなかったわけでもない。
 
 それなのに、こんな事態はなかった。
 
 しかし、今回に限って、車体全体に誰でもはっきりとわかる、ウォータースポットがついてしまったのである。

 この様子も動画になっているので可能であれば参照頂ければ有難い。



 
 その後いろいろ調べてみると、これは水道水の中に含まれるミネラルや消毒剤などの不純物が固まったもので、非常に硬いのだそう。

 と言うことで、洗車は水道水をそのまま使わない、というこだわる方もいるようである。
 
 なお、ミネラル分の量は地域や日によっても異なるようだ。この日は不運にも、不純物の多い日だったのか。それとも、車体の熱が影響したのか。
 
 逆に、雨などは蒸発した水なのでこういう意味での不純物は少ない。なので雨天の後自然乾燥させても、落下中にキャッチした空気中の埃を含むので、その跡は残るかもしれないが、取れないようなウォータースポットが残るといったケースは起こりにくいようだ。
 
 とにかく、今回に限ってついてしまった水滴の形状についたこのいくつもの輪は、普段やっているようなやり方では、消えることはなく、このままずっと残るのではと一瞬思い、かなり凹んでしまった。
 
 この件に関しては、上記動画公開の後、視聴者の方からも、いろいろとケミカル類の紹介を頂いた。大変に有難いことである。
 
 紹介頂いた中には、一般向けながらかなりマニアックなのものからほぼプロ用のものまで色々あった。自分自身でもカー用品店などでウォータースポット除去とうたった商品を見て回った。店頭にあるのは、それほど協力ではない扱いやすいもののようだった。
 
 果たしてそれでどこまで除去できるのか?やはりレベルの高いものは扱いも難しくなるが、洗車も適当な方法しかやっていない自分にどこまで扱えるのか?不安は決断を先延ばしにした。
 
 なお、180SXにはウォータースポットがこれまた派手についているが、こちらは今回のものとは性質が異なると思う。180SXはもう劣化が塗装内部まで進行している状態だが、こちらは塗装の上に不純物が固着して乗っているのだけだ。塗装はこの下でまだ生きていると推測された。いや、そう信じたかった。
 
 この、ネット上などでは特に記載が見つからなかった、淡い期待を含む推測がまた、僕の判断を鈍らせた要因でもある。

 
 ■そして今、このウォータースポットは...?
 
 で、今どうなったか。
 
 実は、この時のウォータースポットは、今、きれいに除去されている。これが結論である。
 
 数か月、僕は対策を先送りにしたままこのウォータースポットを放置してこれまで通りの洗車を繰り返した。3か月くらいした頃、いつものようにフクピカでこすってみると、ウォータースポットがスルリと拭き取れたのである。
 
 あんなにビクともしなかったのに、なぜ今はこんなに簡単に...?
 
 おそらく、固着した不純物の塊そのものが「劣化」したのだろう。頑固な汚れもまた、経年劣化するのである。あの日から3か月程度が経過し、11月になっていた。
 
 全体的に拭いているときは落ちないが、フクピカを指先を使ってピンポイント気味に力を加えて拭くと、カンタンに落ちる。 
 
 ある程度の力で落ちないところも、翌週、そのまた翌週となると、落ちるようになった。感覚的に塗装面にあまり影響のない程度の力で落とせるようになるまでに、場所によって1か月程度の幅はあったが、12月には全てキレイになった。



■まとめ
 
 ということで、今回は事無きを得た。
 
 しかし、こういう跡があると、雨の度、洗車の度、水滴は同じ場所に形成される。すると、レンズ効果だったり、酸性雨だったりと言った影響の強弱が常に同じ場所になり、やがて強い攻撃を受け続けた部分から塗装の奥を侵食し始めるのだ。180SXはこの状態にまで達したと思われる。
 
 今回は1回目だし、カバーもかけているので、塗装面への影響は微々たるもので済んだと思う。
 
 しかし、肝を冷やした一件であった。
 
 なお、こうした問題から解放されるために、純水を製造する装置も販売されている。水道水からこうした不純物を除去して洗車に使用できるようにする、というものである。僕にはとても手の出るシロモノではないが、気になる方は「純水 製造」なとでググってみてはいかがかと思う。
 既にお気づきの方も多いかと思うが、僕は極めてネガティブ思考である。
 
 ほとんどのことをポジティブに考えることができない。
 
 とにかく小心者なのである。
 
 こうなったらどうしよう、ああなったらそこで終わる...。そんな考えがいつも先に立ってしまう。
 
 しかし、そういうネガティブな言葉は、視聴者の方や、このブログを見て下さっている方にも気分が良くないと思う。

 従って、ブログではそういうネタはなるべく書かないようにしているし、動画でもそれを出さないように注意しつつ、編集でもバンバン削除しているのだ。
 
 ただ。

 分かってる。元々の性格を隠せるわけもない。そこかしこにそうした負の考えや言葉が出ているんだろう?
 
 ネガティブ思考は一般的には良くないとされている。

 僕も、そう思う。
 
 しかし。仕事のことが多いので詳細は書けないが、このネガティブ思考によって、成功したケースは、実は多いと感じている。

 要は、僕は自らのこのネガティブ思考を、実は備わっていて良かった、などと思ってさえいるのである。
 
 僕のネガティブ思考は色々あるが、
 
「もうだめだ」
「間に合うわけがねぇ」
「最初からダメなんだよ」
「お前には無理」
「お前バカ」
「どうせできねぇんだろ?」
「お前終わりなんだよ」
 
 などの言葉が頭をめぐる。

 ここで言う「お前」とは、当然のことながら僕自身である。
 
 実際、動画などでは思い通りにしゃべれなかったりすると、途中から上記の発言を自分で自分に連呼し、それがしっかり録画されていたりする。
 
 でもひときりそうした負の言葉を自分で自分に投げつけ終えると、徐々にその真価を発揮し始めるのだ。
 
「このままじゃヤバイ」
「せめて体裁だけでもそれっぽくしよう」
「この出来じゃ怒られる」
 
 え?...確実に後ろ向きだって?そうですね...。
 しかし、それでも取り組もうとする。
 
 ここでおさえておきたいのが僕が無類の「小心者」であるということ。
 
 小心者ゆえに「納期に遅れる」「間違える」「約束を破る」「がっかりさせてしまう」「迷惑をかける」という事態になることを極端に恐れる。
 
 -そういった事態にしてはならない- これが実力以上の能力を発揮する原動力となるのだ。
 
 ここには「オレの手柄にしてやる」「これで褒められる」と言った、前向き要素は一切ない。
 
 この、思考も原動力もネガティブなところから生まれる強大なパワーを、僕はネガティブエンジン」と呼んでいる。
 
 更に小心者であるがゆえに「ダメ」の基準値が意外と高いところにあることが、更に状況を良くする。
 
 僕にとっては納期ギリギリでまだ完全体じゃないまま出した成果物のはずが「ここまでやってくれるとは思いませんでした」なんて評されたりする。
 
 他社は一体どんな物を出したんだろう?と疑問になる。
 
 僕の場合、自分が楽しいとか、自分の興味のためとかを原動力としたものは、驚異的なパワーとはならない。
 
 相手に「迷惑をかける」とか「がっかりさせる」ことで、自分が「怒られたくない」と言う、危機回避の方が圧倒的パワーをもたらす。
 
 今、僕を突き動かすのはネガティブな思考、ネガティブエンジンなのである。
 
 何とも寂しい性格だが、強大なパワーの源を持ってるんだから、まだマシか。
首都高速ってよく分からない!分からないから、なるべく走らない。だからますます覚えない。そういう悪循環だった。しかし、ちょっと調べて勉強すればそれほど難しいものでもなく、食わず嫌いなだけだった。そして、一度知ればこんなに楽しい場所はない、180度考えが変わってしまったのである。


  このブログの内容 

 ■足がかりさえ見つかればすぐわかる!

 ■周回コースのバリエーションは結構多い 

 ■首都高速華やかすぎる



■足がかりさえ見つかればすぐわかる!

 分からないって、今まで、首都高速の何が分からなかったのか?

 周回コースがあるのは何となく知っていたけど、どこを走れば周回できるのか、通行料はその分増えるのか、1回分の通行料で走れるのか?走れるならそれはどこなのか?

 道に迷ったとき、途中で止まって考えられる場所はないのか?

 いや、調べればいいんですよ。今は調べれば情報なんてすぐに集まる時代ですから。でも、敬遠しているし、なるべくいかないようにしているところについて調べる意味あるのかな、とか思ったり。機会がなければ覚えてもすぐ忘れるし、覚えるまでは走りまくるしかないって言っても、そんなカネも時間もない...。

 ところが、正月2日に視聴者様にお声がけ頂いて大黒ふ頭に行ったのだが、このときは、僕が大黒ふ頭まで先導する流れになった。実は走行シーンも録画していたのだが、「わかんねー!」とか「え?どれ?これ?」とか、そんな叫び声ばっかりなのである。

 そして3日は動画にも挙げているが、エキシージの試乗。これがなんと、首都高速が試乗コース。

 これじゃぁイカン、と、一念発起し、調べることにした。そういう気になったのは、エキシージに試乗させてくれた視聴者様からの箱崎PAの情報。建物の中にあって寒くないことなど興味津々の情報多数だったが、なかでも「様々な方向に行くことができる選択肢の多いPAである」という情報。

 首都高速で止まって考えられるPAがあるんだ...。

 ま、実際は首都高にPAがあるのは知っていたが、上りか下りのどちらかにしかなかったり、それがどっちなのか調べようとしてもよくわからなかったり、もう挫折ポイント満載で調べる気も起きなかったのである。

 しかし、この情報によれば、いろんな路線から箱崎PAに入ることができ、また好きな方向へと出ていき、再び戻って来ることができる場所のようである。それ故の、試乗の待ち合わせ場所というわけだ。

 「そんな便利な場所があったのか...。」

 調べてみると、箱崎PAは非常に小さなPAのため、その存在は控えめにされているようだ。そう言われるとますます調べたくなるじゃないか...。このモードに入ったら、今はいい時代である。インターネット上に情報はたくさんあった。確かに、ここを拠点に首都構想練習することはできそうだ。


■周回コースのバリエーションは結構多い

 とはいえ、箱崎PAまではノンストップで行くしかない。実は今回、初めてYahoo!ナビをインストールして使ってみた。これも機会があれば別途お伝えするが、凄いアプリである。

 とにかく一応予習して、ナビも使って箱崎PAまで向かった。コースは川口線から入って6号向島線から箱崎PAに入るというもの。字で書くと簡単だが、途中いくつものJCTを正しく通過しないとたどり着けない。

 ナビのガイドに「え?それってどこ?ここ?これでいいの?」と答えもしないナビと会話しながらなんとか到着。確かに小さいPAだが、駐車スペースはあった。

 約束の時間の1時間前。長時間駐車NGとされいる所で1時間停めておく勇気はない。よし、自動車評論家の河口まなぶが景色がいいと言っていたC1外回りを1周してまた箱崎PAに戻る、ということをやってみよう。

today180_20210113_hakozaki-pa.jpg
(箱崎PA。建物内にあるPAなのだ!)

 一応スマホでコースを調べる。Yahoo!ナビは現在位置表示として使用する。基本はC1という表示に従っていれば回れるはずで、最後は「箱崎出口」に向かえば戻って来れるはず。

 不安なまま箱崎を飛び出したが、確かに、箱崎からC1の内・外周りどちらも行ける。予定通り外回りに向かい、無事1周して戻ってこれた。

 エキシージの試乗コースはまた別で湾岸線とレインボーブリッジを織り交ぜた贅沢なコース。これがまた良かった。1日で箱崎をベースにC1の他にもう1つのコースを学べた。どちらも1周20分程度。景色の質も高い。もちろん、逆回りも可能。素晴らしい。



 同じコースを何周でも回れて、PAで確認できる、という安心感を得た僕は、エキシージの試乗後、逆回りでしか入れない辰巳PAにも寄り、さらには大黒ふ頭までその周回コースのバリエーションを広げたのだった。


■首都高速華やかすぎる

 こうやって1日走れば何のことはない。この周回コースをベースにすれば、後は簡単だ、という感触を得た。

 余裕が出てくると、首都高速のコースやスピード感、そしてそれを彩る大都会の景色に完全に魅了された。

 首都高速では、普段雑誌やYouTubeなどでしか見たことのないクルマをたくさん見ることができる。特に大黒ふ頭なんかはノンジャンルであるのも良い。スーパーカー、クラシックカー、走り屋系、族車系、スタンス系など自分の知らない世界が一堂に会している。雑誌やYouTubeでは同じ車好きと言えど、違う分野のものは見たり買ったりはしないが、ここではそうしたジャンルのクルマもいるから否が応でも新しい文化に出会える。そのすべてにオーナーがいて、維持され動いている個体だ。これはスゴイことだと思う。

 ひときりクルマを見たら、また自分の愛車に乗って走り出してもよい。走っていてもクルマ好きのドライブする見て楽しいクルマにたくさん出会える。今度は辰巳に行ってもいいし、芝浦なんかは結構空いていて落ち着ける。繰り返しになるが、景色は最上級、コースのスピード感もリズム感も良い。

 僕は埼玉でも北の方なので、そう何度もは来れないが、でも、出会える車の量、コースの豊富さと景色の質を考えるとこっちに来る価値があるように思えてしまう。

 ということで、ぜひ首都高の良さをお伝えしたく、動画を1本投稿した。これまでの僕の動画の中ではかなり毛色の異なる動画になったが、前述の最初に覚えるべき箱崎PAを拠点としたコースを夕暮れの景色とともに紹介している。コース上入れるPAにはすべて寄り、コース周回のたびに箱崎PAに戻っている。

 首都高速が遠くて行けないという方は環境動画としてお楽しみいただければ幸いである。こういう動画づくりは不慣れだが、質の高い景色がそれを補ってくれている。


 実は、この撮影も自宅を15時半に出て、20時半には戻っていた。実質半日で楽しめるコースなのだ。

 今度は、また別のコースを開拓してみたい。

 

2021年になりました。皆様、本年もよろしくお願いいたします。
さて、年も明けましたが、年末年始は忙しく飛び回っておりました。

そして、1月3日、首都高速箱崎PAでとある撮影をしておりましたら...。

today180_meetsfan-in-hakozaki.jpg
「あそこに停まっているロータスのオーナーの方ですか?」

とお声がけ頂きました。

「YouTubeやってますよね?いつも楽しく拝見しております」

な、なんと!
視聴者様...!!

お約束なく、偶然お声がけ頂いたというのは、この方が初めてです!

これはスゴイ!

2021年の最大の出来事が1月3日に起きてしまったかも...。

お声がけありがとうございました!今年も、楽しい動画をお届けできるよう、頑張ります!

何を求めてこのマシンを手に入れたのか- 尖ったマシンであればあるほど、ここがブレてはいけない。平均点狙いのマシンじゃ満足できないクセのあるヤツらを唸らせたい。OneMix3Proプラチナエディションはそう言うマシンだ。


 【このブログの内容】

 ■質感は極めて良い
 ■電源ONから起動まで
 ■充電、バッテリー
 ■カメラはない
 ■動画編集はLavie Hyprid HZに劣る 
 ■まとめ「欲しいものを得るために捨てるものを選べるか」 



■質感は極めて良い

 本体の質感はかなり高いといってよいだろう。
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 本体はアルミだと思うが、塗装も含めて非常に質感が良く、安っぽい感じは一切ない。
 ただ、ちょっとのことですぐに塗装にキズが付くのが残念だ。結構気を付けているのだが、クルマで言う所の飛び石みたいなキズがすぐについてしまう。

 キーの塗装も良い。手の油が目立つ気がするが、これはこのPCに限ったことではない。

 画面には保護のためのフィルムが貼ってあるが、いわゆる白濁したようなものではない。
 位置づけとしては運搬時に画面を保護するために貼ってあるシートであって、製品ではないのだが、非常に透明度が高く、気泡など一切なく貼り付けられていて十分この後の使用にも耐え得る。
 あまりにも密着度が高いため、説明書に保護シートが貼ってあると記載がなければ、わからなかっただろう。貧乏性の僕はありがたくこの保護フィルム(?)をはがさずに使わせて頂いている。これは保護フィルム1枚得した気分。いや、気分じゃない、確実に得している。


■電源ONから起動まで

 まず、気になったのは電源ボタンを押してから反応するまでの時間が長いこと。起動までの時間がかかるという意味ではない。電源ボタンを長押しすることで電源ONになるのだが、多分スペックとかの問題じゃなくて、このパソコンが「長押し」と判断するまでの時間が長いだけだと思う。かなり長時間電源ボタンを押していないと「長押し」と見做されない。もう少し短い時間で判定してくれても良いように思う。

 反応するまでの時間が長いので、どこを見たら、反応してくれたのかを知りたくなるであろう。電源ボタンの上にある電源インジケーター(LED)が青く点灯したことで「反応した」と読み取ることができる。このLEDが青く点灯するまで、電源ボタンを押し続けるべし!
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 電源が入ったらしばらくするとログイン画面になるわけだが本機は指紋認証機能がある。もちろん、PINなどでのログインも可能。ただ、これが電源ボタンの右側にあり、キーボード上の一番右上という特等席の部分を占拠している。このおかげでその左が電源ボタン、その左にようやく「DEL」キーとなり、ミスタッチの原因となっている。というわけで指紋認証機能はむしろここでなくても良かったかもしれぬ。

 で、指紋認証だが、僕は初回起動時に設定した。そうするとログイン作業の速いこと!感度は抜群で、瞬時に読み取り、瞬時に起動する。この速さはうれしい。


■充電、バッテリー

 この機械を買って初めてその存在を知った次第だが、PDという規格の充電器が付属しており、コネクタ形状はUSB-C。と言うより、USB-Cの規格でPDというのが出てきた、と言うことのようである。

 これはより大きな電圧でより大きなサイズのバッテリーにも早く充電できるというもので、PDの中にも何ワットまで、といろいろあるようだが、本機に付属のものは30Wであった。このPD規格は他メーカーとも共通であり、バッテリーはお店で普通に手に入るが、PDには30W以外にもいくつか種類がある。
today180_onemix3_pd-batt.JPG
 なお、通常のスマホ用のUSB-Cでも時間はかかるがちゃんと充電できる。ただし、パソコンを起動しながらだと充電するより消費量の方が多いようで、ゆっくりとだがバッテリー残量は減る傾向にある。スマホ用しか充電の手段がない場合は、電源OFFでのんびり充電した方がいいだろう。

 バッテリーは満充電・パフォーマンスMAXでも残り9時間の表示。節電MAXにすると8時間と表示される。

 ま、表示と実作業は確実に合わないが、それでも中程度のパフォーマンスにすれば表示の8割は期待できるだろう。そうであるならば全く問題はない。ブログのような文書作成レベルなら節電MAXでもダルさがあろうはずもない。僕は日常生活で電源ナシで使用しなければならないのはせいぜい1日のうちで1~2時間なので、このバッテリー保持時間は必要十分以上と言える。


■カメラはない

 カメラが搭載されていないのは残念なところだ。少し前まではPCに内蔵されたカメラなんて使うことはまずなかったが、今はテレビ会議やリモート飲み会など急激に使用機会が増えた。残念だが、そのようなことをしたい場合は別途Webカメラを用意しなければならない。


■動画編集はLavie Hyprid HZに劣る

 動画編集をしていると、Lavie Hyprid HZに劣ることが分かる。CPUはこちらの方がずっと新しいし、メモリも倍なのだが、ちょっと重い作業をすると画面が真っ暗になって数秒待たされたりする。パフォーマンスを最大にしているとファンは最強に回りっぱなしとなり、それでも本体はかなり熱をもって少々心配になる。

 ペンチマークも、シネベンチはこちらの方がスコアが良いが、ドラクエXはLavie Hyprid HZに劣る。
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■まとめ「欲しいものを得るために捨てるものを選べるか」

 ということで、良し悪しなのだが、僕としては、ここで得た軽さ・小ささというメリットの代わりに失った分は、十分納得できるものだと感じている。

 幸い、まだLavie Hyprid HZが動いてくれるので、ガンガンの文書入力はLavie Hyprid HZを使うが、後のほとんどの作業はOneMix3Proに切り替えた。もちろん出先では全ての作業がOneMix3Proになる。動画編集はもう環境を移行してしまったので、前述のダルさはあるもののOneMix3Proに完全移行である。それでも耐えられるのは、繰り返しになるが、失ったものよりも得られるものが大きいからだろう。

 その1と同じ話になるが、物理的に圧倒的に小さく・軽くなったのに、他の13インチ、14インチのPCと同じ作業性のわけがない。

 驚異的な軽さ・小ささ、操作性はやや劣るが、マシンスペック的にはこのサイズでは信じられないほど高く、そちらで困ることはほとんどないだろう。決してiPadの方がマシ、などということはない。

 僕はやらないので評価できないが、PCで絵を描く人はこのPCは面白いのではないだろうか。その1はタッチペンは不要と書いたが、それはPCを操作するという意味に於いてであって、絵を描くなら話は別だ。

 筆圧検知2,048段階のペンをそれに対応したソフトで初めて使ってみたが、なかなかに面白かった。僕が買ったペンが2,048段階なのであって、このPC自体は4,096段階のペンにも対応している。

 ということで、このPCは僕の生活スタイルにはバッチリ適合したマシンだった。極小PCでまともに使えそうだと感じたのはVAIO C1以来だと思う。


 
OneMix3Proプラチナエディション
8.4型タッチ液晶/コンバーチブル
第10世代Core i7/SSD:512GB/メモリ:16GB/18mmキーピッチ
-UMPC- 極小モバイルPCである。13インチのLavie Hybrid HZの次のメインマシン選んだ小さなPC。これだけ軽さとサイズを尖らせた上に、Core-i7搭載である。何かを得れば何かを失う。この場合文字サイズと癖のあるキー配置。それをオーナーのテクニックでカバーすることを楽しむ。そんなマインドセットで付き合うべき一台だ。


 【このブログの内容】

 ■軽さは正義!!0.65kgのメインマシン

 ■キーボードのタッチ感はLavie Hybrid HZ以上。ただし配列の慣れは必要 

 ■画面は100%表示でも行ける

 ■キーボード下のポインティングデバイスで何とか行ける

 ■このサイズのPCを使いこなす歓び


■軽さは正義!!0.65kgのメインマシン

 開封時に本体だけ持った時、正直後悔した。その集積具合のせいか、ものすごい重量物の塊のように感じたのだ。

 しかし、普段使っている仕事カバンに入れてみると、その感覚は一変した。まるでパソコンを忘れてきた日のようなカバンの軽さである。これほど違うとは。

 持つことに、歩くことに前向きになっている自らの変化を強く感じた。これまでのLavie Hybrid HZと比較して181gの軽量化がこれほど気持ちを前向きにするとは。

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 本体そのものの大きさも小さくなったのでカバンの空きスペースも大幅に向上。何しろ、大きさはLavieの40%くらいしかない。

 軽さもさることながら、占有スペースがこれほど減ると、ほかに入れられるものがかなり増える。持ち物が増やせることは、出先でできることの可能性を広げることである。このワクワク感は表現しがたい嬉しさだ。



■キーボードのタッチ感はLavie Hybrid HZ以上。ただし配列の慣れは必要。

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 キーボードはこの本体サイズにあっては秀逸と言う他ないだろう。

 キーストロークが十分にあり、タイプミスが少ない。Lavie Hybrid HZの時は、その本体の薄さからか、キーストロークが十分でなく、タイプミスに悩まされた。こちらはキーの打鍵感と反発具合も非常に小気味良い。

 また、本体サイズが小さいので、電車内で使用するときには脇が締まって隣の席の人に肘が当たらない。これは素晴らしい。

 本体幅が大きいと、電車内でガンガンキーボードを使用する仕事をするには意識して脇を締めるなど無理な姿勢をとる必要があった。

 ただ、この小さな本体に18㎜ものキーピッチのキーボードを押し込んだために、キー配列には少々無理がある。

 予め言っておくが、このサイズのPCを所望したのだからこれを受け容れる用意はあるので悪く言うつもりはない。小さいサイズのPCは欲しいが18㎜のピッチのキーボードをちゃんとした配列で載せろ、と言うのは物理的に無理だからだ。

 ただ、一応説明だけしておくと、「@」や「ー」のように使用頻度の高いものも犠牲になっており、「ー」などは本来とは異なる指でタイプしなければならない。

 また、ファンクションキーも数字キーと共用になっており、「Fn」キーを押しながらとなるため、日本語変換で強制的に半角にしたい時は操作が遅くなる。

 そして最大の難点は「DEL」の隣に電源ボタンがあること。これを押すとスリーブ状態になってしまうが、DELキーのつもりで結構押しがち。

 しかし、そのような操作を含まない場合は問題なくブラインドタッチができる。非常にうまく文字が打ててくれるので少々驚きながらキー入力している自分がいる。

 ひとまず、キー入力中心の仕事なら結構行ける、と言う印象を持った。繰り返すが、このサイズのPCを欲したのだから、この我慢はあることは理解している。

 ちなみにキーボードはバックライト付きなので、暗い場所でも使いやすいだろう。


■画面は100%表示でも行ける

 画面の表示倍率は「推奨」が250%となっている。

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 画面を指タッチで操作することも考えているのかもしれない。しかしそれでもここまで拡大する必要はないように思うし、これだとせっかくの2560×1600と言う広大な画面の恩恵を受けることができない。

 僕もだいぶ老眼になってきたので手にするまでは100%表示はあきらめていたが、実際やってみると裸眼で見れば100%表示でもちゃんと見えることが判明した。もしくは姿勢の自由度がない電車の中などでも、一段大きくして125%くらいで十分行ける。

 ひとまず今はこのブログは100%表示で、標準のメモ帳で、電車内で書いているがちゃんと書けている。


■キーボード下のポインティングデバイスで何とか行ける

 8.4インチという小さい画面に2560×1600という解像度を押し込んだのだから、精緻な操作をするには相応のポインティングデバイスが必要だろう、と思い、Surface認証ペンも併せて買った。

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 が、実際使ってみるとタッチペンは別になくても良かったかな、というのが最初の印象。あくまで僕の使い方の場合。

 タッチペンの使用感は使いやすくはないもののそれなりに使える、といった感じだ(慣れの問題かもしれぬ)。そこに来て本体付属のポインティングデバイスの使用感も、これまた「使いやすくはないもののそれなりに使える」というレベル。つまり、タッチペンと同じ。

 どっちも同レベルに使いにくいのであれば、本体付属のポインティングデバイスで良い、となってしまう。

 キーボード下のポインティングデバイスのどこがダメかというと、指を話すときにマウスカーソルが微妙に動いてしまうこと、タップでクリックになるのだが、それが「移動」と認識されてしまい、タップにならないことがある、という点。この操作はだいたいやり直しを伴う。

 やっぱりマウスをつなげばそれが最高で、これなら表示倍率100%でも問題ない。


■このサイズのPCを使いこなす歓び

 冒頭にも書いたが、改めて申し上げる。

 このPCを他の一般的なノートPCと同じ目線で使用感を比較してはいけない。

 検索でいきなりこのページに来てくださった方もいると思うが、このサイトはロータスエリーゼという小型軽量を非常識なまでに尖らせたクルマのオーナーのサイトである。

 このクルマは今回紹介したOneMix3Proプラチナエディションのように、居住性や快適性を犠牲にしても、小型軽量を突き詰めた結果、類稀なる運動性能を手に入れた、乗り手を選ぶクルマである。

 何かを得れば、何かを失う。これは世の常であり、それを理解したうえでこの尖ったマシンを選んだのだ。だからそれを乗りこなすことは自身にテクニックがあることの裏付けであると自己満足できる、そういう考え方なのだ。

 ここまで小型を突き詰めて軽い上にCore-i7搭載という、このクラスのマシンには似つかないスペックまで手に入れている。この時点で何かを得れば何かを失うはずが「得るものがだいぶ多い」になっている。この上、キーボードやポインティングデバイスの操作性を13インチPCレベルと比較してダメだと言うなら、どこまで望めば気が済むんだ、と言いたい。さっきも言ったが物理的にも不可能な話だ。

 これほどまでに小さく、軽いPCを所望したなら、もう覚悟は決まっているはずである。少々の使いづらさは設定やショートカットを駆使して乗りこなすんだ、と。

 普通の人なら扱いにくいPCを手名付ける。そこに小気味良さを感じるくらいでなければ、このサイズとスペックの恩恵を受けることはできないだろう。

 さて、大体の結論は異常である。しかしまだこれからこのマシンを検討したいという方に対して、もう少し細かな点について、次回を利用して説明して行きたいと思う。


OneMix3Proプラチナエディション
8.4型タッチ液晶/コンバーチブル
第10世代Core i7/SSD:512GB/メモリ:16GB/18mmキーピッチ
日常使いするPCとして次に選んだのは、超小型ながらCore-i7を搭載した「OneMix3Proプラチナエディション」。かなり尖ったPCをメインマシンにしようとしているが果たして...?


 このブログの内容

 ■現在のメインマシン、Lavie Hybrid HZ

 ■絶対使いづらい!極小PCを常時持ち歩きPCにする無謀、その理由 

 ■長持ちさせたいならCore-i7という信念

■現在のメインマシン、Lavie Hybrid HZ

 型番で言うとHZ750/Gというモデルである。Core-i7-7500U、2.7GHz搭載でRAM8GBである。
 僕はこのマシンに対して何ら不満はない。どころか、このマシンの素晴らしさには心底驚愕した。


 まずはその軽さ。13.3型ディスプレイ搭載でカタログスペックで831gしかない。これは本当に「使うか使わないか分からないけど持って行こう」と思える軽さである。あくまでもこれはメインマシン。自宅と同じ環境をこれだけ気楽に連れ出せるのだ。
 次にバッテリー容量。カタログスペックだと10時間となっている。今となってはバッテリーが劣化して動画編集をやったりすると1時間しか持たなくなってしまったが、大体そのくらいあれば十分で、今でも通常はACアダプタは自宅に置いて運用している。アダプタなしで運用できるという点もシステム全体の軽量化に貢献している。
 更に驚いたのはこの本体バッテリーをモバイルバッテリーとして利用できるという点。2つあるUSBポートのうちの一つがこれに対応していて、なんとPCの電源を入れていなくても、そこが充電ポートとして利用できるのだ。動画撮影が長時間に及びそうな時などはここを電源としてα6000やGoProを充電することができた。最初に一度BIOSの設定を変更する必要があるのだが、それさえやってしまえばOK。他でも出していたのかもしれないが、僕が知ったのはこのPCを買ってからで、取扱説明書で知って「こんな便利な機能があるのか...」と目ウロコだった。

 他にもタッチディスプレイを採用し、画面を完全に反転させるとタブレットとして利用できる。立って使うスタイルにはこれもまた秀逸で、今後買う時もこのスタイルを踏襲したいと条件づけるくらい便利な機能だった。

 購入当時はまさかYouTubeをやるなど一切考慮していなかったが、オンボードのグラフィックアクセラレータで今でも頑張ってくれている、健気なヤツだ。

 そんなLavie ZEROも毎日持ち歩いて酷使した結果、前述のようにバッテリーはかなり劣化し、USBポートの接触も悪くなってきてしまい、2ポートの内片方はほぼ使えない状態になっている。
 また、動画でもちょっとだけ紹介したが、熱暴走をするようになってしまった。先日分解して掃除機で可能な限り汚れを吸い取って冷却性能の回復を図った。これによってだいぶ症状は軽減されたが、完全回復には至っておらず、また暫くすれば同じ状況に陥ると思われる。

 一緒に過ごした時間が長すぎて相当使っているように感じているが、買ったのは2017年春モデルなのでほぼ3年半しか使用していないことになる。スペック的にはまだまだ全く問題ないだけに、この不調は残念だが、これは酷使の結果であって決してPC本体の作りが雑だとは思っていない。


■絶対使いづらい!極小PCを常時持ち歩きPCにする無謀、その理由

 これは一言で言えば、会社PCが関係している。
 会社のPCがノートになり、テレワークが推奨されたという点だ。そうすると、会社PCを持ち帰る必要がある。会社のPCは本体だけで1.2kgもあり、余り軽くないACアダプタと、あまり詳しくは書かないがVPN接続専用のモバイルWiFiとログイン認証するために旧態依然とした外部接続機器が必要で、これらを含むと重量は2kgに迫る勢いだ。

 今僕は、密を避けるため、上野から山手線には乗らず、会社まで数kmを歩いている。この作業も前向きになれる日は「トレーニングだ!」とも思えるが、そういうマインドになれる日はばかりではない。いや、ハッキリ言ってそういう日の方が少ないと言うのが現状だ。年齢も上がるにしたがって体力的にもきつくなってきた。

 約1時間の電車の中での作業が動画とブログ作成の貴重な時間となっている僕にとって、PCを持って行かなければ作業は進まなくなる。会社PCと2台持ちになっても耐えられるよう、より軽さに振ったPCはないか...?

 その想いが、googleの検索窓に「UMPC 2020年」と入力させるに至ったのだ。

 当初それほど期待していなかったのだが、結構簡単にそれは目に留まった。それが今回購入したOneMix3Proプラチナエディションだ。
 重さは0.65kg(公式サイトの表記による)とLavie ZEROより200g近いの軽量化を実現できる。ディスプレイを360度開いてダブレットPCとしても使えるという僕のもう一つの条件もクリア。

OneMix3Proプラチナエディション
第10世代インテル Core i7 10510Y/メモリ16GB/512GBSSD
204×129×14.9mm、0.65kg
(amazon)

 ただ問題はその小ささから来るキーボードの使いづらさと画面の小ささであろう。小さな本体を所望したのだからそれは仕方ないのだが、一応キーボードは旧型機を中古店で操作して何とかなりそうだという感触を得た。画面の小ささはSurface認証タッチペンが使えるようなのでこれに期待して併せて買ってみた。


■長持ちさせたいならCore-i7という信念

 過去にも何度がタブレットPCなどに手を出したこともあったが、大体がAtom等低スペックのCPUを搭載して要ることに加え、拡張性も低く、どれも使い物にならなかった。
 やはりまともに使うにはCPUは、今で言えばCore-i7搭載でないと長くは使えないというのは色々使ってみてたどり着いた結果だ。そうでないPCは早々にスペック的についていけなくなって買い換える羽目になった。

 しかし、まさかこのサイズで第10世代Core-i7搭載機があるとは...。UMPCと言われるマシンでこうしたCPUを搭載したモデルはなかなか無かったように思う。

 そうした理由から、このPCはスペック的に使えなくなるということはあまり心配していない。その小ささゆえの使いづらさがどこまで克服されているかが焦点だろう。
 とにかく今は本体の到着が待ち遠しくて仕方ない。モノが届く前の不安を期待を、まずはここに綴る次第である。


歳のせいなのか?最近神社によく行きます。それも有名なところではなく、できれば近所の人しか知らないような、ひっそりとした神社が良かったりする。寺よりも神社の方が「感じる」ものがある。なぜだろう?

■「感じる」神社がときどきある

 ここ数年、僕は良く、神社に足を運ぶようになった。
 最初にそれを自覚したのは、もう4~5年前だと思う。少なくともエリーゼを買う前であった。
 会社に行く途中、少し遠回りすると、東京の下町風の住宅地の狭間に、神社と言うより祠と言った方が良いような神社があった。
 一応、一段上がるようになってはいるが、上がればもう、そこが行ける一番奥であり、そこが二礼二拍手一礼する場所である。そのくらい小さい。
 しかし、そこには何となく惹かれるものがあり、朝、何となくそこを通らなければいけないような気になってしまい、通ればやはり入ってしまう。

 そんな場所を、当時見つけたのだ。僕は決して信心深い方ではない。いや、神を信じていない。

 で、だ。
 話はもう少しさかのぼる。多分、10年くらい前だと思う。

 僕の自宅の近くに、凄い「感じる」場所があるのだ。それが、また神社なのである。
 僕は決して霊感とか、強い方ではないし、そもそも霊とかそんなものは信じていない。見たことももちろんない。(鬼火は一度だけあるが。あれは科学的に証明されているし、それだと思う)

 それは僕のランニングコースの近くにあるのだが、近づくと一気に鳥肌が立つ。そこも決して大きな神社ではないが、そこに生えている木が2本あり、それが非常に高くそびえている。これがとにかくその「気」を放っている。
 僕が走るのは主に夜だが、夜空に向かって黒くその2本の木が黒く浮かび上がっている様が遠くからも確認できる。仕事の帰り道でも見える。

 それを見ると、何となく安心する。
 しかし、近づくと鳥肌が立つ。

 だが、怖くはない。自分に害を与えるようなものではないと思うし、僕はなぜか引き寄せられるように夜の神社に入って行った記憶がある。これがその神社とのファーストコンタクトだ。

 ちなみに今も、走った時には必ずここに寄る。もう、ルーティーンと化している。

 毎日ではないが、それでももう10年になるから、結構な回数足を運んでいると思う。

 なお、神社であればどこでも良いのかと言うとそうではない。そのような行きたくなる、引き寄せられるような神社はそうはないし、鳥肌が立つようなものとなればほとんどない。
 4~5年前に会社の近くでその神社と出会ったときは、自宅近くの神社の時ほどではないものの、それに近い何かを感じていた。

 仕事も結構キツイときだったので、会社の近くにあって良かった、と思ったものだ。


■神社に行くが、いわゆる「お祈り」はしない

 少々驚かれるかもしれないが、僕はかなりの回数神社に足を運んでいるが、いわゆる先ほど言った二礼二拍手一礼といった行為はしていない。賽銭も入れていない。

 なぜか。
 理由は簡単、僕は神など信じていない。当然、何かをお願いしたりもしない。当然、お賽銭も入れていない。

このバチ当たりめが!

 そうか?神を信じていないのだからバチも当たるまい。
 もちろん、こんなところでお願いしても、叶うはずはない。期待もしていない。

 もし、神社に通い詰めて、願いが叶ったと言いたい人がいるなら、僕は言いたい。それは神様が助けてくれたのではない。これだけ通ったのだから叶うはず、と言う自分が自分を信じる心が醸成され、その結果、自らの力で叶えたのである。僕はそう思う。だから凄いのは自分。自分を褒めろよ!

 夢は、自分自身で叶えるものだ。できたその瞬間がイメージできればできる。僕はそう考えている。
 これは結構難しくて、口で「できる」と言ってもダメだ。心のどこかで「でも、ムリだよな」って思っていたら、それはムリだ。疑いもなく信じる、信じ切る。信じる強さでもない。ガチガチになって信じ切ろうとするのは、実は自分にウソをついているからだろう。むしろ「そうなるに決まってんだろ」くらいに軽く思えるくらいの方が夢は叶う気がする。

 それはまぁ、良い。じゃぁ、僕は神社に行って何をしているのか。

 「報告と宣言」である。

 自分の持っている夢に対して、「今回ここまで行った。次はここを目指すんだぜ」そう心の中でつぶやいている。ですます調でさえ、ない。ここは確かに、一般の人は神の住まう場所なのかもしれないが、僕はそこで誰かに頼みごとをしているわけではないからだ。信じられるのは自分のみ。

 おまけに僕は、走ったときに神社に寄った場合には「今日も自分に勝った!」と言いながら神社の敷地内に入っていく。どうだ、すげぇだろ!って感じだ。誰も褒めてくれないから自分で自分を褒める。この場所ならそれができるってわけだ。

 エキシージを買いたいと思っていたときは動画でも言ってたように手帳に写真を入れたけど、神社でも「エキシージ買うぜ」って言ってた。結果はエリーゼになったけど。



 何かを感じたり、鳥肌が立ったりする理由は良く分からないが、なぜかそうした「演出」がなされる場所の方が成功をイメージして、より強く自分を信じられる。

 つまりは、僕にとってそういう風に自分自身をさらけ出して真実のままを報告し、次の目標を宣言できる場所がたまたま神社だっただけであって、この先その様な場所出てきたとしても、次はそれが便所かも知れないし、ゴミ捨て場かも知れない。それだけのことだ。


■神社は自らを見直す壮大な装置

 神社だけじゃないが、寺や教会も含めて、そうした宗教的な場所と言うのは、そうした神聖なる空気を持たせることによって、人の心を開かせ、自らを客観的に見る、そして反省する気持ちにさせる、壮大な装置なのではなかろうか。

 自分を良く見せたい、良い人に思われたい、欲深い所を見られたくない...。人は自分の心を自ら発したノイズでジャミングしてその素性を人に悟られまいとして生きている。それを取り除くには、神と言う存在だったり、罰と言う制裁だったり、そうしたSF的なものを事実のように見せる神社や寺や教会と言ったハコモノを用意して、そうしたジャミングを取り除ける装置を用意した。

 宗教も初めはそこだったんじゃないかな、なんて勝手に想像している。
 世の中を良くするためには自ら発しているノイズを限りなく失くし、本当の自分をさらけ出すこと。

 本当は自分はどうなりたいのか?それを素直に確認できる場所。

 僕は悪いことをしました、本当は謝りたいんです、と思えばいずれそうできるし、金持ちになりたいのならそうなるはずである。ただそれは神様がしてくれたのではなくて、そうやって祈ることで「できる」と信じ切った自分がやっていることなのだ、と。

 で、その装置の作りなのだが、これも人をその気にさせるのに一役買っていると思う。僕は、寺より神社の方が「来る」ものがあるね。理由は良く分からんけど。

 神社の方が建物の屋根の下とかの彫刻とかが細かい気がするんだけど、自分の行ったことのある寺と神社がたまたまそうなだけかな?詳しいわけではないので知らないが僕は何となくそんな気がする。

 そう言えば先日浅草寺に行ったけど、浅草寺は特に何も感じなかったけど、脇にある浅草神社はちょっと良かったね。だから寺は素通りするけど、浅草神社は「報告と宣言」してしまった。これは好みの問題かと思う。ただここも、屋根の下の梁や柱は浅草寺は朱色いだけで平らだけど、浅草神社は色々な彫刻があって手が込んでいるな、って思った。

 しかしまぁ、こうして神社とかによく足を運ぶようになるというのは歳をとった証拠なんですかねぇ。
貧乏サラリーマンなのに、身の丈以上のクルマ、ロータスエリーゼを手に入れてしまった僕の、休日のささやかな楽しみは、エリーゼの中で一杯やること。しかし、そのさやかな楽しみも、あるカラダの悩みに奪われ...。


■サラリーマンエリーゼオーナーのささやかな楽しみ

 今はエリーゼが壊れているので、そもそも乗れないが...。そうでなかったとしても、エリーゼに乗ってドライブに行く、と言うのはなかなかできない。カネがない、と言うのもあるが、どっちかって言うと時間がない、の方が強い。ま、貧乏暇なし、大差はない。

 そうした僕の終わりゆく休日、ささやかな楽しみは、エリーゼの中で一杯
ことだ。これは実に幸せな時間である。本当はエリーゼを眺めながらが一番いいのだが、青空駐車場の僕の場合、エリーゼを眺めながら一杯、傍からは実に優雅に見えるかも知れぬが、それをやれば一杯やる間に蚊に10か所くらい刺されるのは必至。全く優雅でなくなる。従って、車内で一杯、となる。

 クルマを眺めながら一杯やっているシーンの動画もあるが、あれは蚊のいない季節か、殺虫剤を噴霧しまくって一時的に蚊のいない状態を作ってやるかのどちらかだ。後者の方法は、殺虫剤の残り香があって、今一つ酒も不味くなる。



 で、である。

 車内だろうと車外だろうと、最後にはエリーゼにシートをかけて終わらなければならないし、眺めたいなら結局日のあるうちにソレをやるのが、色々都合がよい。夕暮れ時がゴールデンタイムだ。


■で、カラダの悩みとは?

 しかし、ここで問題がある。タイトルに思わし気に書いている「カラダの悩み」が、最近このささやかな楽しみを阻んでいるのだ。

 それは何か?

急に酒に弱くなって来た

 これである。

 エリーゼで一杯やる、これは高ストレス下にある自分をリセットする方法として非常に高い効果を上げている方法だ。

 使うコップは前にどこかで紹介したけど、650ml入る、サーモスの保温機能の付いたビッグサイズ。これに飲み屋によくあるメガハイボールを作る。

 それでエリーゼで一杯飲んで、フロに入りながらYouTube観ながら更に一杯飲んで、その後夕メシ食いながらまたまた一杯飲んで、最後にポテチとチーズをつまみながら2杯くらい飲んで終わる。これが最強のルーティーンなのだ。

 しかしながら、それができなくなってきた。歳のせいか、ここのところ、急激に酒に弱くなったのだ。

 自作メガハイボール2杯でもう、寝てしまう。つまり、前述のルーティーンをこなせなくなってしまったのだ。

 日のあるうちにエリーゼで飲む、蚊のいない季節であれば、まだかなり早い時間だ。そんな時間から1杯目を開始してしまったら、どんなに頑張っても19時半くらいにはいつの間にか寝ている、と言う状態になってしまうのだ。昔は、飲みながら寝るなんてヤツの気が知れなかったが...。この間は、地元悪友Zとオンライン飲み会をやったのだが、やはりいつのまにか寝てた。

 なので、今はエリーゼ飲みはほとんどやっていない。夏休みとかで、やや休日を無駄に使ってもいいような場合はやることもあるが...。僕は普段の睡眠時間が5時間なので、19時半に寝てしまうと、午前0時過ぎに目が覚めてしまい、時差ボケになってしまう。ラッキーとばかりにそこでまた飲んだこともあったが、翌日頭が痛くてキツかった。

 そう、粘ってルーティーンを次々こなしてもいいのだが、翌日頭痛に見舞われる。例え寝なかったとしても、もう、体が分解できるアルコールの量が減ってきてしまっているのだ。


■で、どうするか?対策はあるのか?

 対策としては、激薄のハイボールを作ってアルコール摂取量を減らすか、最初はノンアルコールビールにしておくか、だ。しかし僕はビールは好きではないし、激薄ハイボールもあまり美味くはない。なお、サワー系のノンアルもあるが、カロリーゼロとかの付加価値がついていて、僕はあの甘味料が好きではない。いつまでも口の中に甘さが残ってその日一日消えない。あれが嫌なのだ。

 エリーゼで一杯やって、その後麦茶にするとかいろいろやったが、酒を飲み始めて途中でノンアルに戻す、というのはちょっと味気ない。昔はこんなこと考えずに好きなだけ飲めたのに...。

 今はどうしているかと言うと、さっきも書いたが一つはまずいが我慢して激薄ハイボールにする。もう一つはエリーゼ飲みはやらず、風呂でもノンアルビールで我慢して、場合によっては食事も麦茶で済ませて、食後に満を持してリアルな酒にする、という方法のどちらかだ。後者は酒にありつけたときのよろこびはイイのだが、それまでのストイックな時間帯がやや辛い。それにしてもなぜこんなに悩まなければならないのか?

 もうひとつ、飲むペースを落とす、と言うのもあるのだが、なかなかできない。やろうとしてもいつの間にかガバガバ飲んでしまう。チェイサーとかもやったけど、チェイサーになかなか手が伸びず、いつの間にやらチェイサーはほったらかしで酒だけが進んでいる、と言う状況になる。

 昔は、酒飲みながらブログ書いたり、その程度の仕事もこなせたのだが...。いまはムリ。だからこのブログもノンアルビールを飲みながら書いてます。

 ということで、「寝る」というリミッターが搭載されてしまったことにより、キレイに2杯で強制終了してしまう僕。酒の量も減って健康的(?)だし、宅飲みにかかるカネももちろん減った。良いことなのだが...。

 毎日毎日、「そろそろ飲もうかな...。いや、今はまだ早すぎる。これじゃぁ、夜が使い物にならなくなる」とか言いながら、悩み、耐えてスタートを先延ばしにしているのは、ちょっと辛いんだよね...。仕方ないんだけど...。

 なんでもやりたいことがあるなら、できるだけ早く叶える方法を採った方が良い、僕は後進に声を大にしてそう伝えたい。時間とカネ、その二つが揃う時、もしそれが来たとして、その時ってもしかしたら「元気」や「体力」がなくなってしまっているかもしれないのだ。
冷却水ホースが破裂し、オイルのようなものが混入したトラブルで、動画にかなりのコメントを頂き、視聴者の方には大変感謝している。僕の考えと異なる意見も含めて整備士の方に伝え、様々な可能性からトラブルシュートして行きたいと考えている。

■ガスケット交換の前にやることがある

 頂いた意見の多くは「ガスケット抜けなので、交換するべき」と言うもので、破裂したホースの交換で様子を見る、と言う修理方針に疑問を投げかけるものである。



 その最大の根拠は、冷却水にオイルのようなものが混ざっていた、と言う事実である。

 冷却水とオイルが混ざるポイントは、ガスケット抜けしかない、オイルが混ざっていたならガスケット抜けは確実である、という診断だ。従って、冷却水ホースだけ交換して様子を見る必要はなくて、同時にガスケット交換も行うべきだ、と言うもの。

 整備士の方の言う「ホースを変えて様子を見る」という意味は、僕は「ホースを換えて、ガスケットが抜けているか確認し、ガスケット抜けでないならそのまま様子を見る」と解釈している。

 冷却水にオイルが混ざっていて、ガスケット抜けでないということがあり得るのか?

 クルマの構造によってはウォータポンプやそのガスケットの劣化などもあるようだが、このことの一番疑わしいのは、僕のエリーゼが過去にガスケット抜けを経験している可能性だ。その時に冷却水路にオイルが混ざったものが除去しきれないまま堆積していた、と言う仮説である。

 その可能性がある以上、別の方法でガスケット抜けを確認する必要がある。それが、冷却水内に排気ガスが混入しているかどうかの確認だ。リザーバータンク内に排ガスセンサーを入れてみればわかるはずである。これであれば、「今」ガスケット抜けしているかどうかが確実にわかる。

 水を入れてこの確認をまず、行うつもりなのだと、僕は考えている。

 この確認をするのはプロの整備士にとっては大して難しい作業ではないはずだ。エンジンを開ける前にまずここをつぶすべきだろう。


■ではなぜ、ホースは破裂したのか?

 これも頂いた仮説だが、冷却水に加圧しているキャップの劣化である。エリーゼの場合は1.03barに加圧されいる(マニュアルによる)が、他のクルマのキャップと異なり、エリーゼのキャップはその多くがプラスチック製だ。これが劣化して圧力を保持できなくなり、内圧に負けて壊れれば圧力が一気に抜けて冷却水が急激に沸騰し、ホースが破裂した、と言うものである。

 ホースとラジエーターキャップだけならそう高価ではなく、交換工賃もそう高くはない。なのでまずここを疑いのない状態にした上で、ガスケット抜けの確認をするべきだ、ということである。

 もし、この処置の後に冷却水を入れ、そこに排ガスの混入が確認されたのであれば、それはもう、ガスケット抜けがほぼ確実であり、そうと決まったならもう、「様子を見る」必要はない。ガスケット交換作業へと移行するのみである。

 視聴者の方からコメントを頂いているように、僕もガスケット抜けの可能性はかなり高いと思っている。だが、「冷却水にオイルが混ざっている」と言うだけではガスケット抜けが確実とは言えず、その前に行うべきことがある、と言うのが整備士の考えで、僕もそう思っている、ということだ。

 そしてもし、ラジエーターキャップの劣化でなかったとしても、交換して悪いことは何もないし、大した痛手でもない。逆に、ガスケットを交換したけど、また同じことが起こりました、そう言えばキャップの劣化を見るの忘れてましたね、では困る。少しでも軽い症状であって欲しいという希望で言っているのではなく、先に簡単な原因から確実に消していくと言う、作業の順序の話である。


■多分ここだろう、でどんどんパーツを交換して結局直らなかったエアコン

 トラブルシュートを確実に行いたいという理由は、僕のエリーゼでエアコンを修理した時の経験による。

 僕のエリーゼは買った時からエアコンの調子が悪く、購入時にはもし利かなくなれば修理する、という条件が付いていた。

 結局購入後2か月でエアコンは利かなくなった。エアコンガスの漏れと判断されたが、その個所は特定できないと言う。ただ、おそらく運転席側のパイプだろう、ということで交換した。しかしそれも2か月くらいしか効果は持続せず、またもエアコンは利かなくなった。

 再度入院させたが、やはりその箇所が分からないという。分からないが、今回は手あたり次第換えた、という感じでエバポレーター、コンデンサー、リザーバータンクを交換した。

 しかし、引き渡しの時点でエアコンはほんのり冷たい程度の風しか出していない状態で、帰り道の途中にはもう、熱風に変わっていた。


 この動画でも言っているが、多分ここだろう、で交換して直ればそれでいいのだが、直らなかったときにはどんどんお金がかかってしまう。この時はディーラーが無償で行ってくれたが、今後同じようなことが発生した場合に、確実にトラブルシュートしないまま次々部品を交換していくような対処の方法をする所では、カネがいくらあっても足りないと思い、決別を決意した。


■まとめ

 もちろん、ここまで記したことは、僕の考えであって、エリーゼを入院させたときに、整備士がどのような検査をしてトラブルシュートしていくかは知らない。だが、冒頭に記したように、僕の考えだけでなく、皆様から頂いた様々な意見や仮説は伝えてみるつもりだ。

 もちろん、ガスケットが抜けているかどうかの判断は、僕がするものではなく整備士にお願いするつもりだし、どのような検査を以てそう判断したかも確認するつもりである。(ないと思うが)納得の行かない方法での判断であればその時は上記のような方法を提案してみたいと思う。

 繰り返すが、ガスケット抜けでヘッドも歪んでいる、というシナリオは想定している。ていうか、そこが最も可能性は高いだろう。ただ、そうでない可能性ももちろんある中で、確実な方法で確認していきたい、そう言うことである。

今は全く動かせなくなってしまったエリーゼだが、入院は自走で行いたい。一番心配なのはエンジン始動。そこで初めてバッテリー充電器なるものを購入した。走行距離が少ないNOTEや180SXにも使えそうだ。難しそう?危なくない?なんて勝手に食わず嫌いしていたが、今はとにかくメチャ簡単そうなのである。



 このブログの内容

 ■電気は苦手?心配いらねぇ!ただつなぐだけ!

 ■カンタン!だけど充電には結構時間がかかります 

 ■青空Pの人はバッテリー外して下さい?せめて屋根が欲しくなりますね 



このエピソードは動画にもなっています。
併せてご覧ください!




■電気は苦手?心配いらねぇ!ただつなぐだけ!

 クルマによっては次の日曜にはバッテリーが上がっている個体もあるというエリーゼである。その元凶は常に点きっ放しのセキュリティと言われているが、幸い僕のはそこまでではない。バッテリーを国産のものに入れ替えて、純正よりも理論上容量は66%になったが、それでも2週間間を開けても再始動してくれている。もちろん、かなり苦しそうではあったが。

 なお、バッテリーを国産のものに置き換える方法については下記の動画を参照されたい。僕の場合は180SXと共通化させたかったので、容量ダウンしたが、固定方法だけ確立させれば容量アップさせることも可能だ。国産ならホームセンターでも手に入り、緊急時、対応の幅が大きく広がる。


ロータスエリーゼのバッテリーを良くある国産品にスワップする

あれから後1か月半。更に安全な装着方法にアップグレード



 とにかく、そんなエリーゼを、もう1か月以上、バッテリー充電可能な走行をしないままにしているのだ。

 幸い、セキュリティのLEDランプは元気に赤く点滅しているが、エンジン再始動は不可能なレベルまでバッテリーは減っていることだろう。逆にこのような微弱な消費電力の機器でバッテリーを完全に消費しつくしてしまうのが一番最悪だ。

 バッテリーは元気な状態を維持するのが最も良いが、バッテリーの怖い所は引火・爆発する可能性があるという所である。僕は電気に関する知識が特に疎く、妙に食わず嫌いなところがある。正しく繋げるのか?発熱しないか?充電器なんて正しい商品、適切な商品を選べるのだろうか?

 電気モノにはそんな不安が付きまとい、何となく敬遠してしまっていた。クルマのトラブルでも、電気系となると途端に自分でやる気がなくなる。

 でも、いつも電気に詳しくなりたいという自分もいることは間違いない。ここはひとつ頑張って、バッテリー充電器について調べてみることにした。

 すると、そんな不安を一掃してくれそうな商品が簡単にヒットしたのである。やはり僕の様に電気に詳しくないユーザーはたくさんいるようで、安全回路が何重にも用意され、バッテリーのサイズや状態に応じてすべて自動で充電メニューをこなしてくれるという機器が、各社から発売されていた。低価格のものでも安全機能についてはしっかりしていて、後は充電に時間がかかるだけ、みたいな感じである。

 ある程度普通に使える自動車用のバッテリー充電器は6,000~7,000円くらいからあるようだ。あまりにも簡単すぎて、電気に詳しくなりたいという願いは残念ながら叶いそうにもないが、安心してバッテリー充電器と言う新天地に足を踏み入れることはできそうである。

 ということで、今回選んだのはメルテックと言うメーカーのもの。安心の日本メーカーということで選んだわけだが、他に国内メーカーではBAL等もほとんど同じものを出している。そうした中でメルテックを選んだのは、パルス充電と言う機能が付いていたからである。

 この機能とて、調べ始めてこの時知っただけの話であって、求め続けてきた機能ではない。ただ、メルテックの能書きに拠れば、劣化したバッテリーはセル内の端子に結晶が付着する「サルフェーション」と言う状態になっており、その状態になると充電しても元の性能にはならないとのこと。このパルス充電と言う機能は、1秒間に1000回の電気ショックで結晶を除去するというのだ。

 しかも、この機能の必要性の判断もすべて自動で行うことが可能という。

 要は、ただ繋ぐ、それだけでいい、というのだ。

 接続は、バッテリーを車にセットしたままでOK。外したりする必要はない。

 たとえ、+と-を逆につないでも保護回路が働いて何も起こらず、「逆接続」であることをインジケーターで教えてくれる。

 バッテリーターミナルにワニ口をつないだ時にバチっと出る怖い火花、これも発生しない。

 対応していないバッテリーや、壊れていたり、劣化しきってこの製品では充電できないバッテリーの場合は充電を停止。

 全自動で状態を診断して、前述のパルス充電含め、最適な充電メニューを選び、次々とこなして満充電にしてくれる。

 充電完了後は自動的に維持充電(トリクル充電と言っている)に移行。過充電などの心配も不要。

心配する材料が、何にもないのだ。

 +と-を逆に繋ごうとも、少なくとも事故にはならず、本機も壊れないようにできている。落ち着いてマニュアルを見て、いくらでもやり直せるのだ。しかも国内メーカー。こんな安心なことはない。即座にポチッた次第である。


■カンタン!だけど充電には結構時間がかかります

 と言うわけで、安心しきって適当にエリーゼのバッテリーにワニ口を挟んだ次第。100V の電源を先に入れるのか、それともバッテリーにつなぐのが先か...とか、あまり深く考えない。何しろ、保護回路が張り巡らされているのだから。

 ちなみに、本器は100Vの電源ケーブルも、バッテリーにつなぐワニ口も共に180cmの長さがある。ある程度の自由度はある、と言って良いだろう。ただ180cmと言えばほぼクルマの車幅でしかなく、駐車場所や向きによっては延長ケーブルも必要になるケースは多いと思われる。

 繋ぐと、まずは診断が始まる。3桁のデジタル表示がいかにも「考え中」的な表示になる。暫くして本体からカチンという小さな音がして、初めて充電が開始される。

 表示切替ボタンがあり、押すと、充電中の電流→電圧→バッテリーの充電レベルの%表示、と次々切り替わっていく。最初は1.0Aで充電が開始された。電圧は8V程度を表示。充電レベルは%ではなく、Loと表示された。相当消耗しているように思える。

 もしかしたら、前述のパルス充電を実施しているのかもしれない。パルス充電に関しても、必要と判断されれば自動で行うようになっている。

 1時間半ほどしてから見に行くと、冷却ファンが激しく回っていた。ただし本体が熱くなっているようなことはなかった。電流は6.0A、電圧は14.3V、充電レベルは60%と表示された。このペースで行くと3時間くらいで充電完了するのかな、そんな風にも思えた。

 どうやら本来であれば、バッテリーの容量が大きかったり、消費が多すぎて残りが少ない状態だと、大きな電流になってしまうようである。通常はそれに耐えうる充電器にする必要があるようだが、そう言うのは高価なようだ。ただ、そのように大きな電流で充電すると、バッテリーに対する負荷は大きくなってしまい、かえって劣化が早くなることもあると言う。

 この機械はそうではなく、電流を制御することで、自分自身にもバッテリーにも低負荷の状態で充電を継続できるようだ。その代わり、充電に時間がかかる、こういう事のようである。

 そうした中で少しでも早く充電を完了させるよう、バッテリーの状態に応じて劣化させない程度に電流を上げたり下げたりして、できるだけ早く充電できるように制御してくれているようだ。

 4時間くらいしたが、充電レベルは70%くらいで動かなくなった。このまま続けたかったが、大きな問題があった。雨が降りそうなのである。予報ももちろんこの後雨だと報じている。ウチは青空駐車場であるからして、雨が降ればこのバッテリー充電器も濡れてしまう。このままずっと見張っているわけにもいかず、一度充電を中断することにした。これだけの安全機能がある機器だ。またつなげばその状態を診断し、そこから再開してくれるはずだと確信し、安心して取り外した。

 外すときの電流は再び低下して4Aくらいになっていた。最後は徐々に電流を下げながら充電していくのだと思う。時間はかかるが、バッテリーを労わるための措置なのだろう。

 この機器としてはとにかく繋いでおけば、明日くらいには完ぺきになってるよ、バッテリーを劣化させてまで急速充電する気はないよ、という機械なのだ。


■青空Pの人はバッテリー外してください?せめて屋根が欲しくなりますね

 しかし、青空駐車場ではそれができぬ。いかに保護回路があろうとも、防水機能はなさそうだ。雨が降ればさすがに壊れるだろう。

 と、なると、青空駐車場の人はどうするか。今回のエリーゼの様に、40B19Rという、今となってはかなり小さいバッテリーであっても、ほぼスッカラカンの状態からの充電となると5~6時間を要する。その間、天気とニラメッコしながらやるしかない。雨が降り出したらすぐに仕舞えるように、自宅に待機するとか、屋根がない場合は結構制約が多くなる。

 今回使用した日はどうも雨がちで、結局下の写真の様に、充電器の上に簡易的な雨除けを設置して雨天でも強行した。この板はエリーゼのフロントアンダーパネルである。

today180_20200920_bat-cover.jpg 何とも情けない状況であるが、仕方ない。せめて屋根だけでもついているカーポートがあれば...。

 そんなことはありながらも、エリーゼを満充電にして、充電するのが楽しくなってしまった。すぐにNOTEの充電に取り掛かる。NOTEも近距離の運転が主で、時々エンジンのかかりが悪い時もあると言う。かなり劣化しているのではないか、と思ったが、繋いでみると60%くらいあった。

 充電完了までは3時間くらいかかるかと思ったが、実際は約2時間でFULの表示になった。

 また、「バッテリーがもう終わりかけている」と酷評だった180SXのバッテリーは車体から外してバッテリーのみでの充電を試した。しかしながら、繋いでみるとのっけから80%でスタートし、すぐに90%→FULになってしまった。

 ある程度走れている車に追加で充電する、というレベルであれば、2時間くらいの時間を見れば満充電まで持って行ける、ということのようだ。この程度の時間であれば、青空Pの人も使えるレベルか。ま、充電器さえ濡れないような何かの措置だけしておけば大丈夫そうである。

 ただ、せめて屋根付きカーポートくらいは欲しくなる。


■まとめ

 色々試してみたが、これはなかなか楽しい道具だった。普段は見えないバッテリーの充電状態が見える、と言うのがまず楽しい。

 減っているかどうかは、数値でわかるし、必要であればそのまま充電すればいいだけ。減ってそうだから遠回りして充電しておいた、なんてことをやっていたが、本当に減っていたのか、走ったから十分に充電されたのか全てカン。こんなアバウトな作業は完全に不要だ。

 オイル交換やタイヤ交換なんかよりも、バッテリー充電器の方がずっと簡単で、こっちの方が愛車のメンテナンス入門には最適だと思う。

 そもそも、クルマに興味がないならオイルなんか車検の時に交換すれば大体大丈夫だし、パンクもほとんどしなくなった。バッテリーの負荷はどんどん高まる一方で、クルマに興味のないドライバーでもバッテリートラブルは遭遇率が高いものだと思う。

 そう考えると、この充電器は今となっては異常に高価になってしまったバッテリー本体よりも安い価格で購入でき、一つのバッテリーを長持ちさせてくれる投資効果の高い道具だ。2台持ち、3台持ちとなれば、更に活躍のシーンは増えるだろう。価格、面白さ、実用性、投資効果、どれをとっても超おすすめのメンテナンスアイテムなのであった。エリーゼを入院させるときのためとか、そんなレベルの道具じゃぁ、ない。


メルテック 全自動パルスバッテリー充電器 SCP-1200
エリーゼのトラブルの全貌は未だ分かっていない。工場に入庫さえしていない状態だ。しかし、この対処のために行った措置が次なるトラブルとして僕に襲い掛かることになる。僕の心もエリーゼ自体も、その傷が癒えぬうちに襲ったトラブルの連続攻撃にメンタル崩壊へと陥るのであった!


・トラブルは連鎖する?

 僕は、再度タンクに水をれ、破裂した場所を探すことにした。漏れている場所はすぐに判明。エンジンからラジエーターにつながるホース部分であるようだ。

 問題はここの交換がフロントカウルを外さずに作業できるか。フロントカウルの着脱は非常に面倒で2人がかりの作業となり、工賃はハネ上がる。

 僕は隣の家側に寄せていたエリーゼを、一時的にエンジンをかけて移動し、作業スペースを確保して右タイヤのインナーフェンダーを外すという作業を行う決意をした。

 トラブルから2週間ぶりのエンジン始動。エンジン音の不調など、もしかしたら、トラブル当時は冷静さを欠いて気づかなかった何かが、分かるかも知れぬ。だがそこには、「エンジンフィーリングはやはり異常なし」であったことを確認したい、という欲求もまた、あったのだ。一体どっちなのか?

 あのトラブル以来外していなかった、カバーを外す。若干のホコリが侵入しているので、それを取り除く。すると...あ?

ウォータースポットがそこかしこにできているではないか!

 最初に見つけたのは左リアフェンダー部分。僕がエリーゼで最もカッコいいと思っている造形の一か所だ。

 良く見ればそこだけではない。フロントフェンダー部分、フロントパネル部分、日陰になっていたであろう車体右半分もウォータースポットだらけである。

やっちまった...!

 でもなぜ?

 今までも突然の大雨の後、直射日光にさらされ、自然乾燥してしまったこともある。180SXやNOTEは水道水で洗った後はいつも自然乾燥。水を拭き取ったなんてことはない。

 NOTEに関しては、確かに水滴の跡が付いていたこともあったように思うが、少なくとも今は消えている。180SXは豪快に残ってしまっているが、アレはもう、汚れと雨と水道水と直射日光と...を20年以上繰り返して付いたものだ。まさかこんな一度のことではっきりと付いてしまうとは...。

 エリーゼだって、例えば洗車の後、テールランプの隙間などに入り込んだ水道水が後から出てきて跡になっていることは毎度必ず発生する。しかし、フクピカで拭き取れば落ちていた。

 なのに、今回はなぜ?

 心の中でそう叫びながら、拭き取ろうとしても今回は一切、落ちてくれない。

 車体の温度がそれほど上がっていたのか?今までと何が違ったんだ?


 上記の動画を公開したところ、水道水を自然乾燥させることがいかに最悪な事か、良く分かるコメントを頂いた。身に染みて良く分かった。とにかく今までは運が良かっただけなのか、NOTEや180SXは車体の色が気づきにくいだけだったのか。

 とにかく、水道水をかけた後、自然乾燥は絶対にしてはならない、それは紛れもない事実なのである。


・エリーゼとの刹那の再会

 ほぼメンタル崩壊状態になっていたが、エリーゼの位置を変え、フロントのインナーフェンダーを外す作業をできるのは今日しかない。動画も撮影しなければ、次の回に穴が開いてしまう。(毎週公開と公言はしていないが、結果的にそうしているのでできれば穴は開けたくない)

 結局またメンタル崩壊状態でこのクルマのエンジンをかける羽目になってしまった。

 できるだけ正気を維持しようと試みながら、撮影準備を進める。カメラは2台体制で、車体左前に三脚でデジカメを設置。もう一台はエンジンフードを開けた状態で車体にGoProを装着、エンジンそのものを写すアングルだ。

 短時間なので大丈夫だとは思うが、一応リザーバータンクに水道水を入れる。すぐさま右前輪付近から水漏れが発生する。やはり、破裂したのはここの近辺だ。

 キャップを締め、エンジン始動。

 2週間ぶりとあって、バッテリーが弱まっているせいか、始動はモタついたが、一発でかかった。クラッチをつなぎ、エリーゼを前進させる。

 低速ではあっても、クラッチミートの瞬間、確実にエリーゼの軽量な感覚、このわずかな前進であってもドライバーの意のままであると主張してくる。

 深手を負いながらも、このクルマは気丈に自分が「エリーゼ」であることを、ドライバーに懸命に伝えようとしていた。

 バックにギアを入れ、ハンドルを操作し、右前輪を外すための作業スペースを確保する位置に後退させた。車を降り、エンジンを覗き込む。やはり、明らかなる異常はない。どこかおかしい所はないか?何とか探そうとして、ちょっとプスプスと言うような音が混ざっているかな?それももしかしたら先入観があるからかも?くらいのものだった。

 しかし、内部で何が起きているかは分からない。僕はここでエンジンを停止した。

 次にエンジンをかけるのは、工場まで自走する時になるだろう。工場までは100mくらいだ。


・破裂したホースの交換作業はカウル着脱必須か

 破裂したホースを交換するのに、カウル着脱が必要か、不要か。これは大きな問題である。カウル着脱の工賃が非常に高価だからだ。

 さらに僕の場合、カウルが割れているということもあり、どうせ外すならカウル補修もしたいし、エアコンにどこか別の空気が入ってきていることは間違いないから、そう言うのも直してしまいたい。そうともなれば、色々な費用が一極集中してくる。カウルを外さずにホース交換できるかどうかは、エリーゼを維持できるかどうかにかかわってくる大きな問題なのだ。

 ということで、クルマを移動して右インナーフェンダーを外そうとしているわけだが...。

 まずは、ジャッキアップしてクスコ「スマートクロスレンチ」を使って右前輪を外す。ジャッキアップポイントは、右前輪のすぐ内側の部分だ。

 インナーフェンダーを外す作業はそれほど難しいものではなかった。タイヤを外して目に見えるネジ類を外せば、後は手で外れる。

 驚いたのは、インナーフェンダーにリベットでステーが留められ、そこに何やらコネクタのハマったボックス状のものが取り付けられていたことだ。付け方的にメーカーの装着方法ではなさそうだ。

 後でコメントを頂いたのだが、ファンの回転数を制御している回路もこのボックスにあるようだ。

 それはイイとして、インナーフェンダーを外すと、やはりホースが現れた。ホースとラジエーターのつなぎ目部分は、フロントトップパネルを外せば作業できるが、外したホースを抜きとれそうにない。それはここだ、そう踏んだのだが...。まだ先はあった。

 ホースの下側はここからは見えず、クラッシュストラクチャーの奥へと向かって行っていた。

 なんと...!

 これはやはり、カウルを外して前からアクセスしないと行けないのか?それとも、フロントアンダーパネルを外せば下から行けるか?

 作業はまだ続くのであった。



パン!プシュー...。左後方から突然聞こえた音に、僕はとっさにパンクした、そう思った。修理キットしかないから、メンドウだな、そう思っていたが、現実はそうではなかった。それよりももっと面倒な状態だったのだ!


■トラブルは突然に...

 夏休み。少年サッカーの朝練を終え、僕は、エリーゼに乗った。

 今年の夏季休業は8月11日の出社を挟んで、前半が3日間、後半が5日間。コロナウィルスの影響もあり、どこに行く予定もない僕にはだいぶ余裕のある期間が手に入ったと思う。その余裕からか前半の3日間は一切エリーゼに乗ることはないままだった。後半に乗ればいいや、と思っていた。

 後半の初日、ようやくエリーゼを引っ張り出して午後少し乗った。そして翌日、である。

 通常、時間的余裕があると、特に僕のような弱い人間は、突然いろんなことが進まなくなる傾向にある。時間に追われているくらいでないと、色んなことを本気で始めようとしなくなる。

 話が脱線するのをが恐れずに敢えて言うと、もう僕の年齢になったら時間があると思っていたら大間違いだ。それを強く認識するべきだ。体力はどんどん衰える。明日病気になるかも知れない。クルマだけじゃない。体のトラブルも突然に、だ。急な出費にも見舞われる。落とし穴はそこかしこに口を開けている。時間がある、と言う意識は捨てるべきで、時間があるならそうならないようにどんどん予定をブチ込むべきである。

 そう言う視点からも、YouTubeは非常に良い外的圧力である。クリエイトしなければならないという適度なプレッシャーがある。しかし、好きなことなのでこのプレッシャーがそれほど苦ではない。良い感じで心地よい戦闘モードに入れるというか、そんな感じである。

 この時も、少年サッカーが終わってから、撮影のためのリハーサルを行うつもりでいた。

 エリーゼを運転しながら、しゃべろうと思っていたのは前回のブログに書いた、「クルマが夢で生きてきたなら...。迷わずローンでクルマ買えよ!」このテーマであった。ブログにも書いて、動画にもアップする、そういう予定でいた。

 エリーゼを始動して、自宅とは逆の方向へ。信号が多いと撮影にならない。なるべく信号のない田園地帯へと向かう。

 同テーマの内容を2回ほど話した時であった。走っていたのは県道で中央線が黄色の片側1車線ずつの道路。運転席左後方からいきなり、パン!という破裂音。

 それに続いて、プシュ―...という激しく空気の抜ける音。とっさに僕は、パンクと判断した。

 過去に僕は、磐梯吾妻ゴールドラインを180SXで走行中に左後輪のバーストを経験している。その時と同じ音だったからだ。その時の180SXは純正サイズでハイトが高かったので、空気が抜けた後はすぐにタイヤがボコボコとなり、走行にはかなりの抵抗感が出る状況になった。

 今の180SXは扁平率も45で、これでもパンクしたが、このタイヤの場合はパンクに気づかないくらいあっさりした変化しかなかった。エリーゼも同じ45ということもあり、僕はパンクを疑わなかった。

 その時僕が思ったのは、走行感が買わないからと言って長く走ればホイールが傷だらけになる、ということ。あとは、エリーゼにはスペアタイヤがなく、修理キットだけである。しかしあの音と抜け方だと相当大きな穴である。修理キットでは直らないだろうな、ということ。

 そう思いながらも、路肩もないし、後続車も来ている。どこか路地のようなところを探して、まずは車を停めて状況を確認したい、これであった。


■パンクよりも面倒な、初体験のトラブルであることが判明

 200mほど走っただろうか、おあつらえ向きの路地を見つけ、即座に左折で入った。即座に車を左に寄せる。あわてて車から出るとここで事故る可能性があるので、落ち着いてバックミラーを確認...と?

エンジンルームから白煙が出ているではないか。

 これは、パンクではない。オーバーヒートか?とにかく体験したことのない現象。冷却水の量はMINを割っている。さっきの破裂音でどこからか漏れたか...?

 過去に、僕がオーバーヒートと思われる現象に遭遇したのはかなり前だ。しかし、その時はこう言う類の物ではなかった。クルマは買ったばかりのカローラIIで、時期はやはり夏。僕が大学に合格し、免許を取って初めての夏の家族旅行だった。僕が大学に通うのに使うこのカローラIIで2泊3日の家族旅行、それがすなわち、親の卒検、と言う位置づけだった。

 1300ccのカローラIIで家族4人と全員分の2泊3日の宿泊の荷物満載で、どこだか忘れたが、峠道を登って行ったら、突然パワーがなくなった。アクセルを踏んでも全く坂を登らず、速度はどんどん落ちていったのだ。水温計はHの赤い部分を指している。丁度次のコーナーで路肩が広くて木陰になっているポイントがあった。ここしかない。そもそもこれ以上は登り坂を走れない。

 ここで、教習所でも習った通りにボンネットを開けてエアコンを熱風最強にしてボンネットを開け、アイドリングを継続。10分くらいで水温計はHから真ん中くらいに戻った。走り出してみると、先ほどまでのパワーゼロ感は失くなっており、元に戻っていた。もう20年前の話だが、同乗していた父は「今でもオーバーヒートなんてあるんだ」と言っていた。

 僕は、この時と同じ行動をとった。エンジンフードを開け、エアコンを熱風最強に。

 しかし。

 水温計は99,100,101...とさらに上昇を続けたのだ。これまでもスポーツ走行をしていたわけではない。このペースで上がれば、2~3数分後には120度くらいまで行ってしまう。冷却水もほとんどない状況なので、これは逆に走って走行風を当てた方が良いと決断した。どうせ走るなら自宅へ。ただ気になったのは、荒川を渡る約1kmの橋があること。この途中でエンジンブロー→停止はキツイ...。

 しかし、行くなら今しかない。温度計は上がり続けている。時間はない。否、もう既に遅いかもしれないのだ。

 現場から数百メートル。荒川を渡る橋に差し掛かる。ここで僕はスマホのビデオに状況を記録した。どうなるかは分からないが、たとえここでエリーゼが死んでも、この記録が誰かの役に立つかも知れぬ。そう思った。そのシーンは上に挙げた動画に収録されているので併せてご覧頂きたい。

 エンジン自体のフィーリングに変化はない。思った以上に普通だ。

 何か異常を感じ取ろうとして五感を研ぎ澄ますと、峠を攻めた後に路肩に停めるとエンジンからキンキンという音が聞こえてくるが、時折あんな感じの音がしていた。できるだけエンジン回転数を低く抑えつつ、多くの走行風を当てたいため、高めのギアを選択していたせいも手伝っていると思うが、アクセルを踏み込んだ時に若干のノッキング現象も見られた。

 しかし、その程度である。パワー感がない、回転がおかしいと言ったような明らかなる異常はない。

 そしてそのまま自宅に到着。

 復活に時間を要し、エリーゼの車内で撮影することも増えるだろうと思い、隣の家の陰に少しでも多く入るような位置に停め、すぐさまエンジンも停止。

 冷却水がなく、エンジンも止めたとあればオイルも回らない。エンジンを冷やす手立てはもはやない。従って、車体に水をかけて冷やすことにした。これはもう、帰る時からそうしようと思っていた。エンジンに直接かけるのではなく、エンジンフードの上から放水する。エリーゼの場合これで十分エンジンに水がかかるし、エンジンフードをした状態でなら、雨天などで想定された経路にしか水は行かないはずだ。この水で濡れて壊れるということはないだろう。

 タイヤの辺りから、アンダーパネル内にあるエンジンに向けても放水した。これも、タイヤが跳ね上げた水がかかる可能性があるから想定の範囲内のはず。

 熱せられたエンジンが水を瞬時に蒸発させ、水蒸気がもうもうと上がり、熱気が顔を覆う。プラスチックの焦げたようなにおいもする。エンジンを停止しているにもかかわらず、冷却ファンは回転を続けている。エンジンの温度が上がりすぎている証左である。

 僕は30分以上、水をかけ続けた。


・リザーバータンクのキャップにはオイル状のものが付着、ラジエーターホースから水漏れ

 エンジンが冷えたことを確認すると、僕は一気に力が抜けたような状態になってしまった。いったいどこまで壊れてしまったのか。エンジンにまでダメージが行っているのか。

 ネットの情報を見たりしたが、オーバーヒートした場合、ガスケット交換、ひどい場合はエンジンブロックがゆがんでいるので、エンジンを下ろして面研、などの情報が画面に表示されていたが、正直あまり頭には入って来なかった。

 オイルのようなものが混ざっていたことはキャップを外して確認している。あれがエンジンオイルなら、どう考えてもガスケットが抜けていると考えるしかないらしい。

 レベルゲージではオイルの状態は確認したが、量、色、状態とも問題はない。水が混ざっている様子もない。水は重いのでオイルパンの下に溜まっているかもしれない。ドレンからオイルを抜いて見ても良いが、主治医に見せる前に状況を判断する材料がなくなってしまうのでそれは止めておく。

 主治医に状況を伝えると、ガスケットが抜けているなら、確実にエンジン不調があるはずだとのこと。それがないならそこまでは行っていない、とりあえず冷却水がないならその場所を特定、破裂した個所を交換し、水を入れて様子を見る、という修理方針を示された。

 その頃、圧をかけているリザーバータンクのキャップが劣化して、圧力が低下し、冷却水が一気に沸騰してホースが破裂したのでは?という仮説がもたらされた。キャップに付着したオイル状のものはパイピング内に堆積していた長年の汚れが、沸騰&破裂した勢いで剥がれて遊離した物、と言う仮説である。

 少量のオイルが冷却水に混ざることはあり得ることで、オイルはそれでは?とは主治医にも言われており、一致している。

 それなら、破裂したホース、タンクのキャップ、ついでにサーモスタットの交換だけで済むかもしれない。

 そうであればいいのだが...。



ローンでクルマを買う。このことが、悪であるかのように言われることをよく目にする。誤解の無いように冒頭に言うが、カネを貯める、それが目的ならばこれは正しい。ただ-あなたの夢がクルマならば-答えは180度変わり、ローンは夢を叶える究極の道具。堂々とローンで買え!




 このブログの内容

 ■効率的って何に対して?そこを明確にせよ!

 ■ローンはタイムマシン。カネがかかるのは当たり前! 

 ■自分を持てば、何が正しいのか判断できる。ブレずに堂々とその道を往け! 


【関連動画】
中古ロータスエリーゼ購入費用と返済計画のリアル。
頭金は?月々の返済はいくら?
  
ロータスエリーゼの維持費ってどうなの?
サラリーマンでも大丈夫?


■効率的って何に対して?そこを明確にせよ!

 実は、この話って少し前のブログにもちょっと書いてるんだが...。

 僕は、節約生活や投資もしているので、ソレ系の情報にも触れるようにしているんだが、そう言うのを見ると、そもそもクルマがカネ食い虫なので、持つこと自体ダメ、それをローンで買うなんて、バカの上塗り、一生金持ちになれない、単なる情報弱者、騙されているだけ...。

 とまぁ、ひどい言われ様だ。

 繰り返すが、カネを貯めることが目的だ、と言うならば、これは正しい。それは認める。

 そこで問いたい。その貯めたカネの行く先はどこなのか?カネと一緒に棺桶に入るためではあるまい。何かに使いたいからだろう?オレはそれがクルマなんだよ。とにかくまずここが大事。

 カネ貯める目的って色々あると思うし、あって良いと思う。そこに異論があろうか?あるはずもない。

 その目的って人それぞれで、百名山を制覇したい人もいるし、自分の子供にカネをかけたい人もいるし、世のために寄付したい人もいるだろうし、アイドルグッズで固めるために使いたい人だっている。それがオレたちはクルマってだけ。

 フェラーリやポルシェに乗りたいとか、旧車をレストアしたいとかいろいろあると思うけど、それがオレたちの夢なんだよ。その夢さえもムダって言うのか?

 この趣味が理解できない、というのは分かる。僕たちにだって、理解できない趣味はたくさんあるし、そんなものにカネを使っちゃうのか...。と思う事も有るけど、家族を不幸にしない程度にやってるんだったら、別にいいんじゃない?ってなるよな。「自分が理解出来ない生きがい=ムダ」って言いたいのか?そうじゃあるまい。もしそうだと言うならそれは自分目線であって、その人目線じゃない。アドバイスになってない。

 それもダメって言うなら、だったら何がムダじゃないんだ、とオレは問いたい。ムダじゃないものを出してみろ、と。

 そうすると、老後の豊かな生活、とか言ってきたりする。ガンになったら高度医療がどうのこうのとか、もっともらしいことを言う。子供の教育とか、否定しにくい武器を並べてくる。

 まぁ、いいよ。じゃ、豊かな生活って何なんだよ。カネそのものが豊かなんじゃないよな。カネがあれば欲しいと思ったものを躊躇なく買える、その心の余裕、それが豊かなんじゃないのか?それで躊躇なく買いたいものが、オレたちにとってはクルマなんだよ。クルマに乗って、いじって、眺めて、見せびらかして、クルマ仲間と濃い時間を過ごす。カラオケやゲートボールやりたい老人もいるだろうけど、オレたちの豊かな生活はそうじゃなくて、クルマなんだよ。

 子供の教育?良いだろう、良い高校、いい大学、良い会社...。なぜ?子供には豊かな生活を手に入れて欲しいからじゃないのか?じゃぁ、子供にとっての豊かな生活は?クルマじゃないかもしれないけど、別な何かあるはず。

 それ以上突き詰めるって言うのなら、究極の領域まで突入するしかない。人間が生命体である以上、究極の目的は種の保存でしかない。種の保存以外はすべてムダ?そうではないだろう。

 しかし、人間には他の生命体にはない大きな脳を与えられ、子孫を残した後にもまだ生きることを許された。そこではもっと別な喜びを求めることを許されたのだ。

 何度でも言う。それがオレたちにとってはクルマなんだ、と。幸せや喜びを求める権利は誰にでもあって、その種類がクルマっていうだけのこと。

 それでもその趣味自体がムダって言うのなら、ムダじゃないのは何?

 例えばマイナー競技のオリンピック選手とか、彼らはどう見るのかな。メジャー競技なら、成果を残せば引退後に生活の支えになるだろうけど、マイナー競技はそれも望み薄。スポンサーもない、環境もない、それでもその競技人口を増やそうと、私財をなげうって続けている人っていっぱいいる。その浪費たるや、クルマの比ではない。でも、最初は趣味から始めてそこまで行きついた結果だよね。これは?ムダ?

 そう言えば、僕は少年サッカーの指導者やってて、たくさんの子供たちを輩出して、地域貢献していると思っている。プロサッカー選手も育てた。莫大な時間を浪費して、リアルに1円ももらってない。実費さえもらってない。これもムダ?情報弱者?サッカーもオレの趣味であって、クルマと同じなんだけど。


■ローンはタイムマシン。カネがかかるのは当たり前

 で、だ。

 自分の夢がクルマ、もしくは別に夢があってその実現のためにまずクルマが必要、とか、そうだとする。

 そして、そのチャンスが「今」だけど、手持ちの現金がないのなら、そこで夢を諦めますか?

 ハッキリ前置きしておくけど、返せる計画が立っていることが前提。それがあるのなら、オレはローンを使ってでも、夢を叶えるべきだと思う。

 例えば、「フェラーリなどの趣味性の高いクルマは家庭を持ったらムリ、ならば今しかない!」そう思っても1,000万、2,000万ためるまで待てって、それじゃぁ絶対に機を逃す。次のチャンスは来ないかもしれない。

 子供の教育でもいいですよ。例えば、ピアノでもサッカーでも塾でもいいけど、それなりの教育を受ければ可能性あるよ、と言うチャンスが目の前にあって、その為には送り迎えが必要、だからクルマがないといけない。それはローンで買うしかないじゃないですか。ま、送り迎えだけなら、5万円の軽自動車でも良いですけどね。

 それは、現金で買えるなら、それに越したことはない。しかし、それまで待てない、待っていたらチャンスを逃す。

 -で、あるならば-

 本来数年後になってしまう買えるタイミングを、今にできるタイムマシン、それがローンなのだ。もちろん、利息は払わなければならない。夢を実現するためにそうした便利な道具を使う。そこに、カネが要るのは当然じゃないか?

 人気のYouTuberだって、カメラに投資し、時にはYouTubeに広告を出したりして、カネを使って今の地位を手に入れている人はたくさんいる。それだって、YouTuberとして稼げるようになるか分からないけど、そう信じて私財を投じたわけじゃないか。自らの目的達成のためにカネを投じる、ローンだって同じことだ。

 要は理解してローンを使っているか、何も考えずにローンを使っているか、そこが大事なのであって、クルマは全てダメ、ローンはもっと全面的にダメ、であるはずがない。

 僕はエリーゼを5年ローンで買って、2年で繰り上げ返済した。少々妻には文句を言われたが、子供の教育にも一切妥協はしていない。自分のサッカーも少年サッカーの指導者も何も犠牲にしていない。そして、エリーゼと言う一つの夢もまた、手にしたのだ。


■自分を持てば、何が正しいか判断できる。ブレずに堂々とその道を往け!

 ブログでもYouTubeでも、少々炎上気味の方が読者も集まるから、敢えてその様な書き方をしている部分もあろう。

 また、クルマは環境負荷も高いし、一昔前は暴走族みたいなのもいたし、今でもとんでもないスピードを出して他人を事故に巻き込んだり、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの痛ましい事故も報じられていて、実に悪者に仕立てやすい。もちろん、事実としてカネは浪費する。

 仮想敵がいた方が、理論としては納得させやすい。人を納得させるのに、そういう安易な材料を使いたくなることもあろう。

 繰り返すが、確かにクルマはカネのかかる趣味だ。ローンも決して安くはない利息を支払うことになる。彼らの言うことは事実としては絶対に正しい。

 だが、僕たちはそこに生きる楽しみを見出した。そして、僕たちがそれを追い求めることに、何ら問題はないはずだ。夢のためにその難関に挑む、ただそれだけじゃないか。夢に難関はつきものだ。何か問題が?

 クルマはムダ、ローンはもっとムダ、そうだと言うならそれでも良いが、その事実を理解した上で、ローンを使う場合はその仕組みと返済計画を立て、同時に投資をしたり、家庭も運営できる状態を維持しつつ、自身の幸せのためにそのムダに挑む分にはそれはバカであるはずがない。彼らは我々の趣味が理解できないだけなのだ。聞くべきところは聞き、そこに自らの考えを加味して、自分自身の自信の持てる計画を立てて邁進すればよい。

 もし、僕たちと同じ世界に棲み、僕たちクルマ好きが羨む様なゴールを手にした人が、「ローンでクルマ買うなんてバカだよ」と言うのであれば、その話を聞く価値は非常に高いだろう。

 いずれにしても、どうせ目指すなら、そのクルマはとんでもないヤツが良いと思う。手に入れたときのインパクトが強く投資価値が高い。クルマと同時にその後得られる人脈やエピソードが次のカネを生むかもしれない。

 そして逆にもし、その夢に敗れたとしても、そこまで計画しての失敗であれば、必ず次につながる。

チャレンジとは、実にお得な行為なのだ。
成功すればその夢を手にし、失敗しても成長を手にする。



■まとめ

 僕たちの夢を理解しない人のアドバイスを鵜呑みにして、胸にしたチャレンジを投げ出さないで欲しいと僕は思う。情報を集め、きちんと計画を立てて戦えば、クルマをローンで買ったって、一生貧乏、なんてことはない。

 
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「あ、警告灯ついた」

 花園ICを下り、目的地まであと10kmを切ったという所で、燃料不足を表すオレンジ色の警告灯が、ぼんやりとついた。

「ついちゃったかぁ~」
かなり残念なのだが、言葉は気持ちがこめられていないかのような棒読み状態である。それほどまでにドクターうるふの体を疲れが蝕んでいるのだ。時刻は21時。走行開始から15時間。ゴールは目の前である。

 走っているうちに、警告灯の光はゆっくりと、消えた。

 「47、8(リットル)は入っちゃうかな」

 そういいつつも、的確に信号のない道を選択し、巡航速度を維持している。走り慣れた道。効率的なラインは全てインプットされている。

 目的のガソリンスタンドまでは踏み切りを越えなければならない。かかるとちょっと厄介な踏み切りだ。
曲がり角。左折するとその踏み切りが見える。まだ遠くにあるが、闇に浮かぶ赤い光でその存在を確認できる。ちょうど踏み切りが上がった瞬間だった。

 「ラッキー。」

 今踏み切りが上がれば、まずそのまま通過できるだろう。
 そして。無事通過。

 「さっきから、信号にもかからないし、この踏切にもかからなかった。運が良いかも。埼玉入ってから。」

 淡々と語るドクターうるふの目に、ガソリンスタンドの明かりが飛び込んでくる。
 スタンドに静かに入る。窓は全て閉めているが、それを通して店員の元気な誘導の声が聞こえてくる。

 エンジン停止。走行距離は598.1kmだった。

 「ハイオク......満タンだ」

 どこぞのマンガで見たセリフをそのまま言っている。この極限状態において、これはギャグなのだろうか、それとも素なのだろうか。皆目見当もつかぬが、とりあえずそれは置いておくことにしよう。

 「ゴミ、吸殻などありますか」
 「こちら中ぶきになりまーす」
 「窓、お拭きしてよろしいですか」

 と、手厚いサービスを受けるが、全くの生返事である。鋭い眼光は物凄い勢いで増加する給油量に向けられていた。

 「45ぐらいで止まってくんねぇかな......。45なら......13行くんかな?......行くんだな......」

 と、つぶやきつつ、祈りつつ。しかし、給油の勢いは衰える様子もなく、45リットルを過ぎた。そのまま、46、47、48......。

 がちゃん。

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48.95リットルで止まった。

 「48.9。48.9だとどうなる......?」

 慌てて計算するドクターうるふ。しかし、焦りと疲れで計算できない。

 「ちょっと待てよ。49だとして......?」

 と、その時であった。

 なんと窓を拭き終えた店員が、

ノズルを手で少し持ち上げて、
更に給油しておるではないかッ!

 「もう、いいんだよ!」

 心の中では言っているのだが、声にならない。

 49.7で再び停止。しかし、がちゃ、がちゃ、と、更に断続的に操作して微量づつ給油を続行している。どうやらこの店員、キリの良い所で止めたいらしい。

 給油量は、ちょうど50リットルで停止した。0.01リットルの狂いも無く、だ。
 キリの良い所で停止させる職人技を披露でき、店員は大変ご満悦の様子である。

 50リットル消費で600km走行すればリッター12km。今回は600kmをわずかに割っているので、11.9km/lくらいだと、すぐに分かってしまった。キリの良い所で止めてくれた彼のお陰で計算しやすくなったというわけだ。

 闘いは終了した。出発した時は、給油後、全てを忘れて全開くれてやるなどと思っていたのだが、そのような体力はもはや残ってはいなかった。15時間通しつづけた燃費走行は既に体の隅々まで浸透しており、ドクターうるふはゲリラボ本部まで、燃費走行で帰還したのである。

 翌日。ゲリラボ本部で結果報告が行われた。ドクターうるふも体力を回復したようである。

 「やっぱ、いろは坂の渋滞が一番きつかったと思うよ」
 と言うのはゆみごん社長である。
 約20分の待ち時間中、アイドリングストップできたのは2回。停止時間は合計しても5分に満たなかった。それが最大の原因だと彼女は推察する。

 「あとはやっぱ、山道が多すぎたんじゃない?ロマンチック街道って言うコース設定にも問題があったんじゃないかな」

 「ああ。確かに上り坂では燃料の消費が多かった。でも、渋滞よりは実験的に面白いんじゃないかと思ってね。」

結局、報告会での結論は、180SXで燃費11.962km/lはかなり頑張った方、と言うことに落ち着いた。しかし、ドクターうるふはこう言う。

 「みんなはああ言ってるけど、これだけの軽量化をして臨んだわけだから、99年7月19日に出した12.021km/lは絶対に超えたかった。少なくともオレは、超えるつもりでいたね。13km/lは出ると思ってたよ。その点ではプリウスには負けたのはもちろん、自分の目標にも届かなかったってこと。完敗だな。

 でもまあ、過去の燃費を見ていても10km/lが一つの壁だったからね。それを超えられたって言うのは一つの成果かな。

 結局さ、今なんかエコがどうのこうのとか言ってるけど、そういう車ってラインナップのうちのごく一部なんだよね。環境面にも取り組んでますって言ってプリウス出してんじゃダメなんだよ。プリウスってのはそれがウリの車なんだからさ。その裏では余裕の走りが何たらとか言って、ちっとも環境に優しくない車バンバン作ってんじゃん。

 グランビアからスープラまで、全車エコロジーにしたんなら良いけどさ。

 ま、あれだけ過酷な思いしてもやっと普段より1~2km/l伸びただけだから。プリウス買ったらそれでいきなり25km/lでしょ。すごいよね。それはやっぱり認めるよ。

 でもさ、プリウス買った人=地球環境のこと考えてる人みたいなのはどうかな。燃費なんてさ、その人の走り方でずいぶん変わるもんだって言うことが分かってもらえたと思う。どんな車でも、燃費走行を心掛けている人はたくさんいると思うよ。逆にプリウスでひでェ走りしてるヤツもたくさん見たしね。」

 姿を消す直前、ドクターうるふはこう付け加えた。

 「もう少し涼しい時期にまたやりたいな。今回できなかったことがたくさんあるんだ。って言っても、パンツははくけどな!」

 

実験は無事終了し、その結果だけを残して、研究員たちはいずこかへ去って行った。
新たな検証が、彼らを待っている。

リッター11.962km。
底まで踏めば他を圧倒する加速、優しく踏めばエコロジー。
180SXなら、それができる。



2020年6月、さらに軽量のロータスエリーゼで再実験した様子を動画で公開!
ゲリラ実験室MISSION11


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 上田市内に入ってわずか数分。目的地の上田城まであと8kmと迫ったところでドクターうるふの目前に現れたのは......

「渋滞だよ~」

 これである。宇都宮と上田では街乗り走行となるため、ある程度の渋滞は予想していたが、ここのはちょっとばかり程度が重そうである。渋滞の長さは相当のもので原因がなんだかは不明。肉眼で確認することはできない。

 しかも最悪なことにここでもノロノロ運転が続き、アイドリングストップができなかったのである。

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「頼むよ~、何やってんだよ~」

 と、苛立ちを隠さない。それはそうだろう。あと一目盛り残ってはいるものの、437kmを走行しているのだ。普段の生活なら、とっくに給油している距離である。そして残された燃料で埼玉まで、150km以上の距離を高速道路を利用して帰還しなければならないのだ。上信越道は起伏が激しいので、東北道よりも激しい燃料消費が予想された。

 しばらくして、対向車が次々とやってきた。どうやら交互通行らしい。
 「工事か......?」

 ノロノロ走行も一時止まっているので、ここでアイドリングストップを敢行する。20秒以上の停止では、アイドリングをストップさせた方が効果が高く、これまでも忠実に実施してきた。

 停止すると全くと言って良いほど車内に風が入らず、室温も急激に上昇する。もう6時をまわったとは言え、西日が車内に照りつける。

 「あちぃ~、やってらんね~。何分停まってんだよォ~」

 何度、エアコンをつけたいという欲望 -否、生命維持のための「本能」と言っても良い- と闘ったことだろう。そしてその欲求は、今までの中で最高に強くドクターうるふを誘惑している。

 「少しくらい、良いんじゃないか?」

 と、思ったその時である。

「おっ、動いた!」

 エンジン始動。ほとんど同時に走り出す180SX。車内に風が吹き込んでくる。決して涼風とは言いがたいが、このときのドクターうるふを感動させるには十分であった。

「おおー、いいねぇー」

 通り過ぎてみると、やはり工事だった。交差点のど真ん中を掘り返しており、三方向からの車を交互通行させていたのだ。

 このあともそれなりに渋滞したが、ここほどひどいものはなかった。時刻は18:20。上田城の駐車場に入れるか不安だったが、ちゃんと開いていた。

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 駐車場に停まって感動の撮影をし、一杯になったザウルスのデータをC1に転送する。時刻は18:35、現在の走行距離は443.5km。燃料計はちょうど最後の1目盛りだった。

 「あと150kmくらいか......。多分走れると思うけどね。でもリッター13km目指すならギリギリじゃあダメ。少し(ガソリンが)残ってなくちゃぁ。600km走って、50リットル給油でリッター12kmだからね。家まではちょうど600kmくらいだろうけど、50以上入っちゃったらリッター11kmになっちゃう。」

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 上田城から上田菅平ICまでは約15分を要した。ちょうど19:00に上田菅平ICに入った。

 予想通り、高速道路は上り下りが激しかった。て言うか、登りばっかりだった気がする。更に良くなかったのは対面通行で車線が1つしかないことだ。僕は80kmを維持して走行したいのだが、後続車がそれを許してくれない。
 僕の勝手な理由で後続車に迷惑をかけるわけには行かないので、4速4,000回転で常識的と思われる時速100km程度に速度を上げる。

 しかし、後続のトラックはそれでも許してくれない。ピッタリ後ろをつけて蛇行運転を始めた。電光掲示式の制限速度は70kmの表示。

「おいおい、制限速度は70km/hだっつってるよ~」

 などと言ってみるのだが、当然聞こえるはずもない。ノロノロ走ってるのなら分かるが、制限速度を30km/hも超えて走っているのである。何をあおられる理由があるのだろうか。

 "追い越し車線あと2km"の標識が出ると、道幅が広くなってきた。すると。

 まだ2車線になりきらぬ走行禁止の白い斜線部分に侵入して、そこから僕の180SXを抜かしてゆくではないか。しかも追い越し開始から終了までの間、ご丁寧にもクラクションを鳴らしつづけ、幅寄せまでされた。

 "テメェのせいで遅くなったんだよ"と言うのを最大限に伝えようというのであろう。繰り替えすが、制限速度30km/hオーバーでの走行なのに、である。

「あああああああ!もう、全開くれてェ~、
あんなバカ、一瞬で追い越してやりてェ!!」

 絶叫......である。ムリもない。既に14時間、ほとんどぶっ通しで車を運転しているのだから。しかも、足の裏のわずか数mmの力の入れ加減で効率的に、前後の状況を加味しつつ、最高の状態を選びながらここまで来たのである。人間の限界を超えた挑戦になっているのだ。

 この車が遅いのならいい。本来の性能を行使せずにここまで来た、その気になればこんなカス野郎は一瞬でミラーの奥に消し去れるはず。しかし、ここまでの積み重ねが無駄になるからそれはできぬ。

 持てる力を解き放てず、ドンガメ車扱いをされたことが、苛立ちを更に助長させる。

「まだ軽井沢かよ~、速く走りてぇ......。全開くれてェ......」

 こうなるとまるで亡者である。そういいつつも登坂車線があるとすかさず入って80km/hに落とす。信越道をこれほど長く感じたことがあろうか。速度が遅いこともあるが、上田で気分的にゴールのような気になってしまったのが、長さを一層強く感じさせている。

「疲れたァ......、足痛ェ......、腰痛ェ......、」

 と、内装のない180SXの車内ではロードノイズのかき消され、ほとんど聞き取れないほどの消え入るような声で言ったかと思うと、

「全開で走りたーい!!」

 と、絶叫する。完全に極限状態だ。

 しかし、挙動は狂人じみていながらも、その走行は着実に燃費走行を続けるドクターうるふ。松井田妙義ICで入ってきたトラックがちょうど時速80kmくらいで走行していたのに目をつけ、その後ろにつく。少しでも空気抵抗を軽減させようという作戦だ。

「ずっと探してたんだよ、いい速度で編隊組んでくれるヤツをさ......」

 ドクターうるふに拠ればトラックの後ろにつくと、足の裏の感覚でわずかではあるが、アクセルを緩められるという。既に辺りは暗くなり、さすがにリトラクタブルライトも上げ、前照灯を点灯している。この方法の恩恵は大きい。で少しでも燃費が稼げれば...。まさにできることは何でもすると言ったところか。

 20:11、埼玉県に入る。

「埼玉県、入りましたぁ!
来た、来た、来た!来ちゃったよォ!」

 怒りとストレスと疲れと。それらが混然一体となった精神にまとわりつくヘドロを、喜びに変換して口から吐き出した絶叫。

 燃料の残りはラスト1目盛りの半分しかない。前を走るトラックが上里SAに入ったので、ドクターうるふも入ることにする。

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 ここが最後の休憩になるだろう。入念にストレッチをこなすドクターうるふ。

 本部で待機しているゆみごん社長とピパ子氏に連絡を入れる。予想よりはるかに早く到着しそうなので驚いていた様子だった。

 「途中給油にはならずに済みそうだ。問題は燃費だけ。」

 そう言い残し、上里SAを出発。このあと花園ICから降りてゲリラボ本部へと向かう。

 さあ、果たして燃費はいくつだったのか?感動の給油、そして驚くべき結果が明らかになる!


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【長野県へ】

 取り立てて大きなトラブルは発生しなかったものの、六合村までの行程は距離が長く、気温の上昇もピークであった。疲労は一気に増し、体は汗だらけであった。道の駅「六合」に併設された観光物産センターのトイレで手と顔を洗わせてもらう。時刻は既に15:30。

 「つっかれたよなぁ......、実験じゃない、バトルだよ、これはもう。」

 と、つぶやくドクターうるふ。

 「もう、右足のかかとが痛くてしょうがない。足の重さをずっと支えてるでしょ。こういうのって、一度気になっちゃうともうどうしようもないんだよね」

 更にその後、道の駅「草津運動茶屋公園」でも、同様に......否、今度は足までも洗っている。サンダルなればこそなせるワザであるが、その様は怪しさを通り越えて危険を感じるほどである。

 「見てよ、あのキレイなネェちゃん。せめて見える範囲くらい洗っとかないと、恥ずかしくって話もできないよ。」

 と言いながら受付の女性に近づくドクターうるふ。おもむろにステッカーを購入している。彼なりに身だしなみを整えたつもりらしいが、足まで洗ってしまったので、濡れたサンダルからはブジュブジュと不快な音をさせている。

 「あのネェちゃん、オレのワイルドさにうっとりしてたゼ。ま、オレも実験の成功を目前にして、態度に余裕があったっていうのもあるけどね。そういうところから、安心感っていうのかな、そういうのを感じ取ってもらえたんじゃないの?」

 どこをどう間違っても、「安心感」だけは無いはずだと強く思うのである。ドクターうるふは自分がいかに怪しい風体であるかを全く理解していない様子である。

 草津を出発した頃は既に16:00を回っていたが、Navin'youの18時間と言う予想よりはるかに速いペースのはずだ。

 この快挙に、ドクターうるふの頭には一つの考えが浮かんでいた。

 「日があるうちに、高速に乗りたい......」

 このことであった。今朝の東北自動車道で、高速走行がどれほど燃費走行を阻害するものかを痛感したドクターうるふは、空気抵抗の増すリトラクタライトを開けたくなかったのだ。当初諦めていたのだが、「このペースならいける......」と思ったのだろう。

 「リトラクタ開けたら、空気抵抗が増すじゃない。通常走行ならまだしも、速度が上がれば空気抵抗はどんどん大きくなるからね。普段は気付かなかったけど、こういう運転をすると、高速走行時の空気抵抗の大きさが良く分かるよ」

 長野原町の浅間酒造観光センター、嬬恋村の浅間ハイランドパーク前を駆け抜け、ドクターうるふは軽井沢町へと入った。7時間ほど滞在した群馬県ともここでお別れである。
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 エンジンブレーキと足ブレーキを上手に使い分け、速度を維持しつつ峠を駆け下りるドクターうるふ。

 「たぶん、600km走れちゃうと思うんだけどさ、こう言うのはむしろ、日頃ガソリンまいて走るような走り方してるヤツらじゃなくちゃ出せない数字だと思うよ。やりたいことはその逆だから。」

 走りも軽けりゃ、舌もご機嫌なようである。

 既に5時を過ぎた。チェックポイントは全て営業時間を終了したと思われので、ドクターうるふは「日のあるうちに高速に乗りたい」という作戦を実行に移すため、国道18号には出ず、浅間サンラインをたどることにした。

 146号から国道18号を経由しないで浅間サンラインに出るためには、別荘地を通過しなければならないが、このあたりの地理にはめっぽう詳しいドクターうるふである。

 「ゆみごん社長もピパ子氏も、軽井沢が好きでね。でも夏場はどうしても混むでしょ。だからこう言う所を通るわけ。覚えちゃうんだよね、何度も通ってると。でさ、慣れてくるとこっちの方が良くなっちゃうの。カンカン照りで信号がいっぱいの18号より、木漏れ日の中の静かな別荘地を通った方が楽だし。」

 と、スマートキャプチャのシャッターを切る......。すると。

「あれ......?」

 おびただしい数のユーザーズポイント。しかし、同じ写真が複数のポイントに登録されるトラブルのため、全く意味がなくなってしまった。 突然の、頼りない声。
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「この写真、今の場所じゃないぞ?」

 なるほど、これはまぎれもなく、高速道路上の写真である。シャッターを切ること既に50ヶ所を超えている。当然、それだけユーザーズポイントとして登録されるのだが、ポイントの位置情報は合っているものの、写真の種類は10種類くらいしかなく、違うポイントでも同じ写真が表示されたりして、全く使い物にならない。

「なんで?!」

ドクターうるふの怒りはおさまらない。これでは地点情報、時間と同期した写真が得られないではないか。運転しながらザウルスで写真をとることは不可能だ。パソコンが占有しているので、電源もない。

「何なんだよォ、おめェはよォ!」

 ところが。泣きっ面にハチとはこのことか。事態の改善を図り、エクスプローラーを立ち上げた瞬間、

システムリソースが極端に減少しています。次のアプリケーションを終了しますか?

アドレスキャッチャー

[はい]         [いいえ]
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 などという、白いウィンドウが現れた。アドレスキャッチャーなどの不要なアプリケーションをここで終了させたが、動作は不安定のまま、やがて全てのキー操作を受け付けなくなってしまった。C1の電源を強制的に落とし、とりあえず停車できる場所を探す。これにより、ここまでの走行パスは全て消去された。

 あと1目盛りを残し、走行距離は415km。通常なら、給油している走行距離だ。 別荘地を抜け、浅間サンラインに突入した。路肩に180SXを停める。原因はおそらく走行パスの記録量が多すぎてリソースを食ってしまったのだろうが、C1の冷却、Windowsの再起動など、今まで効果のあったことを全て実施し、再起動後は不要なアプリケーションを終了させる。
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 この時点で走行距離は415kmに達していたが、燃料計はあと1目盛り以上の残りを示している。浅間山を背景に写真を撮影(上)し、このまま上田まで浅間サンラインを通って行くことにする。時刻は5:27、何とか日のあるうちに上田に到着できそうである。

 浅間サンラインは予想通り、順調に流れていた。国道18号であったら、こうは行くまい。御代田から佐久まで一気に下る道は魅力的だが、小諸から再び登りになるし、南の佐久を経由する分、そっちの方が遠回りになる。

 そして。

「上田、入りましたよォ!」

 ロマンチック街道27個目の市町村、上田市に入ったのは17:50であった。この実験も終盤に差し掛かる。最終チェックポイントは当然、上田城。そこまでは、距離にして約8kmであった。

 しかし、このあと、衝撃の事件が待ち受けていたのだった!!

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 いろは坂手前で渋滞にかかったドクターうるふ。
 この渋滞が最悪だったのは、ロクにアイドリングストップができなかった点にある。

 どうやら、土砂崩れによって第二いろは坂が完全にふさがれてしまったらしく、下り専用の第一いろは坂を交互通行にしているようだ。しかも交互通行は部分的ではなく、第一いろは全行程を交互通行にしているらしい。従って、上で待っている車が完全に降り切ってからこっちが登れるのだ。

 待ち時間の長さにシビレを切らせて脱落する車は後を絶たない。車は断続的に前進し、アイドリングストップができない。

 しかし、幸いなことにドクターうるふが登る番は思ったよりも早くやってきた。まだ、20分程度しか待っていないはずである。
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 看板はみんな裏側を見せている。本来下り専用のはずの第一いろはを登っている貴重な瞬間だ。

 先頭にトラックがいるようだ。異様に遅い。勾配もカーブもきつい第一いろは坂は4t以下のトラックと言えどもかなり難儀するようだ。

 平均速度はほとんど時速20km程度であったろう。途中、停止することもしばしば。このルートを上下線で利用していた頃は、さぞ渋滞もひどかったに違いない。

 さて、この急勾配を遅い速度で登ると言うのは、予想以上に燃料を消費する作業であった。ストップアンドゴーを何度も重ねつつ、いろは坂を登り切った。華厳の滝駐車場に差し掛かったときには、既にいろは坂を下ろうと言う車の行列が中禅寺湖の遊覧船乗り場付近にまで達していた。

 再び車は順調に走行する。渋滞の問題も去ったので、ここで再度ナビの復旧作業にかかることにする。中禅寺湖畔、菖蒲ヶ浜付近の無料駐車場に車を入れた。

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 「通信できないんじゃ、衛星の情報が来るわけないよな。」

 ドアを開けると涼しい風が車内に入ってくる。燃費走行のため、エアコンを使用しないのは当然で、空気抵抗も考え、窓すら開けずにここまでやってきたのだ。まるでサウナから出た時のようであった。

 Windowsを再起動し、今度は同時にGPSアンテナも初期化する。

 画面は先程と変わらぬ「衛星探索中」という表示が右下に出たままである。ここから10分走行して再び様子を確認する。外気の冷たさを知ってしまったドクターうるふはもう、窓を閉めて走行することはできない体になっていた。助手席側の窓を全開にして運転再開。

 竜頭の滝を過ぎ、戦場ヶ原に入った。視界が開け、アンテナを遮るものは何一つない。すると?!

 衛星を2個だけ、補足したのである。これでは現在位置の測位は出来ないが、アンテナが動作していることは確認できた。

「もしかして、熱かぁ?!」

 確かに、C1の画面の裏側は素手では触れないほどに熱くなっている。閉め切った温室のような中での使用、更にC1のある位置は直射日光にさらされる場所である。助手席側の窓を開けたことで、少し緩和されたのかもしれない。

 外気送風をフロントガラスに当てる方向にする。これでC1の画面裏側に風が当たるようになった。

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 湯ノ湖を過ぎたあたりで再び車を停め、VAIO-C1を外に出す。C1本体を冷却すると共に、アンテナを室外に出し、一気に受信してしまおうと言う考えだ。一旦受信してしまえば、その後は比較的安定する。ドクターうるふは、この作戦に、賭けた。

 すると......待つこと5分、ついに3つの衛星を捉えたではないか。

「来たァ!
来た、来た、来たァ!」

 エンジン始動。今度は送風の出口をC1の画面裏に強烈に当てて対策する。もうすぐ金精峠、これを抜ければ群馬県だ。......と思ったその時。

ピピッ......。

 と言う音と共に、青い画面に変わり、C1が現在の状態をハードディスクに記録し始めた。この現象は、電池の充電が著しく低下した時に、発生する。

「インバーターの電源、入れるの忘れてた!」

 いまさら気付いてももう遅い。C1の電源は切れ、同時にGPSアンテナの電源も切れた。これで、ふりだしに戻る、である。

「せっかく受信し始めたのに......!」

 このトラブルの発端、先程の大谷資料館と同じ、いや、それよりひどい状態になった。絶望と共に180SXは金精峠トンネルに突入する。

 トンネル内でインバーターの電源をONにし、C1に電源が供給される状態にして再び起動。C1は先程記録した情報を再びメモリに読み込み始める。

 「頼むよォ~......」情けない声のドクターうるふである。

 そして。

 GPSのアンテナもピピッと鳴って、受信を開始したではないか。

 その瞬間、トンネルを抜け、群馬県に入った。2個、3個......。アンテナはすぐに衛星を補足した。トンネルから出てわずか1分で4つの衛星を補足し、Navin'youは3D測位を始めた。

 そしてここからは快挙の連続であった。

 まず、前走車がいない。道は全て下り。ドクターうるふはギアをニュートラルにし、惰性走行で坂を下る。減速が必要な場合は、エンジンブレーキを優先させる。

 「基本はエンジンブレーキ。充電もできるし。インバーターからパソコンの電源取ってんだから。」

「たのしー!」

 車内を駆け巡る涼風も心地よい。菅沼付近まで快調に下りきり、丸沼までのわずかな登りでアクセルを踏んだものの、丸沼からは再び下りセクション。途中、観光バスの後ろにつくまで、ほとんどアクセルなしで白根温泉付近まで来てしまった。

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 ここのあたりからはドクターうるふも良く知った道である。片品、利根、白沢、沼田とチェックポイントを通過し、同時にロマンチック街道ステッカーラリーのステッカーも購入する。

 このあたりは道に迷うどころか、Navin'youが指定しないようなマイナー道路を利用してショートカットなどのワザも披露する。

 そして、その後到着した道の駅「川場田園プラザ」では......

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「きっ、貴様は、プリウス!!」

 この勝負は「プリウスに勝てるか?!」を掲げている。その宿敵とこの実験中に対面してしまうとは。最近新しくなってまた1km燃費が良くなったと聞くが、180SXとて、負けては居られぬ。

 決意も新たに川場田園プラザを出発したのは既に11時半。出発してから、5時間半が経過していた。

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 この後は昭和町の総合福祉センターがチェックポイントとなっている。このあたりはチェックポイントが密集しており、やけにエンジン停止の回数が増えてしまったことを後悔する。別にステッカーなど買う必要はないのでは......?ドクターうるふの頭に迷いが生まれる。

 そのため、次の月夜野町のチェックポイント、月夜野びーどろパークは水上までの通過点でもあるため、寄らずに前を通過するのみとした。

 12時を過ぎたので、コンビニで停車して、少量の昼食を取る。もちろん重量の増加を嫌ってのことだ。食事はコンビニの駐車場で即座に完了させ、ゴミはその場でゴミ箱に入れさせていただくことにする。これも、少しでも重量を稼ぐための手段である。

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 このあたりで新たな問題が発生した。室内温度の上昇に絶えられなったのである。パソコンではない。ドクターうるふ自身がである。

 これまでは比較的標高の高いところを走行していたこともあって、助手席側の窓だけ開いていれば耐えられたのだが......。C1のこともあるし、運転席側のドアも空け、室内温度を下げることにする。

 道の駅「水上水紀行館」に到着したのは12:40であった。ステッカーを購入しようとしたが、昼休み中だったのか、インフォメーションが居なかったので写真のみ撮影して出発する。

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 途中何度か道を間違えるも、途中、新治村・「たくみの里」、高山村「高山温泉・ふれあいプラザ」(休業中だった)、東村「あづま桔梗館」を通過。伊香保の温泉街が見えた頃、燃料計はちょうど半分に達する。走行距離は312km。この倍走るとすれば600km、かなりの好成績だ。

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「もらったでしょう、この勝負は」

 ドクターうるふ、行程半ばにして早くも勝利宣言である。伊香保からの下りは榛名山2コーナーから右に折れる道を選択する。

 「こっちの方が車が少ないしね。惰性走行で90km/hは出せるよ。」

 このあたりは地理に明るい。道幅も広く走りやすい上に、歩行者もいない。

 吾妻側を再び北西へ走り、180SXはチェックポイントである吾妻町・JAあがつま、中之条町・薬王園を経由して六合村へ向かう。

「あちぃ~......」

 沢渡温泉を過ぎ、暮坂峠までの道はカーブも急で、効率的な運転ができず、必要以上に神経を使う。しかも気温の上昇はドクターうるふの体力を容赦なく奪い、VAIO-C1を誤動作させ、運転のミスを誘う。

 さらにこの後、ドクターうるふに追い討ちをかけるようなとんでもない事件がふりかかるのである!


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「ハイオク満タン入りました、
ありがとうございまーす!」

 全てはこの瞬間から始まる。明日はスタンドが開店するよりも早く出発するため、前日のうちにガソリンを満タンにしておいたのだ。スタンドを出てから、燃費走行でゲリラボ本部まで帰る。

【コース・使用車解説】

「このコースで、行こうと思う」

ドクターうるふが示したのは上のようなものだった。昨年、合計6日間をかけて走破したロマンチック街道であった。

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「ちょっと、これ、長過ぎない?!」

 ゆみごん社長も動揺を隠せない。しかし、ドクターうるふは

 「このくらいじゃなきゃ、ダメだ」

 と、意に介さない。

 彼が示したコースは、ゲリラボ本部を出発し、日本ロマンチック街道の全市町村を全て通過して帰還すると言うもので、Navin'youによれば、その距離584km、時間にして18時間51分を要する。コースは各市町村に経由地を設定して探索し、経由地は毎年行われる「日本ロマンチック街道ステッカーラリー」のチェックポイントを参考にした。

 当然、今回はステッカーを買ったりはしない。ただ、街乗り、山道、高速道路と、一通り組み入れたという理由だ。
 ただ、燃費走行が目的のため、道に迷った場合は、このルートは変更しても構わない。

 帰還後、再び満タンにして走行距離に対し、どれだけガソリンが入ったかで燃費を割り出す。今回のコースであれば、50リットルの消費でリッター12km/lを出せば600km走行できるので、無給油で帰還できる計算になる。当然、これほどの距離を無給油で走行したことはない。
 なお、コース途中でガス欠になりそうな場合は途中で給油し、その時点の燃費を実験結果とする。が、完走できないと言うことは燃費も悪いはずなので、記録的な燃費はその時点で望めない、と言うことになる。

使用する180SXのスペックは以下の通り。
・日産180SX(平成5年式)
・エンジン形式:SR20DET(2000㏄ターボ、205馬力)
・車体重量:1410kg(車検証による)
・TRUSTエアインクス、ブリッツのマフラー、カヤバクライムギア+TEIN S・TECH
・タイヤ:ダンロップ・FORMULA FM901 205/50R15(ノーマルからのサイズ変更なし)

取材道具も紹介しておく。
・カメラ:SHARPパワーザウルスMI-506、
・ナビゲーション:SONY製ノートパソコンVAIO-C1+ナビゲーションソフトNavin'you4.5



【栃木エリア】

 翌朝。レースカーのような車内はたった一人で600kmを走行するには寂し過ぎるものだった。持ち物は最低限の金銭と、非常用の携帯電話、取材道具のみ。テンパータイヤ、ジャッキ、車載工具も全て降ろしての実験。例えパンクであっても自走帰宅は出来ない。

 緊急時に車中泊する可能性もあるため夏用の寝袋(約900g)を積み込む。これは、内装を全て取り払った180SXはリアウィンドウに激しく映り込みしてしまうが、トランク部分に敷くことで映り込みを防ぐ為にも使用する。

 なお、服装はTシャツにハーフパンツとかかとまでホールドしてくれるサンダルで靴下も履いていない。パンツも履かなくていいかと思ったが、そこまでは止めておいた。

 6:00。ゲリラボ本部を出発。SONY製ナビゲーションソフト「Navin'you」をVAIO C1のカメラを利用したスマートキャプチャと接続させる。これで、ある地点でシャッターボタンを押せば、位置情報と共に写真が地図上に配置される。

 およそ16kmを走行し、6:30、羽生ICから高速道路に入る。
 急激な軽量化のためにクラッチミートの位置が若干変わっていたが、この頃には完全にアジャストしていた。

 6:33、群馬県に入り、38分には栃木県入りした。
 この日の高速道路は車はあったものの、順調に流れていた。4速3,000回転で時速約80km。この状態をキープすると、吸気圧は400~500mm/Hgで済む。5速に入れてしまうとその吸気圧は維持できない。ところが、負荷の低い下りはギア比の関係で5速に入れた方が低い吸気圧で走行できる。僕は上りと下りの微妙な勾配を判断してギアを選択していった。

 鹿沼ICに到着したのは7:06であった。最初のチェックポイント、大谷資料館へと向かう。しかし......。

「何だよ、この道はよ~」

 大谷資料館入り口の駐車場にて。ここでナビの受信を一旦停止した後、トラブルは発生した。
 とんでもない細い道&曲がり角の連発。Navin'youは時たま、こうした道を指定してくれる。道が細いのはまだ許すが、曲がり角が多いとそれだけ燃費走行にはマイナスとなる加速・減速・発進を繰り返さなければならない。
 格闘すること約20分、間違いを繰り返しつつも何とか大谷資料館前に到達した。

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 大谷資料館では日本ロマンチック街道宇都宮市のチェックポイントとなっており、ステッカーも売っているが、残念ながらまだ営業時間前である。写真撮影だけで出発する。

 エンジンを始動し、スタンバイにしたC1を再び起動する。同時にGPSアンテナもピーッと鳴って起動。

 ......ところが。である。走行を始めたはいいが、USB接続のアンテナが現在位置を示さない。初めて買った時は自分の位置を探し出すのに10分以上かかった。今回もそのくらいかかってしまうのか......?しかし、待てど暮らせど、現在位置を指し示すことはなかった。仕方なく手動で地図をスクロールさせる、という作業に追われる。そうしたゴタゴタの中で僕は鹿沼市のチェックポイントへの道を見逃してしまう。ICから降りた時点で既に鹿沼市は通っているが、せめてチェックポイントの前くらい通過したかった。

 やがて、今市市の市緑ひろば前。8:00くらいだったはずだが、ナビが衛星を補足していないため記録がない。こちらも営業時間前なので通過する。

 今市市の中心部を過ぎると杉並木の道である。この並木道はNavin'you3.5の車外装着GPSアンテナの頃から衛星を補足できなかった場所だ。車内設置のアンテナでは更に困難であろう。

 とうとう、国道119号の終点、日光市の神橋まで達するが状況は全く打開されない。これは単に衛星を補足できないのではなさそうだ。左折してロマンチック街道のメインストリート、国道120号に入る。

 するとそこは渋滞。東照宮が近いせいか?

 「月曜から観光か~?」

 分かっていてもショックは隠せない。アイドリングで待つにせよ、アイドリングストップしたにせよ、余計な燃料を消費することには変わりない。しかも今日は信号3回ほど待たされそうである。

 と、その時!前を走っていたトラックが国道120号を逸れ、大谷川沿いの脇道を左に入っていったのだ。

「あれは知ってるヤツの入り方だぜィ!」

 そう、このトラックの迷いのない突入。裏道を知る者と見込んで、後をつけようというのである。
 果たして。やはり彼は道を知っていた。あっけなく信号を回避した。
 ところがドクターうるふは途中で車を路肩に停め、エンジンを切ってしまった。何をしようというのか。

 「ナビが動かないんじゃ、どうしようもないでしょう。これ使わないんだったら、軽量化のために持ってこなけりゃ良かったってことになる。この成果を、いかに正確に伝えられなきゃ意味がないから、車載工具は捨てたけど取材道具は積んで来たんだよ。動いてくんなきゃ困るわけ。」

 と言いつつ、Windowsを再起動している。再度Navin'youを立ち上げ、GPSの受信を開始。ピーッという音は今度もちゃんとした。

 「これで動いてくれよ。いろは(いろは坂)はナビ付きで上がりたいんだよ......」
 エンジン始動とほとんど同時に発進。いろは坂に向かう。

 ドクターうるふがこれほどまでにナビにこだわるのは、彼が道を知らないからではない。正確な時刻と位置をログとして記録したいからだ。
 更に、VAIO C1のシャッターを押せば、位置情報と共に画像データも記録される。これらが正常に作動して、ドクターうるふは実験+取材を一人でこなすことができるのだ。
 時間と現在位置と写真を手動で紐づけることは、ハッキリ言って不可能。実験は成功しても、そ信憑性の低い報告になってしまう。

 しかし......である。またしてもナビは衛星を捉えてくれなかった。いろは坂はすぐそこまで迫っている。

 ナビの問題が解決しないまま再び車が渋滞し始めた。先程の神橋前のような甘い渋滞ではなさそうだ。こんな所には脇道もない。
 しかし、ドクターうるふはこれをチャンスとばかりにGPS受信を一時停止し、アンテナの初期化を行うことにする。以前、ナビが正確な位置を示さなかった時にはこの方法で復活させた経験がある。

 ナビを初期化している最中、赤い棒を持った人が車を停めている様子が遥か先に看て取れた。

「検問か?!」

 既に2回検挙され、警察に対し計89,000円という多額の寄付をしているドクターうるふは、回転灯や赤い棒に異常に過敏に反応する体になっていた。

 「ベルト、よーし。速度、よーし。免許、よーし、メガネ、よーし」

 検問がある場合、この4点を指差し・声がけ確認する。4点の中で最も危険なのが速度であるが、今回は既に渋滞しているので問題ない。

「酒。もちろん飲んでないからよーし...。
あ?!」

 ふと、気がついたのである。乗車定員4名の車に乗車装置が、ない。

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「この車内は、ヤベェわなぁ......!」

 このことであった。

 「ゲリラ実験室つっても、知らねぇだろうしなぁ......」

 しかし、すぐにそれが警察官でないことに気付く。警官よりも服の色が若干明るいようだ。それと共に、左側に看板が現れた。

「いろは坂土砂崩れにつき、
大型車は通行できません」

 程なくして、Uターンをする車が発生しだした。それほどまでに深刻なのか?
 すると、その交通整理の人がやってきて「窓を開けてください」と要求してくる。窓は開かないのでドアを開ける。怪訝そうな顔をしながらも、こう言うではないか。

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 「現在いろは坂は土砂崩れで通行が困難になっています。通過には1時間かかるとお考え下さい。現場では作業員の指示に従ってください。」

 と、続ける。それにしても1時間とは......。

 このことを聞いて、更にUターンを敢行する車が増えた。

 どうするか?1時間の渋滞では、記録的な燃費は絶望的だ。迂回して赤城山の南を回り、沼田からコースに復帰するか......?
 しかし報告では「日本ロマンチック街道を600kmを走破」と言った方が分かりやすい。そう言いたければ、利根沼田エリアをパスするわけには行かない......。

「上等じゃねぇか。
突っ込んでやるよ、
1時間の渋滞によォ」

 と、完全に闘志を燃やしてしまっている。本当に大丈夫なのか?!


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2020年6月、さらに軽量のロータスエリーゼで再実験した様子を動画で公開!
ゲリラ実験室MISSION11







「ムリだぜ、今回のは。」

 いつになく自信のないドクターうるふである。

 「プリウス相手に燃費対決なんて。それはさすがに...敵うワケがねぇ。」

 ゲリラボ実験内容の検討会議での発言。どんな不利な勝負でも常に自信のある姿を見せ続けたうるふであったが、さすがに今回は乗り気ではない。

 「いいじゃん。それなりの結果が出れば。こっちはスポーツカー、向こうは燃費だけの車じゃん。その辺は加味して結果を受け止めてもらえるよ」

 と、冷静なゆみごん社長。この人物、他人事にはいやにクールな分析を見せる。

 「オレはその"それなりの結果"って言うのが嫌なんだよ!」ドクターうるふは席を立ってしまった。

 長期実験中の項目に差し替えも考えたが、まだ、完全な結果を得られておらず、発表の段階ではない。今回はとにかく燃費対決で行くしかないのである。

 「ちょっとぉ。結果がどうでも実験はするって 「ゲリラボとは」 にも書いたでしょ!」

 今回は、ドクターうるふの説得から開始せねばならないようだ。



 ドクターうるふは考えていた。

 スポーツカーは根本的に燃費が悪いものだ。パワーを出すために、シリンダー内にどれだけ多くの燃料と空気を入れられるかが勝負の車である。それでも180SXの燃費は通常走行で9。パワーと燃費を両立した、すばらしいラインであると思う。ただ、最近出てきた20km/lを超えるような車と張り合うというのは畑違いもいいところだ。技術の差がもろに出てしまう部分で、最新の車との勝負など、成立するのか......。

 今までの燃費の最高が12.021km/l。金沢から深夜のノンストップ走行で叩き出した、たった1度の値だ。たとえば奇跡的にもう一度これが出たとして、

 180SXで燃費12km/l。

 なんて結果でいいのか。こんな結果を公開して燃費20km/lを超えるプリウスと戦ったことになるのか。なるわけがない。だいたい35km/lも走るインサイトなんてのも出てきやがった。今時、リッター12kmなんて誰も驚きはしまい。「今更何言ってんだ、コイツ」となるのがオチである。

 それがドクターうるふには耐えられなかった。

 翌日。一人になって考え、気分も落ち着いたのか、ドクターうるふも話し合いの席に再びついた。

 「見てよ。あの後ちょっと調べてみたんだけど......。」

 ゆみごん社長が提示したのはプリウスが北米大陸を横断したときのものである。この車は1999年の東京モーターショーにも展示されていた。トータルの燃費は16.8km/l。20km/l台ではない。

 「更にさ......。」

 まだ、あるようである。

 「プリウスオーナーのページを見つけたんだけど......。」

 ゆみごん社長の愛機、VAIO737の画面にはオフラインでWebページが表示された。既に旧型のVAIOだが、買い換えるつもりはないと言い張っている。

 「12km/lくらいの報告もあるんだよね。14,15レベルはザラ。そのページによると初期不良も出てるらしいし、やっぱり、20km/l以上って言うのはプリウスと言えどもある程度気を使わないと出ない数字みたいだよ。」

 ドクターうるふの沈黙は続く。じっと見守るゆみごん社長。少しして、ドクターうるふは立ち上がった。

 「180SXのオイルを替えるぞ。要らないものは徹底的に下ろして最軽量状態にするんだ。」

 「やるのね?」

 「絶対に勝てない相手に挑むってのも、悪いもんじゃない。できれば、少しはプリウスをヒヤリとさせてやりてぇもんだな...!」


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パワー志向のスポーツカー180SXで、
エコロジー燃費走行は可能なのか?!
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180SXの究極の燃費
と言うフロンティアを
オレは見たいんだ。

エコロジーの代名詞、プリウスを相手に無謀な挑戦、一人旅。


埼玉県ゲリラボ本部を出発、
日本ロマンチック街道・全市町村を通過し、
無事帰還できるのか?!

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「このコースで、行こうと思う」
「ちょっとこれ、長過ぎない?!」

全行程約600km。走破予想時間は19時間。
これをドクターうるふたった一人で実験!


究極の燃費走行とそれを阻む数々のトラブル!
予想を越えた過酷な闘い。
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「通過には1時間かかる
とお考え下さい」
「ああああああ!
全開で走りたーい!」


完熟走行で培った技術もことごとく打ち砕かれるドクターうるふ。
エアコンなしの炎天下。極限の精神状態に!


出るのか?!究極の燃費?!

ゲリラ実験室、MISSION5。




2020年6月、さらに軽量のロータスエリーゼで再実験した様子を動画で公開!
ゲリラ実験室MISSION11

 いつもご覧頂き、読者の皆様には感謝申し上げます。

 さて、である。

 この度、うるふの怪しいホームページはついにスマホ対応になった。

 実は、このサイトもドメイン取得してバタバタでMTで構築しはしたものの、MTの使い方も良く分からないまま、更新のしかただけとりあえず分かってて運営している、という体になり下がっていた。

 更新回数も2~3か月に1回と言う体たらくの時期を経て、2018年にYouTubeを始めると、やっぱりYouTube、Twitter、ブログの3本柱でやって行かないと、と思い直し、再開させて、書き方も改善した。

 Googleアドセンスも入れて、視聴者分析もできるようにして...。

 そこで初めて知った。誰も見てないのかと思ってたら、意外と見てもらっていること。

 そして、スマホユーザーが多いこと。

 しかし、スマホでこのサイトを見ると、もう、ありえないくらい字が小っちゃくて、拡大しないと読みづらい。

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「これじゃぁなぁ...」

 しかし、多くのユーザーはこれで見て下さっているのだ。

 なんとかせねば...。

 しかし、やり方は分からない。

 そこに来て、ゆみごん社長からの連絡である。ゲリラ実験室の撮影中に 「YouTube見た。音声ピンマイク使った方が良い」 とLINEでコメントが。マイクレビューのYouTube動画のリンクもついていた。

 そんなこんなでゆみごん社長との連絡が増え、今度はこのサイトの事について、 「スマホ対応した方が良いねー。」 とのこと。

 気にはなっていたがやり方が分からないと返すと、「スマホ対応は私に任せなさい!」という予想外の返事が。

 そして今日、1行のHTMLコードとCSSのファイルが届いた。これを既存のファイルと置き換え、ウェブサイトとブログのそれぞれの「HTMLヘッダー」の2行目にメール本文にベタ打ちされていた1行のHTMLコードを貼り付ける。

 これでOK。マジかよ?
 オレは大手術をしなければならないのかとばかり思っていたが、やっぱり知識があるってのは凄いのである。

 で、肝心のスマホ画面はどうなったかと言うと...。

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「おぉ!」

 これは実に見やすい。これならスマホでもストレスなく閲覧が可能だ。

 作業のやり方の指示と進行はLINEのトークで全て済ませた。スクリーンショットを画像で送ったりして、いやいや、なかなかスリリングな時間であった。

 ただ、ウェブサイトの作り方はある程度スマホ画面に変換されることも意識して作ると尚良さそうである。今後はスマホ画面も意識しながらブログを書いていきたい。

 新しくスマホ対応になった当サイトでお楽しみいただければありがたい。

ゆみごん社長に感謝。
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 とはいえ、今の自分の判断に自信を持てずにいることもまた、事実である。どんよりとした雲になだらかに上る薄くらい道。本当にこの180SXは国道18号へ向かっているのか。少しずつ、貴重な時間が経過して行く。

 と。ドクターうるふの前に、ひとつの橋が見えた。


「よっしゃ、18号だ。」
「出た?」

 頭上を越える大きな橋は、紛れもなく妙義山を見晴るかす国道18号であった。橋をくぐるとすぐに右折し、180SXは国道18号線に合流した。おぎのやまでは、そう遠くない。が。15時26分。

 「真子ちゃ~ん!」

 坂を駆け下りる180SX。上信越自動車道が見えてきた。信越本線の上を越え、上信越自動車道の下の「五料」交差点を通過する。

 「あー、オレの天使を地上から連れ去らないでくれ!」

 

 ............







 ............


 「つまり‥‥、そういうこと? あたしに‥女として魅力がないってこと?」

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 ............

 

 車が増えてきた。時速は60km。決して遅くはない。しかし、今のドクターうるふ、否、池谷先輩にとっては遅すぎる速度。

「 ゴメン‥‥   
  真子ちゃん 」

ぜつぼうだああ

 おぎのやの前の信号にかかり、真子ちゃんとの待ち合わせの駐車場に到着したのは出発から1時間3分後であった。

 真子ちゃんは、碓氷峠方面に去っている。ドクターうるふ駆る180SXと、すれ違うことすら、ない。

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「1時間は切れない......のか?」

 やはり、高速道路の方が速かった。わずか6分ではあるが、高速道路の方が速かったのである。ドクターうるふの予測は、またしても崩れ去った。


 「ダメぇ?ダメなの、これ?勝ってないの?」
 「ダメだ。やはり高速道路の方が速かった。残念だが......、それが今回の実験の全てだ。」

 ドクターうるふはきっぱりと言い切った。

 「高速の方が、あんなに遠回りなのに......。遅い車の後ろに着いたじゃん。池谷先輩は夜だからそんなに車、居ないでしょ。」
 「それ読者が判断する事だ。これは神様がくれたワンモアチャンスなんだ。もう一回はない。」

 と、ドクターうるふはゆみごん社長を制した。

 とはいえ、池谷先輩は渋滞に遭い、そこでタイムロスをしている。今回の実験の結果を踏まえて考えれば、渋滞に遭った池谷先輩よりは、確実に一般道の方が速かったことは明白である。

 結果から言えば、あの日あの時、池谷先輩は下から行けば真子ちゃんに会えた可能性は、きわめて高い。池谷先輩が到着する1分前まで、真子ちゃんはおぎのやで池谷先輩を待っていたのだ。この日池谷先輩がどれだけの時間をかけてここに到着したかは不明であるが、1時間3分で到着したのなら、池谷先輩は間違いなく真子ちゃんに会えていたはずである。無論、この道での渋滞など、ありえない。

 しかし、ゆみごん社長とドクターうるふがこれほどまでに通常の高速での所要時間を切る事にこだわったのは、池谷先輩の判断の正否を問いたかったのだ。

 店長に追い出されるようにして店を出た池谷先輩が、渋滞している事を知るすべはない。と、するならば、池谷先輩は通常の高速道路の所要時間と、一般道の所要時間でどちらの道を行くか、選ぶはずである。

 今回の実験で、わずか6分ではあるが高速道路の方が速くおぎのやに到達できる事が判明した。すなわち、店を出発した時点での池谷先輩の判断は、結論から照らし合わせるなら「正しかった」と言える。渋滞が発生したのは、運命の悪戯に過ぎない。

 「ただ -」

 180SXのキーを放り投げては取る、と言う動作を繰り返しながら、ドクターうるふはこう付け加える。

 「出発時の池谷先輩の判断が正しかったと言うのは実は正確ではない。なぜなら池谷先輩は「どんなにとばしても」1時間以上かかると言っている。しかし実はちょっと飛ばせば1時間を切れるんだ。池谷先輩がその事実を知った上で高速を選んだのであれば、それは判断としては正しいが、彼の中の判断材料は高速でも1時間以上かかる距離だったんだ、横川は。」

 ドクターうるふは立ちあがり、180SXの方へと歩き出した。

 「おそらく池谷先輩の中では「判断」と呼べるものはなかっただろう。行き方として知っていたのは高速だけだったんだ。それが彼の運命ってことさ。そして我々は、多くの読者が抱いたであろう、疑問にひとつの答えを出した。それだけのことだ。」
 「そんなぁ......。」

 「なに、きっと池谷先輩は別な形でチャンスが来るよ。オレ達がチャンスを与えようなんて、おこがましいってことさ。」

 ドクターうるふは再び180SXに乗り込んだ。また渋川に戻って、撮影し損ねた渋川の景色を撮るという。おぎのやの駐車場に、心地よいサウンドを残して、180SXは去って行った。

運命をかけた選択に、他人の考えを容れてはいけない。
池谷先輩は高速を行き、ドクターうるふは一般道を選んだ。
結果はどうあれ、信じる道を歩んだ結果なら、納得できる。







【ゲリラ実験室MISSION9】

CAST
   池谷先輩 : ドクターうるふ
真子ちゃん : ピパ子氏

写真に追記したセリフ、擬音はWindowsに付属の「ペイント」で根性で手書きしたものです。
原作からのコピーなどは一切行っておりません。


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【一般道】

「とりあえずハイオク満タン 入れてもらおうかな‥」
(14巻P18。‥の数まで合わせて言ったぜ......)

 「また言ってんのかよ。」
 「さっきとは変えたはずだぜ。」
 「啓介が涼介に変わっただけで、頭文字Dであることには変わりないじゃん。さっきも入れに来たし、絶対変だと思われてるよ。」

 ドクターうるふはそれには答えず、給油後、即座にエンジンをスタートさせた。
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 「行くぜ、一般道。スタートは15:30。
 ゆみごん社長も乗り出すようにして写真を撮る。正面には頭文字Dで何度となく登場しているジャスコが見えている。

 ドクターうるふは赤信号の虚を突いて、ガソリンスタンドから出てすぐに右、すなわち伊香保方面に向かった。

 「あれ、こっちなの?」

 「ああ。このまま少し登って、明保野と言う交差点を左に曲がるんだ。いくら池谷先輩が一般道を知らないからって、渋川と伊香保周辺くらいは知ってるだろ。このまま少し下りて(渋川駅方面へ行って)、すかいらーくの交差点から南下しても良いが、あそこは信号も多いし混むことを、池谷先輩は日ごろの行動で知っているんだ。」

 「あのすかいらーくも良く使ってるみたいだしね。」
 「そういうことだな。」
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 なお、一般道に関しては池谷先輩は道を知らないという想定で走るため、Navin'youは封印して走行する。上の写真のように画面を倒してドライバーからは見えないようにした。画面左上にGPSアンテナをクリップで挟んで装着していたのだが、こうするとその技が使えないので、ビニールテープで固定する。
 VAIO-C1側の赤いビニールテープは画面が閉まったときのロック部分である。走行時の振動で画面が閉まってしまうと、ロック部にあるボタンが押され、C1は電源を落としてしまう。それを防ぐための措置だ。

 Navin'youはドライバーに現在位置などの情報を伝えることなく、静かに走行パスだけを記録している。

 さて、そのドクターうるふであるが、明保野交差点への道もこの時間既に混雑しており、信号もタイミング悪く次々と180SXの足を止める。さらに悪いことには、軽自動車の後ろについてしまったことである。伊香保への道の急勾配を、軽自動車ではスムーズに登ることは出来ない。速度は遅々として上がらない。

 「大丈夫なの?この道。」
 「大丈夫だ。これ以外の道はない。」
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 そうは言いながらも動揺するドクターうるふ。ご丁寧に明保野交差点の信号にも先頭で掛かり、出発してから既に9分を要してしまった。高速所要時間の6分の1をここで使ってしまったのである。

 「だが、こっからは良い道だ。」

 確かに、道は良かった。が、一分一秒でも早く真子ちゃんの元に馳せ参じたいとアクセルを踏む仮想池谷先輩(ドクターうるふ)駆るシルビア(180SX)はすぐに先行車に追いついてしまう。

 遅くはない。いやむしろ彼らの走りも普通であれば速い方であろう。確実に制限速度をオーバーしている。が、このときの池谷先輩の置かれた状況ではこれでも

 「遅い......」

 はずである。榛名山(秋名山)の裾野の林の中を車は列になって走っていった。

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「何とかなんねェかな、この列は。」
「消えてくれることを祈るしかないね。」

 なお、この実験において、追越は一切していない。これは走る前からドクターうるふが決めていたことである。追い越しは危険な行為であることをドクターうるふは良く知っている。万一事故などが発生すれば、外部に漏れてはならない当集団の存在や実験内容の詳細が漏洩することになる。

 また、そんなことをしなくても一般道の方が早いのだと言う、ドクターうるふの自信もある。

 -池谷先輩、あなたが一般道を選んでいたなら、「安全運転で流れを乱さない」、真子ちゃんを横に乗せていたあのときの走りで真子ちゃんに会えたんですよ-

 ドクターうるふのメッセージだ。

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 途中、2台ほど前を走っていた白のマークIIが途中の路肩に入った。前走車が減ってほしいという願いが、まず一つ、届いた。

 しかし、その後信号にかかると、180SXの前に難題化のクルマが入ってきて、逆に前を走る車は増えてしまった。

 「やっぱ、一般道は、これがつらいな。」
 信号と他車。いくら急いでいても、これは如何ともし難い。

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 「今どこ、ここ?」
 「榛東ふるさとナントカって書いてあったよ。」
 「シントウ......?わかんないな。でも、方向的には合ってるはずだと思うが。」

 いずれにしても前走車がいる限り、あせっても仕方ない。それに、結構良いペースで流れている。行ける、このペースなら行ける、ドクターうるふはそう確信した。時間はまだあと43分もある。それだけあれば絶対におぎのやまで到達できる。

 自衛隊の演習場と思しき施設の脇を通過し、ドクターうるふ駆る180SXはペースを上げる事も落とすこともなく、車の列の最後尾を走っていった。

「くそっ、また赤か!」
「まだ黄色!行けるでしょ、突破でしょ。」
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「そうか?よし、真子ちゃ~ん!」

 少なくとも傍から聞いたら意味不明の叫びをあげながら、怪しいタイミングで信号を突破する180SX。

 180SXはここで榛東村を出、箕郷町に入った。そのとたん、道が右か左かのどっちかに分かれる。

 「どっちだ......?どっちなんだ、真子ちゃんの呼んでいる方向は?」
 「方向的に行きたいのはどっち?」
 「真っ直ぐ......。でも行けないからどっちかって言ったら近いのは右かな?」
 「ヨッシャァ、それが真子ちゃんの呼んでる方だぁ!」
 「そうかぁ、ヨシ、右だァ!」

 180SXの車内が徐々にいようなテンションに包まれてきたことを、このとき2人は実感した。このテンションが、さらに180SXを真子ちゃんの元へ強く引き寄せてくれるような気がしていた。

 右折後、再び左折し、良い方向へと向かい始めていた。前には2トントラックが走っているが、ペースは遅くない。ものの、今の池谷先輩の走りに比べればまだ不満足である。
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 「いつまでお付き合いだ?」
 「大して遠くまで行かないでしょ、これは。」
 「だろうな。」

 ドクターうるふもゆみごん社長も、そう考えた。確かにこうした車で遠くまで行くということは考えにくい。たいてい近所の農家の人が自分の田んぼや畑までトラクターか何かを降ろしに行ったその帰りとか、そんなものであろう、そう言う考えである。が、峠を越え、次の曲がり角も180SXと同じ方向へ行った。

 そして、その次も。

 「イヤな予感がするな。」
 「まさか。最後までって事はないでしょ。」

 そうかもしれない。池谷先輩ドライブとはいえ、峠で速いのがシルビアの強みである。前のトラックは地元車のようで、この道も通りなれているのだろう、確かに速い。しかし、急カーブを伴う峠の上り坂で、マシン特性は如何ともしがたい。トラックの立ち上がりはものすごく遅いのだ。

 「くそっ、何とかしてくれ!」

 黒煙を浴びながらトラックの後に続く。

 「なんか、あのトラック、ペース上げたんじゃない?」
 「アオったと思われたかな。だが、必要以上に接近して走ったわけでもない。ま、ペースが上がったのは望ましいことだが。」
 「ヤバくない?」
 「平気さ。ゲリラボに対して何かしようって言う人間じゃなさそうだ。」
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 峠を越え、下りではトラックとは思えないスピードで駆け下りている。無論、これに遅れをとるようなドクターうるふではない。つかず離れずの一定の距離を保ちながら、トラックの後ろを走行する。下りセクションが終わり、交差点に出る。

 「どっち?」
 「行きたいのは真っ直ぐだが......。看板に拠れば右に行った後すぐまた左に曲がれば直進と同じ結果が得られそうだ。」
 「トラックはどっち行くかな?」
 「左高崎ってあるけど......左行ってくれねェかな。」

 果たしてトラックは。

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「右かいな!」
「離れらんねェのかよ?!」

 その後、このトラックもすぐに左折し、ドクターうるふの180SXの前をいつまでも走りつづける。道は再び峠道。両脇に梅林が広がっている。その間のわずかな直線を、明らかにムキになって飛ばしてゆくトラック。再び黒煙を浴びる180SX。と!

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 「あっ!」
 ゆみごん社長が声と同時にカメラを向ける。

 「見た?!」
 「見た。」

 前のトラックが、窓から空き缶をポイ捨てしたのであった。無論、そのような一瞬の出来事を、撮影速度の遅いデジタルカメラで撮影できるはずはない。茂みに向かって、勢い良く缶を放り投げたのである。対向車線を超え、空き缶は葛の茂みに落下した。

 「ムカつくな。」
 「ああ言うのってさ、拾って行って『落としましたよ』って返してやりたいよね。」

 やり場のない怒りが、180SXの車内を包む。なぜ、あのようなことが出来るのであろうか。ナンバーをつけて走っていると言うことは、名札をつけて走っているのと同じ事である。その車から、ダメと分かっているポイ捨てをするというのはまったくもって信じられない。あの窓から空き缶を捨てるのと、少しの間車の中に缶を置いておいて、どこかきちんとしたゴミ箱に捨てることと、どれほどの差があるだろう。

 「アオっちゃえば?!ム化つくよ、あのバ(ピー)トラック。」
 「それとこれとは関係ないだろ。」
 「でも、あんな悪いやつなんだから、アオっちゃったっておあいこだよ。」
 「オレはそのつもりは無いけど、向こうはもうアオられてる気になってんじゃないのか?現状に変わりは無いさ。」

 そんなことをしなくても、十分に間に合う。これがドクターうるふの答えだった。確かにドクターうるふも今のヤツの行動には許しがたい念を抱いた。しかし、だからと言って直接の被害を被った訳でもない後続の180SXが彼に対してどうのこうのするわけには行かぬ。複雑な思いの中、トラックと180SXの間隔をそれまでの半分ほどに詰めた。

 「ずいぶん詰めて走るじゃん。

 満足そうなゆみごん社長である。

 「まだ、ぜんぜん安全圏だ。大体、180SXでトラックアオるなんてナンセンスだぜ。」

 下りセクションに入る。ここぞとばかりにトラックはペースを上げるが、ドクターうるふもその隙間を全く開かせない。コーナーにあってはドクターうるふにとってはお遊びであった。雨上がりの路面が、程好い低ミュー路を生み出している。

 「ドリフトしたいっ!!でも池谷先輩はドリフトできない!」
 「そ。少なくともこのときはね。5巻212ページに『本当はまだケツが流れるとパニックになっちゃうんだよな』ってある。だからグリップで走らなきゃダメ。」

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 榛名町内で2度の峠を越えると、180SXは橋に出た。例のトラックもまだ、180SXの前を走ったまま、道を違えようとはしない。

 「この車、もしかしたら国道18号まで行くんじゃないのか?」
 「しかも結構走り慣れてるみたい。」

 つまり、この車の後を着いて行けば、最短コースで国道18号に出させてくれるかもしれない、と言うことだ。

 だが、それは憶測でしかない。たとえ国道18号に出たとしても、18号を通って軽井沢方面に行きたいのか、高崎に行きたいのかで18号に出る位置もだいぶ変わってくるはずだ。我々としても最終的に国道18号に出るが、それがおぎのやへの最適な場所でなければならない。しかも、そのためには18号に出るまで、コイツの後ろをずっと走らなければならないのだ。

 「かも......な。だが、それだけでこの車についてゆくわけには行かない。」
 「そうだよなぁ......。」
 「妙義さえ見えりゃぁなぁ。見当もつくんだが。」

直進、安中市の表示がある。このまま行けば安中に出ることができることは間違いなさそうだ。

 「安中って言うと高崎に近い感じもするが、オレの方向感覚では直進で問題ないはずだ。」

 180SXは再び峠道を登り始める。前を走るのは件のトラックである。相変わらずトラックにしては相当速いが、180SXと比べるのは論外である。しかも彼はスポーツカーに引けを取らない(と勘違いしている)走りに陶酔しているらしく、その陶酔感を長時間持続したいがために、ドクターうるふがコーナーで抜かすことができないように、わざとブロックラインを走行している。右カーブでは完全に対向車線にはみ出している。

 「そんなことしなくったって、別にぬかしゃぁしねぇよ。」

 前のトラックの熱さとは裏腹に、ドクターうるふはきわめてクールであった。もう、諦めたのか。

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 「安中市だって。」

 ゆみごん社長が言う。道は峠を越え、視界が開けた。18号か。しかし、降りて行くドクターうるふの前には依然として、田園風景が広がっていた。まだである。時刻は既に15時13分。あと17分である。あと17分でこの迷宮を脱し、国道18号に出て、おぎのやまで到達しなければならない。前のトラックを除いては、道には誰もいない。件のトラックは、直線では一般道とは思えない速度で疾走していた。

 無論、ドクターうるふも彼のこうした走行は歓迎である。彼は今、池谷先輩なのである。真子ちゃんと逢えるか逢えないかの、人生の勝負なのである。2台の車はまるでそこが高速道路であるかのように、-いや、高速道路でも検挙されかねない速度で- 田園地帯を疾走した。

 「ちょっと不安定なんじゃない?」
 「オレか?」
 「前の車。」
 「確かに。まだ路面も濡れているしな。」

 そう言えば、今のくだりが記憶にないわけではない。そう、真子ちゃんと池谷先輩が軽井沢でデートした帰りの碓氷峠である。真子ちゃんの秘密が池谷に明かされる、悪夢の瞬間のほんの少し前の出来事だ。健二先輩の180SXに同乗していた拓海が健二先輩に「ちょっと離れたほうがいい」とアドバイスするのである。池谷先輩は真子ちゃんに「ドリフトができる」とウソをついてしまったため、ここで少し攻め込んでいたのだ。ここで拓海の言うとおり、池谷先輩駆るシルビアはケツが出たことでパニックになり、スピンしてしまうのだ。

 「池谷先輩、こんなスピード出せないかな。」
 「カーブでは出せないかも。1度スピンしてるわけでしょ。碓氷で。」
 「事故ったら元も子もないって、判断できる状態か、それとも夢中で突っ走ってるか......?」

 わかりはしない。が、基本的にグリップということで、タイヤの鳴らない速度での走行に徹した。トラックもまた、松井田方面へと向かっていった。依然としてドクターうるふと道を違える様子はない。

 「あ。」
 「どうした?」
 「安中榛名駅だって。」

 ドクターうるふは答えなかった。トラックは誰もいないが確実に赤の信号を無視して突破しそのまま消えた。ドクターうるふが先頭にたった交差点には、秋間梅林直進の表示が立っていた。

 「現在位置がわかっちまったぜ。」
 「どこ?何時につける?」

 ドクターうるふは左手に見える尾根を指差して言った。

 「あれを越えれば18号だ。時間内に着けるかどうかは......。」

 信号が青に変わる。ドクターうるふがクラッチをつなぐと、180SXははじき出されたように飛び出した。

 「時間内に着けるかどうかは?!」
 「......ギリギリのところだ。」

 時刻は15時18分。後10分あれば、状況によっては何とかなるかもしれないと思った。
 この峠の向こうに、国道18号がある- そう言う想いで峠を越えた。しかし。続いていたのはまだ田園風景だった。

 「もう一山あったか......。」
 「まだなの?18号。」
 「まだだった。もう一山あるらしい。」

 ドクターうるふは「松井田」と書かれた方へ進んだ。看板が出るとどうしてもそれに負けてしまう。現在位置を見失い、本能で目的地に向かうとき、あるときは本能に従い、またあるときは看板に従うというパターンが最も良くない。たとえば今回のように、良く知らない土地ではこの看板がさしている松井田とは、ドクターうるふの行きたい松井田であるとは限らない。松井田町がいったいどのような形をしていて、この表示が松井田に入ることを目的としているのか、松井田の市街地を指しているのか。また、この表示は基本的に松井田町内に入ると出なくなってしまう。漠然と看板に従っていただけでは松井田町に入ってから迷うという可能性もあるのだ。

 が、ドクターうるふはそのミスを犯した。今まで信じ、冴え渡っていた自らのカンを捨て、道路標識に従ったのだ。押し迫る時間のなか、ドクターうるふの心の中にも不安が広がっていたのである。恐らく道を知らない池谷先輩がこっちのルートを通ったとしても、そう言う不安と戦ったに違いない。少なくとも表示にウソはない。そのわずかな安心感のために、自らの信念を曲げた。

 本当にこれで合っているのか?ドクターうるふは自問自答した。今オレは、国道18号と平行して、いや、わずかに18号から離れるようにして走っているような気がする。このまま行けば、18号からどんどん遠ざかって行く......。しかし、相変わらず標識には松井田直進とある。行くか、曲がるか......?

 迷いながら、ドクターうるふは次の交差点も表示に従い、直進した。

 松井田って、どのあたりが中心地なんだろう。18号の北側か、南側か......。北側だとしたら、そしてこの表示の指す場所がそこだとしたら、この道は18号に出ることなく終わることになる......。

 オレは左だと思う。左に見えるあの尾根を越えれば、今度こそ18号がある。

 交差点が近づく。ずいぶん青が続いている。そろそろ黄色に変わるだろう。直進か、左折か。真子ちゃん、教えてくれ!-

「よし、左だ!」

 看板ではなく自分の信じる道を行く。恋愛とはそうしたものだ。「行かなきゃクビだ!」と言った店長の精神が、今うるふには本当にわかったのだ。言葉では理解していたが、本当にわかったのは今このときであった。既にこれは1時間で行けるかの勝負ではなくなっていた。

 恋愛と言う勝負に勝つ者。一人の女性に認められるのはたった一人の男。その判断基準は完全なる女性の独断であり、常識も理論も理屈もない。意中の女性の、完全なる個人基準のみで合否が確定のみ。で、あるならば-

 自分の信じる道ぶつかって行くのが良い。着飾ることもせず、格好つけることもしない。素の自分を見てもらうのだ。

 自分の信念を捨て、他人が設置した標識に従って敗北したら、後悔してもしきれるものではない。逆に選ばれたとして、それは「お前」か?

 15時25分。その判断の結果は、2分後に判明する。


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【基本タイム】

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「ハイオク......満タンだ......」

 「マンガと同じこと言うなよ。アホかと思われてるぜ。」
 「やっぱ、このセリフで行かなきゃダメだろ。」

 実際はこのような会話でやり取りされている。ゆみごん社長は女性ではあるが、このくらい言葉遣いが汚い。事実のみを読者に知らせるのが本研究所の責務であると認識するものであるが、女性であるゆみごん社長がこのような言葉遣いでは読者がドクターうるふの発した言葉と間違える恐れがあるため、女性らしいセリフに改ざんしてお届けしている。予めご了承願いたい。

 「この高速の時間を基本タイムとしよう。池谷先輩が渋滞に要した時間はこのタイムを参考に割り出そう。マンガのセリフから想定した約1時間が正しいのかどうか?」

 そう言うとドクターうるふは11時8分、出光を出発した。

 出光を出て渋川駅方面へ向かう。

 車は先ほどよりも多い。渋川駅前を右折するとすぐに、渋滞に遭遇した。国道17号に出る信号から続いているようである。

 「結構あるぞ。池谷先輩はこの渋滞には遭ってないだろうな。」
 「青、短ぇなー。ほとんど行けてねェじゃねーかよ。」

 確かに。何台通過できているのか、列の中から確認することはできないが、青の時間からしてそれほど多くはなさそうである。信号を見ることができるこの位置からでも、さらに後3回ほどは掛かりそうな勢いである。

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「真子ちゅわ~ん!!」

 180SXはすぐにあの歩道橋の下を通過した。道路は比較的空いている。池谷先輩の出発した午後8時30分ごろと言うのもおそらくこの程度の車の量であったと推測される。

 駅前交差点を右折。上越線の下をくぐり、国道17号へ。道が2車線になる。
 「インター入り口までのわずかなだが、ブチ抜くぜ。」
 ドクターうるふはフルブーストで加速する。

 「ちょ、ちょ、ちょっとまって。」
 「なんだよ?!もう一台抜けるのに。」
 「池谷先輩のシルビアって、ターボ?」
 「......じゃぁないだろうなぁ......。」減速するドクターうるふ。
 「じゃぁ、ダメじゃん」
 「そ、そうだな。健二先輩じゃないもんな。いっくら急いでも過吸はしないようにしよう。」

 180SXは、渋川伊香保ICの料金所へと入っていった。パワーウィンドウの効かない180SXで器用に自動発券機からチケットを受け取るドクターうるふ。

 「ドア開けてチケット取るのって、結構難しーンだぜ。」

 「でさー、どうなん?下から行った方が早いわけ?時間的には?」

 「ふっ‥。」
 ドクターうるふは右ウィンカーを出して、追い越し車線に入る。流れについて行けない車をあっさりとパスしながら言った。
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 「一般道がもたらす最大の恩恵は安さなんかじゃなく‥目的地まで理想的な直線コースが描けることこそ生命線。高速を使う車をブチ抜くことが一般道のカタルシスなら‥、オレは一般道を行く者に脈々と流れ続けている孤高のスピリッツが好きなんだ‥。」(出典:5巻78ページ)

 「は?」

 先程までの雨は止み、路面は既にドライへと変化し始めていた。高橋兄弟ばりの高速クルーズで180SXは関越自動車道を南下する。

 「こういう時って、何kmくらい出すかな。池谷先輩なら。」

 「わからないな。でも、オレならリミッターまで出すね。そうでないとダメだったとき、後悔することになる。だけど、常にリミッターじゃぁ、走れないだろうからな、物理的に。平均で言ったら、このくらいじゃないのかな。」

 そう言うドクターうるふのスピードメーターは1○0km/hを指していた。

 高崎JCTを過ぎたのは11時31分。23分が経過している。この先が藤岡JCTとなる。
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「真子ちゅわ~ん!!」

 「何、なりきってんの」
 「やっぱ、なりきらないと。そのときの池谷先輩の気持ち作んないとさ。オレはそのときの走りはできないと思う。」

 「結構早くない?高速。」
 「それを言われるとつらいぜ。実はオレもそう思っていたところなんだ。だが、ここからは結構かかると思うんだがな。」

 上信越自動車道は藤岡ICを経由するため、目的地の松井田妙義へ行くまでにかなり南まで行ってしまう上に、下仁田をも経由する。どう見ても効率のよいルートとは言えないのだ。ドクターうるふは、そこに賭けている。
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 だが、確かに予想以上に早く着きそうなことは否めなかった。Navin'youでのルート検索結果は出発地をあの出光に設定して再検索すると1時間1分。実際はもう少しかかるかと思っていたのだが。

 「このまま行くと1時間は、切るな。」

 再び降り出した雨の中、ドクターうるふはなおも池谷先輩になりきって、高速走行を維持している。180SXが跳ね上げた水しぶきは高々と舞い上がり、空を覆う雨雲と同化して行った。

 車は甘楽PAに差し掛かった。ドクターうるふは減速する。

 「何?着く時間を遅くしようってワケ?」
 「そうじゃぁない。甘楽PAの入り口と出口の間にオービスがあるんだよ(1999年当時。現在は撤去されているようだ)。この速度で行ったらさすがにヤバイからな。」

 サンバイザーも下げ、万一の場合には顔が写らないようにするドクターうるふ。念には念を入れている。

 「自動速度取締機設置路線の青い看板があっただろ。最初1枚出て、1kmくらい走るともう一枚出て来るんだよ。そうするとそこから1kmくらいのところにオービスがあるわけ。東名高速など、一部そうでないところもあるけど、たいていこのルールで設置されてるようだ。基本パターンとして覚えておけば、初めての場所でもオービスに引っかかる確率はぐんと下がるぞ。」

 甘楽PAを過ぎたのは11時44分だった。渋川を出てから36分が経過している。

 ドクターうるふは、アクセルを抜きたいというもう一人の自分を必死で押し殺していた。このコースにかかった時間が基本タイムとなり、次に走る一般道はそれを超える速さで走らなければ、池谷先輩が真子ちゃんに会えることはない。この実験を成功させたいのなら、今、遅く走れば良いのだ。先程ゆみごん社長が「着く時間を遅くしようってワケ?」と聞いたのは、そう言う意味がある。

 が、もちろんそれはできない。ゲリラ実験室の精神がドクターうるふのアクセルを踏む足を弱めさせなかった。たとえ実験に失敗しようとも、すべてを事実として公表する- これがゲリラ実験室の基本理念である。自らの推測を立証させるために、真実を曲げることは許されないのだ。

 雨は止み、路面も徐々にドライへと変わっていった。時間によって降ったり止んだりを繰り返しているのか、それとも場所によってなのか。いずれにしても日本列島に近づきつつある台風11号の影響であることは間違いない。ドライ路面とウェット路面を速いテンポで繰り返すドライブとなった。

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「妙義、どれかな。」

 妙義山にかなり近づいてはいるはずだが、どの山も雲に覆われてその姿を見ることができない。神々しい奇岩ひしめく妙義山は松井田妙義ICが近づいたことを実感させてくれるのだが、今日は事務的な標識だけを頼りにその感覚を味わうしかないようだ。

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「松井田妙義だ。下りるぞ。」

 最後の最後まで追い越し車線を走行し、ギリギリで左車線に入るドクターうるふ。そのままの流れで走行車線を突っ切り、減速車線へと入ってゆく。ほとんど誰も走っていないから良いようなものの、他車がいたら決して安全とは言えない走行である。

 「真子ちゃんが待ってるんなら、このくらいやるだろ。」

 無論、減速車線で40km/hに落とすことなどない。料金所ギリギリまで高速走行を維持する。

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 領収書を受け取るのと同じにダッシュ。が、下りてすぐの信号にかかる。急いでいるときの信号ほどもどかしいものはない。池谷先輩もこの気持ちを何度となく味わいながら、この道を走って来たに違いない。

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 青になるや否や、スタートする。右に曲がって、右手に上信越自動車道を見ながら、坂を下りてゆく。真子ちゃんの待つおぎのや駐車場までは信号にかからなければあと5~6分と言ったところだろう。

 180SXは国道18号に出る信号(交差点名:五料)にかかり、その後は車の列の最後尾を遅いペースで走った。先程までの高速走行のペースが体に染み付いており、時速60kmで走っていても遅く、じれったく、まどろっこしく感じる。

 「真子ちゃ~ん!」

 叫んでみるが、状況に変化は見られない。おぎのや直前の信号にもしっかり引っかかり、到着したのは12時5分。所要時間は57分であった。

 「とはいえ、思ったより早かったな。池谷先輩の言う『1時間以上』ってのはちょっと多めに言ったのか。夏とはいえ、夜の9時近い時間で、上信越道を長野方面に行く車ってあまり多くないだろうから、ま、事故渋滞つっても15分か20分だろうな。」

 「っていうと1時間15分程度が池谷先輩のかかった時間って想定できるワケね。」
 「予想では、な。」

 ドクターうるふは、即座にエンジンを再スタートさせた。
 「よし、戻るぞ。今度は一般道だ。」




【なぜ、高速?】

 ドクターうるふとゆみごん社長は渋川まで戻る間、そもそも池谷先輩はなぜ、迷いもせずに高速道路を使ったのかと言うことに関して議論していた。

 「やっぱ、間違いないからだろう。池谷先輩は始めっから真子ちゃんとの待ち合わせ場所に行く気がなかったから、一般道で行く下調べなんてまったくしていなかったんだろうな。そこへ店長にいきなり言われて予定外に行くことになったわけだ。池谷先輩の頭にも『一般道で行った方が......』という考えは浮かんだとしても、一般道は結構難しい。だからその賭けには出られなかったんだろうな。確実に着ける高速を選んだんだろう。」

 「渋滞の危険性はあるけれど、迷っちゃったらサイアクだもんねェ......。」

 が、ドクターうるふはストーリー性を逸脱した、現実的な面も指摘する。つまり、読者へのインパクトである。

 渋川からおぎのやまでの道すがら、池谷先輩は真子ちゃんへの思いをより一層強めて行くシーンがある。店長に指摘されたアドバイスを元に今までの真子ちゃんの池谷に対する態度を洗いなおし、自分の至らなさを悔やむシーンだ。

 この背景として書くのであれば、やはり高速道路の方が親しみやすい。出てくる地名は有名で、位置関係がわかる読者も多かろう。

 「天使を地上からつれ去らないでくれ‥」
 とか言っている背景に「榛東」や「箕郷」の地名があっても、ほとんどの読者はその位置関係を正確に知る事ができず、臨場感に浸ることができないだろう。しげの秀一にはそう言う不安があったのではないか。

 現に、中里と啓介のバトルをギャラリーしに行く際、拓海とイツキは一般道を通って妙義まで行っているが、その際のシーンはほとんど景色が紹介されずに終わってしまっている。この辺りの景色を描いても、共感を持てる読者は少ないと判断したのだろう。

 また、レッドサンズの連中が遠征するにもほとんど高速が使用されている。前橋から妙義など、確かに高速の方が早いだろうが、普通なら一般道で行く距離である。とくに『タイヤが減らない雨の日は朝まで走っている』というケンタなどは絶対に一般道から行くべきなのだ。
 にもかかわらず、高速道路を使うと言うのはやはりしげの秀一のこうした意図がこめられていることは否めない。

 「言えてるかも知れないなぁ。」
 「だからさ。池谷先輩が高速を使ったのは、純粋にストーリー上の問題だけではないかもしれないってことさ。」


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 「ねぇ、これ、おかしいと思わない?」

 ゲリラボ本部に来ていたゆみごん社長である。書架においてあった頭文字Dをごっそりもって来て読みあさっている。彼女はこうして時々ゲリラボ本部に現れては不可解な行動をとって帰ってゆく。本当に社長なのだろうか。

 「お、頭文字Dか......。最近オレ、読んでないな。で、おかしいってのは?」
 ドクターうるふはキャスター付きの椅子をスライドさせて、ゆみごん社長に近づく。頭文字Dの6巻を手にしている。

 「何で池谷先輩はさぁ、高速道路使って真子ちゃんに会いに行ったんだろう......ってね。」
 「確かに......。渋川から横川なら、オレは下から行く、な。」

 「MISSION2でやった、高速対一般道では熊谷(埼玉県)から勝沼(山梨県)だったじゃない?さすがにあれの場合は私も高速の方が速いと思ったけどぉ。これは私も下道だと思うんだよね。」

 パソコン上の地図で確認するドクターうるふ。

 「改めて地図で確認してみても、これなら絶対下の方が速いね。見なよこれ。関越を藤岡JCTから上信越で松井田妙義まで......こんなに遠回りだぜ?」

 「やります......か?」
 「やろう、上対下の検証。しかも今回は、頭文字Dのストーリー付きだな」




【所要時間】

 ドクターうるふたちがこの実験をするにあたって最も難儀したのはスタート点をはじめとするのルールの設定であった。今回はさまざまな条件が重なり、MISSION2のような同時スタートを切って競争することができない。

 車をもう1台、用意できなかったのである。

 「すると1台の180SXで両方のコースを走って、タイムアタック的に実験するしかないな。」
 「ま、そうするしかないね」

 ドクターうるふは頭文字Dの6巻を手に取り、ゆみごん社長に見せる。

 「183ページを見てくれ。ここに興味深い情報が載せられている。」
 「池谷先輩のセリフ、『ここから碓氷峠まで、1時間以上かかるし......』よね?」

 時間的な情報は多くない。真子ちゃんと池谷先輩との待ち合わせはおぎのやの峠の釜めしの駐車場。道を挟んだ横川駅川にある駐車場。待ち合わせ時間の8時には既に眞子ちゃんが到着している。

 池谷先輩が店長に言われてスタンドを出るのが8時30分。池谷先輩の計算だと9時30分過ぎに到着する予定である。が、神に見放されたのか、藤岡JCTを過ぎたあと、松井田妙義まで間のどこかで渋滞に遭い、予定外の遅れを喫することになる。

 池谷先輩が到着する1分前まで真子ちゃんは居た、と明記されているものの、実際に池谷先輩が何時におぎのやに到着したのかは不明である。

 渋滞の原因も明記されていない。池谷先輩が『事故かぁ?』とは言っているものの、それは渋滞の最後尾を見た池谷が「事故か?」と予想しているだけで、本当に事故渋滞なのかは記されていない。

 従って、登場人物のセリフなどから推察する頼りない時間をもとに実験を進めてゆくしかなくなってくる。

 ここで注目したいのは池谷先輩のセリフ、『1時間以上』である。2時間でも3時間でも「1時間以上」の条件には適合するが、「1時間を越え、1時間30分前後の時間を看ている」と予測するのが妥当だろう。

 マンガからも分かるように池谷先輩は決してうまいドライバーではない。しかし、池谷先輩は「2度とない」チャンスをものにしようと必死に走っている。遅くする要因と、速くする要因がひとつずつある。これがもし高橋涼介や中里毅などであったら、車種のこともあるし、b時間を書けたに違いない。

 「1時間以上」と言うのは現実味を出しながらも詳細はうまくぼかす作者のテクニックであると考える。

 で、試みに渋川駅前の交差点からNavin'youを使用してルート検索をしてみると、70km59分と出た。

 「......なーるほどねぇ......。そうすると池谷先輩はだいたいどのくらいで到着したのかしら。」
 「あくまでも予想の域を出ないが......。普通なら1時間、渋滞の影響で1時間半前後で到着したんだろう。池谷先輩は30分遅れで出発しているから、真子ちゃんは最大で2時間前後、待っていたと思われる。」
 「ヒールで2時間立って待ってりゃぁ、足も痛くなるわな。」

 「後は出発地の設定だ。それによって若干時間も前後するだろうからな。」





【スタート地点】

 頭文字Dには実際に存在する景色が数多く登場し、一見リアルに見えるマンガである。が、そのリアルさゆえに、今回はかなり翻弄された。

 池谷先輩が働いているESSOは渋川市内には実在しないと言うのが一般的な見方である。池谷先輩が働いている中央石油が他の都市に存在することが、熱心な頭文字Dファンの間ですでに判明しているからである。

 となると、この実験ではマンガの中のやり取りから渋川市内の架空のガソリンスタンドからスタートしなければならない。

 「頭文字Dでは『渋川のスタンド』とあるから渋川市内っていう条件は絶対だな。」
 「マンガでは場面が変わるとき、いきなり変えずにその近辺の景色を何コマか入れてから場面を変えるけど、頭文字Dでも池谷先輩が勤めるスタンドに場面が変わる前、この手法を多く利用しているよね。」

 「そう。それがここだ。」

※1999年撮影
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 「木の曲がり具合まで、徹底的に同じね。」
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 「そう。当研究所の調査によれば、頭文字Dの第1部では、他の場面から池谷先輩の勤務するESSOに場面が移るのは全部で100回ある。そのうち、この渋川市役所前からが4回ある。」

 「でもこれ、どのコマも完全に同じじゃない?標語も、走っている車も、ワイパーの角度もまったく一緒。」

 「だから、コピーして使ってんだろ。」
 「普通、車だけは描かないでおいて、後から書き足さない?」

 「ま、そうだよな。でもさ、意識的にESSOの前にこのシーンを持ってきてるとも言える。この景色の近くにスタート地点があるってことなんだよ。」

 「この道は渋川の駅前通り。このまま直進すれば、秋名山、つまり榛名山の峠に行けるわけね。1巻の176ページには『それっぽい車が上がっていく』姿をESSOのスタンドから店長が見て、『今夜は峠でひともんちゃくあるな』って言ってる。このときの「それっぽい車」と言うのは他の峠から来た車。地元以外の人が榛名山に向かう道と言ったらこの駅前通りしかないと思う。このあたりから判断してもスタンドはこの道沿いのどこかね。」

 「このほかにもメガネ屋前やJUSCOのシーンからESSOに移っている。」

JUSCO前(1999年撮影)
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 「信号とか道路の白線が完全一致。」
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 このほか、渋川市役所にほど近いNTT前が8回、渋川駅前が4回、出光が1回。

 「今言ったのはどういう共通性があるわけ?」
 「どこも渋川駅の駅前通り。100回のコマ移動のうち、きちんとコマが埋められているのは39回。それ以外はただコマがスクリーントーンなどで塗りつぶされているだけだ。」

 「つまり、39回のうち、市役所前が4回、メガネ屋前が1回、JUSCOが5回、NTT前が8回、渋川駅が4回、出光が1回......渋川駅前通りがらみが23回を占めているってわけね。」

 「そう。実に56%が渋川駅前通りなんだ。しかも、イツキがハチゴーを買ってしまったとき、池谷先輩と健二先輩がイツキをしてしまい、耐えられずにイツキが走り出すシーンがある。これを拓海が追いかけて行って、イツキに追いついたのがJUSCO前なんだ。」

 「走って追いつくんだから、そうバカみたいに遠くまでは行かんわな。JUSCOのすぐ近くにESSOがあることになる......。」


「で、これらの位置から無理なく予測できるのは......」
「この出光ってわけね。」

 「そう。ジャスコから伊香保方面に20~30mと言ったところだ。」
 「でも、ESSOが描いてあるシーンには向かいに必ず高いビルが入ってる......。この出光の場合は向かいはローソンになってるけど。」

 「ところがさ。しげの秀一の場合、木の曲がり具合や看板、広告の文字まで全て正確に再現されているのを見ると、おそらく写真か何かに撮ってきたものをそのまんま、アシスタントに描かせているんだろうな。でさ、このESSOは渋川市以外のどこかの都市に実在するらしい。」

 「つまり、ESSOといっしょに描いてある背景はそっちの背景ってこと......?」
 「そう考えるのが自然だよな。つまり、背景は実際と同じ物を描いているけれど、それは写真に撮ってきたものをそのまま描いているからであって、必ずしも位置関係とリンクしているわけじゃぁない。むろん、あまりそっくりに書いてしまうとマズイ部分もあるからだとは思うが。
 ESSOと同じコマに描いてある背景ではなく、その前のコマを参考にした方が良いって言うのは、そう言う理由からだ。」

 「そうねぇ。そうするとやっぱりこの出光が最も妥当な位置かもしれない。回数から言ってもそうでしょ。ここがスタートで良いんじゃない?」



1999年、秋。
ドクターうるふはとある組織を発足した。

目的は見過ごされている、
180SXの持つ「速さ」以外のポテンシャルの追求。
-その組織の名は-

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「ねぇ、これ、おかしいと思わない?」
「何で池谷先輩はさぁ、高速道路使って
真子ちゃんに会いに行ったんだろう?」

ゆみごん社長
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ドクターうるふ
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何も高速料金払っていくところじゃない。
もちろん、オレは下から行く。
人気マンガ、頭文字D
誰もが抱いたその疑問に、いよいよゲリラ実験室のメスが入る!



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「木の曲がり具合まで、徹底的に同じね。」

とことんまでストーリーにこだわり、忠実な再現映像でお送りする!


「真子ちゅわ~ん!」

ドクターうるふ扮する池谷先輩が、
一般道で真子ちゃんのもとへ!

「つまり‥‥、そういうこと?
あたしに‥女として
魅力がないってこと?」
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これは一体、マンガか?!写真か?!
かつてないスタイルでお届けする、驚愕の実験報告!!



ゲリラ実験室、MISSION9。
20年前のWeb記事を忠実に再現!

下から行けば間に合った?
神様が与えたワンモッチャーンス!

頭文字Dの1~6巻を熟読して待て!


ロータスエリーゼ車載工具のレギュラーメンバーに大きな動きがあった。2週間前にアップしたこのシリーズのブログで十字レンチを紹介した際、本当は「クスコスマートクロスレンチ」が欲しかったと書いた瞬間、20年前の物欲不発弾が爆発。確か最初に見たのはOPTION誌の新商品紹介のコーナーだったと記憶するが。そうなると、20年近く前になる。

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 ■このブログの内容

 ・何度でも言う。車載工具でタイヤ交換はできない! 

 ・十字レンチ。要るのは分かったが、スペース取りすぎだろ! 

 ・機能美と軽量と収納性を考えれば安すぎる!
 



■何度でも言う。車載工具でタイヤ交換はできない!

 十字レンチ。

 クルマ好きなら、絶対に外せない工具である。何故ならタイヤ交換は車いじりの基本だし、いかにテクノロジーが進んだ今と言えども、結局車体と路面をつなぐのはタイヤであり、ここがトラブルに遭えば、 -例えばパンク- クルマは走ることができない。

 「公道は戦場だ」とは、こちら葛飾区亀有公園前派出所に登場する白バイ隊員、本田の言葉であるが、僕はこれは真理だと常々思う。だから、何が起きるか分からない、何が起きてもおかしくないのである。

 タイヤのトラブルと言えばパンク、そこから脱する方法と言えばタイヤ交換である。"普通の"車にはそういう時のためにスペアタイヤが用意されている。なぜ、用意されているのか?交換するためだ。

ユーザーが交換していいと、メーカーが言っているのだ。

 しかし悲しいかな、燃費のための軽量化の波、コストダウンの波、そして実際にオーナー自身が実際にタイヤ交換できるのか?という現実的な問題を加味した結果、車載工具はどんどん簡略化され、今となってはほぼ「戦場である公道」では使えない武器に成り下がっている。

 事実僕がそうだった。もう、このブログでも何度も書いているが、改めて言う。初めてのパンクで教習所で教わった通りに車載工具でタイヤを外そうとしたが、外れない。教習所で毎回付け外しされているナットと違い、外したことなどないタイヤのナットは固着していて回らないのである。

 僕は力自慢の方ではないが、それでも世の公道を走る女性ドライバーの平均よりは力があると思っている。その僕が大学当時、外せなかったのである。となれば、女性を中心とした多くのドライバーは、車載工具ではタイヤ交換ができない、と看ていいだろう。

 この経験から、僕は十字レンチと延長パイプは絶対に車載すべきと主張するのである。これを積むだけで必ず自力でスペアタイヤに交換できるようになる。

パンクしたらJAF呼べばいいじゃ~ん!

 それも良いが、一つ聞く。実際トラブルに遭ってJAFを呼んだことはあるか。180SXだけでも31万km乗っている僕は、自力で脱したトラブルも数知れないが、逆にJAFのお世話になったこともかなり、ある。

 JAFはすぐ来てくれるとは限らない。まぁ、平均1時間だろう。何時に来ると決まっているならいい。しかし、実際はもっと早いかもしれないし遅いかもしれない。だから結局クルマで待たなければならないのだ。作業に更に30分。終わったら書類書いて...。早くて2時間である。

 経験のない方は、技術の進歩でパンクも起きなくなっているなどと思っている人もいるかもしれないが、その様なことは一切ありません。土曜日にパンクして、翌日の日曜日にまたパンク、という悲劇もあり得る。僕がそうだ。起きるときは起きるのである。

 それが、自分でタイヤ1本交換するなら、事前に練習していれば、10分だろう。(トラブルに際してその時初めてということであれば、それはいくらでも時間はかかりますがね...)

 そのために必要なのが、十字レンチと延長パイプなのである。


■十字レンチ。要るのは分かったが、スペース取りすぎだろ!

 で、十字レンチである。これがあれば、タイヤ交換は可能だ。90cmの延長パイプがあれば、非力な女性でも絶対に外せる。

 但し。である。

 十字レンチとはなぜこのような形状なのであろうか。ジャマだろ!と、言いたい。土曜日パンクして、直した翌日またパンクということがある、さっきそう言った。しかし、起きない時はもちろん起きない。10年起きない人もいる。しかし、いつ起きるか分からない以上、十字レンチは積むべきだが、何の工夫もない十字レンチは、これも何度でも言うが、ジャマだ。

 いつ起きるか分からないパンク。その為に十字レンチは必要。しかし、積めばジャマ。どうすりゃいいんだ?!

答え。クスコスマートレンチを買えばいい。これである。

■機能美と軽量性と収納性を考えれば安すぎる!

 20年も買わずにいた僕が言うのも何だが、総合的に考えて、この機能性とそこから来る美しさ、軽量さ、収納性を考えれば、これ以外に選択肢はないと思う。TONEやKTCのブランド性を以てしても、これだけの利便性を突きつけられれば、クスコスマートクロスレンチに軍配が上がると、僕は思う。だからここまでロングランであり続ける商品なのだと僕は思っている。

 まず、凄いのはその軽量性。僅か900g。エリーゼを買いたいと思う人はその時点で軽量マニアであると思うが、そのお眼鏡に適う、数値で表されるスペックであろう。十字レンチと比べてみてもその軽さは十分に感じることができるだろう。

 そして、特筆すべきはその収納性だ。10年パンクがなければ、10年間使わずに積むだけになるかも知れない。それでも常備せねばならないのが十字レンチなのだ。ならば、収納性が高いに越したことはない。

 クスコスマートレンチが驚異的なのは、1本の棒になるところである。この驚異の収納性を誇る十字レンチを僕は他に知らない。これなら車のどこにでもしまえるであろう。狭いエリーゼにあって、収納場所を選べるほどのコンパクトさなのである。

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 その上で有難いのが、収納時のコンパクトさと軽量性を持ちながら、長さは一般の十字レンチ以上を誇る点だ。気づかなかったが、十字レンチももしかしたら自身が嵩張ることには肩身の狭さを感じていて、実は控えめな大きさになっていたのかも知れぬ。しかし、それが仇となる。短ければ、いざと言う時回らない、という事態になりかねないのだ。(延長パイプがある場合は別)

 クスコクロスレンチは、今僕が使っている折り畳み式十字レンチよりも長い。現場では、力点1cmの距離を稼ぐことが、回る・回らないを分けることもある。商品としてこの長さになれたことは、他の追従を許さぬ収納性という自信から決断できたものだろう。

 しかしそれだけではないところが、この商品の恐ろしい所だ。

 なんと、もともと長いこのレンチを、状況に応じてつなぎ方を変えることで、より大きな力をかけられるようになっているのである。
 今回買って初めて知ったのだが、青い棒には穴が2か所あって、遠くに挿せるようになっている。銀の棒の方にも中心の他に先の方にも固定できる機構が備わっており、長い位置でセットすることが可能。

 十字となる2本の棒を分けたままにすることによって、1本の棒になるという高い収納性だけでなく、状況に応じて力点を伸ばせるという、機能性まで持たせることに成功している。ナットが固着して回らないことがあるという現場を知っているからこそ、この機能を実装できたのであろう。

 これは、トラブルの現場で大いに役立つ機能だと思う。これにより、力点を延長するための鉄パイプを持たない選択肢も見えてくる。僕は、他のシーンで使う可能性はまだ残っているので載せておくが。

■まとめ

 なぜ今までこの商品を買わずにいたのか。それは、もう、機能性は低いとはいえ、普通の十字レンチ1本、メルテックの折り畳み十字レンチ1本を持っていたからである。使えないわけではない。カネは他に回そう、そう考えてきたまま買わずに来た。しかし、先日タイヤ交換に必要な道具のブログを書いて物欲不発弾が爆発してしまい、アマゾンで検索すると、「こんなに安かったっけ?」と拍子抜けした。金銭感覚もだいぶ変わったのかもしれない。

 ということで、すぐにポチって買ったわけだが、この価格なら、絶対に最初の1本からこれにするべきである。高いと言っても普及品の4~5倍くらいで絶対的な価格も4,500円程度。これで得られる幸福は大きい。


 ■この工具をエリーゼに積む理由

 ・機能性、軽量性、収納性、全てにおいてパーフェクト。 

 以上!他に何か理由が必要だろうか? 


クスコスマートクロスレンチ
17mm,19mm,21mm(amazon)

ロータスエリーゼを買った!納車まで約2週間程度は一日千秋の想いだろう。ただ待つだけでは苦しすぎる。エリーゼがあなたの自宅に来るまでの間に用意しておきたいもの4選のうち、いよいよ2位と1位を紹介する。これを買って待てば少しは気が紛れるはずだ。もちろん、エリーゼ以外の車種であっても参考になると思う。


 ■このブログでわかること

 ・エリーゼ納車当日までに準備しておくもの 

 ・第2位~第1位発表 
 

このブログは動画にもなっています。

■第2位~1位発表

 【第2位】拭き取りクロス「プラスセーヌ」

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 拭き取りクロスは、車体に付いた水を拭き取るためのものである。これが必要な理由は、最低限の、クルマをキレイにできる環境を作るためである。

 車は濡れたままの状態で自然乾燥させると、水滴の跡がついてしまう。雨水には空気中の不純物が含まれているし、水道水も純水ではない。雨水でも水道水でも、水滴は時間がたてば空気中の埃や塵を吸着し、車体表面に付着したホコリなども溶け込む。

 これらが自然乾燥すると、不純物が水玉の形状となって残るのだ。

 これは次に同じ場所に水滴を作る要因になり、同じ場所に水滴が付けばレンズ効果、塗装面への紫外線の当たり方の差異、不純物の塗装への攻撃などが、全て同じ場所になる。これがやがてウォータースポットとなっていく。だから、水滴は自然乾燥させず、すぐに拭き取るべきなのだ。

 洗車を怠って固着させなければ、汚れは水で浮き上がらせて、手でも落とせる。ついて直ぐの汚れであれば、水の勢いを高めればだいぶ流れてくれて、こする前にかなり量を減らせる。

 シロウトである僕が、車体を傷つけないためには、車体表面のホコリを減らし、こする回数を減らすのが一番だ。だから僕は、シャンプーやワックスはあまり使わない。車体をこする回数が増えるからだ。水で極力汚れを飛ばし、そうでないものは浮かせ、手で落とす。次にこの拭き取りクロスで水を拭き取って終わり。車体に触るのはこの2行程のみ。

 この拭き取りクロスは、高い吸水性を持ち、少ない拭き取り回数で車体の水をなくしてくれる。これを普通のタオルでやれば、3倍くらいの回数拭かなければダメだろう。その分傷つく。

 前置きが長くなった。(いつもだが)

 何が言いたいかと言うと、納車当日が雨かも知れない。水たまりに入るかも知れない。砂利道を通ればほこりを巻き上げ、ストップランプや後ろのロータスのエンブレムの辺りはホコリまみれになっている。鳥のフンをかけられるかもしれないし、田んぼから上がった耕運機が道路に粘土質の土をばらまいている場所を走るかも知れぬ。(また長い)

 納車日も、車体は容赦なく汚れる。

 あまり神経質になる必要もないが、帰ってから洗いたくなる事態が起きる可能性は十分にある。

来週は、起きてすぐに乗りたいだろう?
だったら、今週のうちに綺麗にしておくことだ。

 拭き取りクロスさえあれば、ディーラーからクルマを受領後、自宅ですぐに水洗いできる。エリーゼは小さいクルマだから、15分くらいあれば水洗いしてこの拭き取りクロスで乾燥状態まで持って行ける。実に簡単だ。簡単だからやるべきなのだ。それを納車初日からできる状態にしておきたい。そう言うことだ。

 後回しにすれば汚れはどんどん固着していき、洗車はどんどん面倒になり、その分、塗装面への攻撃性も増す。だからなるべく早くキレイにしておくのだ。

 僕が利用しているのは、アイオンというメーカーの「プラスセーヌ」と言う商品で、サイズは430×325mmの大きさだ。他にも似た商品はあった気がする。別に機能が同じならどこのでも良い。

【参考動画】ロータスエリーゼ 雨上がり 車体のためにすぐやるべきこと



 【第1位】カーカバー

 当たり前すぎて恐縮だが、カーカバーである。ガレージのある人はたぶん要らないと思う。ガレージも下に隙間があったりすると結構ほこりが来るみたいなので、ガレージがあっても、併用、というケースもあるのかもしれないが。

 エリーゼは構造上、エンジンルームに雨水が容赦なく入ってしまう。もちろん、きちんと防水されているから壊れることはないが、長期でみたときはやはり雨が入って乾いて...を繰り返さない方が良いに決まっている。ほこりをかぶった後雨が降れば、雨水の流れる場所にその跡が付いてしまう。エリーゼでは、両サイドのエアインテークの下はそうなりやすい。ていうかどの車もこの辺りは屋根から落ちてきた雨が集中するのか、共通してそうだと思う。僕は結構気を遣っている方だと思うが、それでも雨水の流れた跡が付いてきている。

 カーカバーは雨風はもちろんとして、それ以外にも、鳥のフン、枯葉や鳥の羽など、結構いろいろなものが空気中を舞っているものだと知らされる。僕のエリーゼのエンジンフードやラジエーターのエアアウトレットはフィン形状で穴がデカい。シリーズ3とかになってくると網目状になっているようだが、カバーをかけずにいるとここに枯葉などが入り込む。特にフロント側は取り除くのに一苦労する。撮ろうとするとどんどん奥に行ってしまい、無理をするとフィンの根元を割ることになるので入ったら手では取らずに最初からピンセットのようなものを使おう。前回紹介した、レザーマンウェーブのペンチでも初期症状なら事足りることもある。

 しかしながらカーカバーは弊害もある。車体と直接触れ合っているため、車体を傷つけるのだ。詳しくは下の動画を観て頂きたいが、カーカバーは風などで簡単に舞い上がったりするような軽いものではダメだ。舞い上がるということは空気が入るということであって、空気と一緒にホコリも入る。それが車体に乗り、今度はカーカバーとこすれる。ホコリは拡大すれば微細な石であり、カーカバーの動きによって、車体に石をこすりつけているのと同じことが起きてしまう。

【参考動画】カーカバー間違えるとキズになる!

 その結果も動画にあるが、リアスポイラーの先端が剥げてしまった。バックミラーの先端も同様。バックミラーをしまえないエリーゼの仕様が仇となった。

 つまり、カーカバーは内側の素材ができるだけ車の塗装面にやさしいものが使われ、風などでは簡単にヒラヒラしないような重さが必要ということだ。

 僕は、この対策で購入した、「カバーライト」というカーカバーは、その期待に応えてくれるものである。内側の素材も起毛のような感じで車体にやさしそう。何より素材が厚くて重いので、風で動きにくい。

 実際、こちらにしてから、カバーを外した時に車体に載っているホコリの量が激減した(ゼロではない)。侵入するホコリが少なければ塗装面への攻撃性も減少するし、カバーの動きがなければなおさらだ。

 これにより、カバーを付けることの弊害は大きく減少し、メリットの方が大きくなる。総合してカバーを付けた方が良い、という領域に入れる。

 逆に言うと、下手なカバーなら、付けない方がマシ、という結果にもなるのでカバーは慎重に選びたい。


■まとめ

 2位と1位、いかがだっただろうか。

 両方とも車体のケア用品となってしまったが、塗装面の劣化は一度させてしまうと取り戻すことは難しい。それだけに、最初からの地道な積み重ねが、劣化度のグラフの傾きを限りなく緩やかにしてくれるわけだ。

 では、僕はメチャクチャ車体に気を遣っているかと言うとそうではない。ただ、180SXでは完全無頓着で塗装をボロボロにしてしまった。30年、30万kmだから仕方ないが、実際にそうしてきた結末を身をもって感じたので、そこまで神経質になることはないと思うが、それでもこれだけやっておけば相当違うだろう、そう思っている。

 ハッキリ言って僕は日常生活でもかなりエリーゼを使っているので、ある程度は仕方ない。ただ、日常生活でもできるレベルでは気を遣っていきたい。できないことは続かないのだ。

 その結論が、この拭き取りクロスであり、カーカバーなのである。
拭き取りクロス「プラスセーヌ」(amazon)
   
ロータスエリーゼを買った!納車まで約2週間程度は一日千秋の想いだろう。ただ待つだけでは苦しすぎる。エリーゼがあなたの自宅に来るまでの間に用意しておきたいもの4選のうち、4位と3位を紹介する。実際必要だし、少しは気が紛れるはずだ。もちろん、エリーゼ以外の車種であっても参考になると思う。


 ■このブログの内容

 ・選定の趣旨 

 ・第4位~第3位発表 
 

■選定の趣旨

 エリーゼを購入して3年。ようやくエリーゼについて少し引いて見れるようになれたと思うし、エリーゼのために買った道具などについてもかなり要・不要の評価が定まって来たと思う。

 そこで今回は、エリーゼ購入間近、もしくは購入を決めて納車を待っているという方のために、納車して、お店から乗って帰るときや最初の晩から使いたいものを紹介する。

 最初にドライブやツーリングに行く、と言うテーマではない。それはまた別のブログで検討しているので、それはまた別で楽しみにして欲しい。

 あくまで僕の個人の経験からお伝えするのであって、読者の環境によっては不要の物もあるかも知れないが、そこは自身の環境と照らしてお読み頂ければ幸いである。


■第4位~3位発表

 【第4位】ジャンプスターター

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 これは何位にするか非常に悩んだが、僕の場合は現時点で一度もお世話になったことはなく、実際に使ったのは妻であるピパ子氏のNOTEのバッテリー上がりが唯一である。

 しかしながら、エリーゼは非常にバッテリーが上がりやすいクルマだというオーナー諸氏の報告もある。その最たる原因はセキュリティであると言われている。常にLEDライトが点滅し、確かに電力を消費している感がする。先週までは普通に乗っていて、翌週にはエンジンがかからない、ということもあるようだ。

 ちなみに僕はローバーエンジンのSr.2だが、エンジンをかけない土日を2回挟んだことがあり、その次の3度目の土曜日にエンジン始動したが、ややダルさはあったものの、一発始動さいた。

 セキュリティだけではない。Sr.3やトヨタエンジンのSr.2などは分からないが、僕のについては、エンジンを止めても、キーを抜かない限り、ACC電源は生きている。さらには、キーを抜いても、シガーソケットの電源は生きているのである。つまり、シガーソケットからソケットを引っこ抜かないと、機器は動作し続けててしまうのである。

 まだある。僕のエリーゼの場合、室内灯が運転席背後の壁の部分にあり、ライトそのものがスイッチ代わりになっているという非常にユニークなものだ。

 僕はここをモノ入れに改造しているせいもあり、出し入れ時に良く手が当たる様で、いつの間にかスイッチがONになっていた、ということが何度かあった。全て偶然だが、何の気なしにエリーゼに戻ったら点灯に気づいて、結局事なきを得ているが、ヒヤリハットは結構頻繁に起きている。

【動画】シート後ろの謎のスペースをモノ入れに改造

 最近のエリーゼはここがモノ入れになっているのか(上記YouTubeに頂いたコメントによれば、ネットが付いていたり、車検証入れになっていたりするようだ)、この室内灯がどのような形状なのかわからないが、このようにバッテリー上がりにつながりそうな要因はそこかしこにあるのである。

 納車当日となれば、機器の操作もまだ慣れておらず、冷静さも失っているだろうから、納車の翌週、いきなりバッテリー上がり、と言うことも考えられる。死ぬ思いで待った納車翌日、いきなりバッテリー上がりとあっては、オーナーは下手するとショック死してしまうかもしれない。

 そこで必要なのがこの、ジャンプスターターである。すでにご存じの方も多いと思うが、僕はエリーゼ購入当時知らなかった。納車時にディーラーの方にバッテリー上がりには注意する旨と(ディーラー自身が言うのだから、やはりバッテリー上がりの事例はかなり多いのだろう)、回避策としてこのジャンプスターターの存在を知らされた。

 前述の通り、結局エリーゼでお世話になったことは一度もないが、NOTEで一度だけ使用したことがある(下写真)。モノとしては、スマホのモバイルバッテリーの親分みたいなものがあり、これに充電した電力で、ジャンプ始動するわけだ。マニュアルにある通り、このバッテリーから付属の専用コードを使い、バッテリーのプラスとマイナスに接続する。

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 後はエンジンをかけるだけだ。今回、ACC-ONにしたままだったというトラブルで、バッテリーはほぼ完全に上がり切っていたと思われるが、ウソのように一発始動した。救援車と接続する方法などとは比べ物にならないくらいシンプルだ。何より、他人の助けが不要で自己完結できるのが良い。

 もちろん、これはあらかじめバッテリーに充電されていなければならないが、充電用のシガーソケットがあるので、常に車載して充電しておけばよい。ただ、エリーゼに関しては、先ほども言った通り、シガーソケットは常時通電状態だ。エンジン停止時にこれを抜き忘れると、ジャンプスターターの充電を抜き忘れたためにバッテリー上がり、という込み入った事態にもなりかねないので注意が必要だ。AC100Vでも充電できるので、ツーリングの前日などにあらかじめ充電して、そういう時だけ持って行く、と言うのもアリだと思う。


 【第3位】シートを保護するもの

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 本当に事故はいつ起きるか分からない。納車して、一発目の乗車でシートの革をジーパンのリベットで破ってしまうかもしれないのだ。

 僕の場合は布シートだったが、購入時既に63,000km走行ということで、試乗時から現状の説明で言われていたが、シートは既に使用感がだいぶ出ていた。こうなればもう先は見えている。僕の180SXのバケットシートがそうだ。乗降時によく当たる場所から擦り切れて破れていく。(下写真)

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 面倒なもんだから、「破れたらシートを換えればいい」などと対策を怠る自分がいるが、実際180SXで破れてシート交換をしたのかと言うとしていない。それも面倒だし、安いものでもない。古いシートを捨てるのにも難儀する。結局、やらないのだ。(さすがにエリーゼなら換えるかも知れないが)

 であれば、破れる前に対策するのが一番だ。

 もちろん、これは汚れの対策でもある。エリーゼの場合、個体によるが、エアコンの効きが悪く、汗だくで乗らなければならない場合もある。その時にこうしたシートを保護するものがあれば、シートの汚れをかなり軽減できる。

 モノは何でも良いのだが、座面に落ちたゴミやホコリ、髪の毛などを受け止めてくれて、時々このシートごと外してサッと払えて、洗えるものなら何でもいいと思う。

 ちなみに僕が今使っているものはホームセンターで1,000円くらいで買える、家具などの運搬時に室内の壁などを傷つけないように養生するための保護マットだ。商品の売り文句としては、レジャーシートなどに使っても良いとある。長さも色々あるので、好きなものを選べばいいが、エリーゼの場合は、サイドシルが高いので、シートサイドがこすれてダメージを受けることはあまりなさそう。もしかすると、ショルダーサポート当たりの方がより摩耗しやすいかもしれない。となれば、上記写真の物は未だ短くて、もっとヘッドレスト部分まで覆えるようなものの方がより良いかもしれない。

 そうすると結構なサイズになるので、納車時からそれを持って行くとさすがにディーラーのセールスも引くかもしれないが、当日は金属や突起物のあるウェアは避け、以後はこの様なものでシートを保護すると良いだろう。

 もしかすると、専用品もあるのかもしれないが、それについては固定方法にも注意。ベルトのような固定具で点で力が加わるような固定方法だと、そこが摩耗する可能性がある。なので僕は、都度位置を直す必要はあるが、シート面に無理な力が加わらない、単に置くだけのものにしている。


■まとめ

 4位と3位であったが、いかがだっただろうか。

 ジャンプスターターは、とにかく便利で、エンジン始動だけでなく、USB給電ポートもついているので、普通のモバイルバッテリーとしても利用可能だ。これは買って損はないだろう。

 シート保護の素材は、僕は使っていて良かったと思っている。専用品にしなかったのは、電動ジャッキのケーブルをシガーソケットから取るときにケーブルが直接車体に触れるのを保護したり、ちょっと車体に当てたくないような金属むき出しの工具などをトランクに出し入れしたりするときに、車体を保護するために使用したり(それこそこれ本来の使い方である)と、汎用性もあるからだ。

 今回は、自分の使っているものが出て来ないので、アマゾンのリンクを貼るのは控えることにする。特に、ジャンプスターターは電気機器なので、自分が使った経験のないものは紹介できない。

 いずれも、「ジャンプスターター」「養生クッション」でアマゾンで検索できるので、自身で良いものを探して頂ければ幸いである。僕が使っているジャンプスターターは15,000mA、養生クッションのサイズは60㎝×100㎝だ。

 養生クッションは滑り止め付きのものもあるが、これは床面に置いたときなどを想定しているもので、シートに使う場合はどんな影響があるか分からないから、ない方がよさそうに思う。
ロータスエリーゼを買って3年。レギュラーメンバーとして今でも車載している工具を一つずつ紹介する。6回目の今回は、「レザーマン ウェーブ」。ナイフを含むので正直車載はしていないが、自宅でエリーゼをいじるときは良く使うので紹介したい。


 ■このブログの内容

 ・「切る」以上に多い「掴む」作業 

 ・しっかりしたものを「切る」時はこのくらいのナイフが必要 

 ・ペンチとナイフでいいのでは?まぁ...。確かにそうかも、です... 
 

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■「切る」以上に多い「掴む」作業

 僕は小学校の頃、ビクトリノックスを見た強烈な印象が刷り込まれているので、ビクトリノックス至上主義で来たが、クルマをいじるようになってレザーマンのペンチを主体としたツールに共感するようになり、ミニツールもスイスチャンプからレザーマンのスクオートに移行するなど、実戦で使えるのはレザーマンである、と認識が変わってきている。

 ビクトリノックスも最近はペンチを主体としたツールを出して来ている所を見ると、それが実態だという証左であろう。

 ビクトリノックスのツールにもペンチはあるが、釣りで魚に飲まれた針を外すくらいは良いと思うが(それもレザーマンの方がよほど使える)、ハッキリ言って車いじりで使えるものではない。理由は簡単で、例えばビクトリノックスのスイスチャンプなどについているペンチは指先で操作するものであり、手全体でグリップを掴めるものではないからだ。

 レザーマンのペンチは、マルチツールだからと言った妥協は一切ない。単体のペンチとしても全く遜色ないレベルの精度と安心感がある。先の細さがエンジンルームなどの狭い所でも重宝するし、針金や電線を切るのも全く不安はない。

 タイラップをガチガチに留めたいとき、奥にあるボルトなどを掴みたいときなど、先の細いペンチの形状が実によい。点で力を入れたい場合、指の力では不足な場合などに重宝する。クルマいじりではエンジンルームやシートの下など、自由が利かないスペースでの細かな作業や力のいる作業もある。そんな時にこのツールが役に立つ。


■しっかりしたものを「切る」時はこのくらいのナイフが必要


 このナイフは指先でつまんで使うようなサイズ感であり、広い場所で使えるなら良いが、エンジンルームの奥のような場所や、ある程度しっかりした物を切るようなケースではお勧めできない。その時も書いたが、指先で掴むサイズのマルチツールは、滑ったり、エンジンルームから手を抜くときにどこかに当たったりなど、不意の事態で落下させる可能性がある。

 奥の方で良い態勢が取れないような場合は、手全体でガッチリと握って切らないと、細いタイラップでさえ切れない。

 そういう時にビクトリノックスで言えばミニチャンプ等、レザーマンで言えばスクオートなどのサイズではダメで、レザーマンウェーブくらいのサイズが欲しい。ロック機構もあるので、その点も安心。ちなみにウェーブは全てのツールにロック機構がある。

 特にタイラップを切るときなどはこのナイフは最高である。下の動画では、エリーゼの純正エアクリーナーボックスに通じるホースを停めているタイラップをレザーマンウェーブで切っている



■ペンチとナイフで良いのでは?まぁ...。確かにそうかも、です...

 実際、レザーマンの何を使うかと言うと、ペンチとナイフが殆どである。時々やすりも使うが...。ハサミやドライバーなどはちゃんとしたものを車載しているのでこちらを使うことはまずない。

 従って、レザーマンでもウェーブなどのヘビーなものではなく、もっと数が少ないもので良いと思う。

 もっと言えば、ペンチとナイフをそれぞれ別で持てば良いのでは?と言われると、単に道具としてだけであれば、その案を否定する材料はない。キャンプや釣りや登山もする、と言う人はレザーマンの他のツールも使うシーンがあるが、車いじりだけのためであれば...。確かにそうですね。

 ただ、レザーマンのペンチはペンチ単品としてもかなり秀逸だ。掴む機能、針金などを切る機能をとっても、ある程度まともなペンチでないとその代わりは務まらないだろう。その場合、ウェーブのペンチは先が尖っているのが結構使い勝手が良いので、そういう形状のペンチが良い。あと、単機能のナイフで僕がお勧めするとしたら定番だが、BUCKのフォールディングハンターとかでも良いと思う。このナイフも、メインフィールドは山、釣り、キャンプですね。


■まとめ

 書いていて初めて自分で気が付いたが、この道具は実際車いじりで良く使うものの、ただそれは、アウトドア目的で買って、使い慣れているから使うのであって、これから車いじりだけのために買うなら、これである必要はないかもしれない。

 ただ、レザーマンの出自はやはりクルマを修理する、ということをメインに据えたためにペンチが主体のツールとなったわけであって、クルマいじりメインで選ぶことに何ら問題はない(自己弁護モード)。

 更に、クルマで行った先でキャンプや釣りや登山をしたりする、と言うように行った先でのアクティビティにまでオーバーラップした使用も視野に入れるなら、このツールは生きてくる。枝を数本ノコギリで切って先を削ってペグを作るとか、火にかけた鍋ややかんを掴んだりすると言った作業も一つのツールで行える。

 僕の中では車いじりでも、ちゃんとしたナイフとなればレザーマンウェーブを手に取っている。それは間違いないのだが、今回はいささか思い入れが先走った部分はあったかもしれない。


 ■この工具を使う理由

 ・掴むことには一切妥協がない。針金や電線を切るのも同様。 

 ・ナイフとしてもハンドルを手全体で保持できるサイズ感で安心感がある。 

 ・クルマで行った先でのアクティビティと共用するならこのツールはおススメ。 


 
レザーマン ウェーブ(amazon)
ロータスエリーゼを買って3年。レギュラーメンバーとして今でも車載している工具を一つずつ紹介する。5回目の今回は、車載どころかどこへ行くにも常時携帯の、ビクトリノックス「スイスカードライト」。過去に使ったミニツールとも比較して、これは絶対に、間違いないです。


 ■このブログの内容

 ・「切る」という行為はいつでもどこでも 

 ・常備することに意味がある。カードで実現 

 ・各機能と利用頻度
 

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■「切る」と言う行為はいつでもどこでも

 ようやく来たのである。このシリーズにおいて大本命。スイスカードライトである。大本命過ぎて車いじりの範疇を超えて日常生活まで話が及ぶが、ご了承いただきたい。

 「切る」と言うのは、日常の中で、かなり発生する行為だと言って良い。衣類や工具を買えば、細いがかなり丈夫なビニル製のひもでタグが付いており、素手で切ろうとすれば、ケガをするかもしれない。

 しかし、小さなハサミがあれば数秒の話だ。

 他にも、封筒を開けたり、アマゾンの段ボールを開けたり。

 キッチンでも、ラーメンだったり納豆だったり、簡単なものほど、調味料などが個包装されている。「こちら側からどこでも手で開けられます。マジックカット」とか言って、全然あかないやつもある。

 商標である「マジックカット」が一般化しすぎて、旭化成パックスのマジックカットじゃないのに、手で開けられるようにした(もしくはした「つもり」)状態を一般名称的に「マジックカット」と言っているだけの偽マジックカットがあるんじゃないか?とさえと思う。悪気はないと思うのだが...。

 で、だ。そういう時にちょっと切り込みを入れたりすると即座にオープンできる。

 車いじりでも、そういうシーンはいくらでもある。買ってきた商品の袋を開けたり、パッケージや商品がタイラップで留まっていることもある。

 他に「切る」が多いのは、やはり「現場合わせ」のシーンだろう。カップホルダーから、カーナビまで、多くは自分の車種専用には造られていない。専用品だとしても、自分のクルマの方が逆にカスタムされていて、純正とは違う環境になっていることもある。そうした場合に、今の状況に合わせて両面テープや防振ゴムをカットしたりすることは、車いじりでは頻繁に起こりうる。

 そんなときの「切る」道具、これに何を使うべきか。

 ホームセンターの工具売り場に行っても、「切る」という道具となると、ペンチの根元かノコギリとかで、こう、細かなものをちょっと切る、と言うのはもう文房具売り場だったりする。

 ちょっと「切る」ものだから、その辺にあるもので、時にはカッター、時には爪切り、時にはブロックの角でゴリゴリ...の様に、常にその場しのぎで対応している方もいると思うが、「切る」ものは何かに固定すると本当に手に馴染んでくる。

 では、その常備するものとして、何が良いか。これである。


■常備することに意味がある。カードで実現

 ここからは好みの問題もあるが、僕のケースを話す。

 僕はもう小学校の頃に父親にビクトリノックスのナイフを教えてもらい、そのコンパクトなボディにたくさんの機能があることに完全に魅了されてしまった。当時見たのは「ハントマン」だったと思う。

 紆余曲折は簡略化するが、ツールは多いほど良いと考え、殆ど全部入りの「スイスチャンプ」も買ったりしたが、実際は重いだけで使わないツールばかりで話のタネにしかならなかった。

 その後、サイズ的に「ミニチャンプ」を携帯していた。この時もまだ、ツールは多い方が良いと言う想いがあり、「チャンプ」の名の付くものにしていた。

 ただ、サイズは小さければ良いかと言うとそうではない。適当にポケットに入れたり鞄に入れたりしていたが、前日の服のポケットに入れたまま忘れたりすることが多く、必要なシーンに手元にない、ということも多かった。クルマを所有してからは、クルマや家のカギの束につけたことで忘れることはなくなったが、使う時はクルマのカギがジャマになった。

 クルマをいじるようになって、ナイフよりペンチの利用頻度が高いことを知り、ほぼ同じサイズのレザーマンsquirt(スクオート)P4を鍵の束につけていたが、エンジンルーム内でナイフを使っていたら、そのまま落下させてしまい、夜の峠でクルマのカギも家のカギも一緒に取れなくなるという事態が発生、ツールとカギを一緒にするというのは道具としてよろしくない、と言う問題を露呈した。
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 レザーマンスクオートはペンチがとにかく秀逸。但しナイフがダメ。それでもかなり第一線で働いてくれたことは間違いない。総合的にはミニチャンプよりレザーマンジュースの方が使える。一応僕のミニツールの一時代を飾ったので写真は載せておく。赤いヒモは、前述のエンジンルーム内落下事件の教訓で、使用時に手に括って落下防止するための対策だ。写真は「P4」となっているが、現行品は「レザーマン スクオートPS4」(下写真)となり、一部ツールが廃された代わりにハサミが追加されているようだ。

レザーマン スクオート(squirt)PS4(amazon)


 そこで、レザーマンスクオートを紛失したのを機に(うるふの怪しいホームページ「ニッポンの出てくるチカラ(その2)」参照)、「スイスカード」に切り替えたのだ。そしてこれをどこに入れているかと言うと、財布である。

 僕の場合、財布と言っても携帯ケースを財布代わりにしているので、財布、携帯、スイカ、免許証、家のカギなど全てが一体化している。その中にスイスカードも入っているのだ。

 スイスカードは厚さ3mm程のカード状のケースにそれぞれの単機能のツールがそれぞれセットされている。可動部分があるのはハサミだけであり、非常に壊れにくいのも特徴だ。ハサミとナイフを交互に使いたいときにも、両方出して小まめに使い分けられて良い。

 財布・携帯という極めて常備性の高いものとセットに持つことにより、「切る」という機能が体の一部になった感じだ。前述の様に車いじりだけでなく、日常のシーンでも「切る」という行為は非常に多く、こうした何気ない障害が消えて作業が爆速になる。


■各機能と利用頻度

 スイスカードライトに付いているのは、ナイフ、ハサミ、虫ピン、ピンセット、ボールペン、虫眼鏡、プラス・マイナスドライバー各2サイズ、LEDライトである。

 この中で使うのはほとんどハサミとナイフである。特に車いじりではこの2つが突出している。

 強いて次を上げるなら、実はボールペンだったりする。切りたい場所をマーキングしたり、加工するもののサイズをメモしたり計算したり、現場で思いついた買いたいものをメモしておいたり...。日常生活に使うクルマなら人によってはボールペン1本くらいクルマにもあるかも知れないが、エリーゼと言う性格のクルマとなればボールペンなど車内には置いてないだろう。

 ピンセットや虫ピンは日常生活の方では結構使う。逆にLEDライトなどは良さそうに感じるが一度も使ったことはない。携帯の画面がライト代わりになってしまうからだ。日常背活で言えばスイスカードライトは楊枝がないのはちょっと残念。そう考えると、スイスカードライトではなく、素の「スイスカード」(下写真)の方が安いし、良いかもしれない。

ビクトリノックススイスカード(amazon)

 画像を見て頂くと分かるが、素のスイスカードには虫眼鏡がない。この虫眼鏡は老眼用ではない。そのように使おうとしても、画角が狭すぎてほとんど使い物にならない。これは、火を起こすためについているのである。今、公式サイトにはもうその様な記述はないが、かつてスイスチャンプについている虫眼鏡の使用用途はそのように明記されていた。モノはほぼ同じなので、同じだろうという僕の解釈だが、多分合っている。


■まとめ

 この小さなツールこそ、何を捨てて何を持つかの極致だと思う。エリーゼもそうだが、ミニミマリスト的考え方である。そうした中、このスイスカードが僕の中での今の最適解だ。厚さ3mmとなるとカードとしてはちょっと厚いが、その負を補って余りある活躍をすることは間違いない。


 ■この工具を日常携帯する理由

 ・車載どころか、日常携帯すべきツール 

 ・カード型であるから、日常携帯可能。ちょとした作業が爆速に 

 ・人によっては素のスイスカードの方が良いかも 


 
ビクトリノックス
スイスカードライト(amazon)

ロータスエリーゼを買って3年。レギュラーメンバーとして今でも車載している工具を一つずつ紹介する。4回目の今回は、本締めには絶対必要なメガネレンチ3本である。ド定番過ぎて奇をてらうものは何もないが、この3本サイズでまずOKと言えるだろう。



 ■このブログの内容

 ・本締めには絶対必要 

 ・180SX時代までは2本でOK、エリーゼで1本追加 

 ・コスパと機能でKTCのスタンダード
 

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■本締めには絶対必要

 前回のブログで紹介した「イグザクトレンチ」が切り込み隊長なら、こちらは最後にきっちりとシメる大将と言って良いだろう。

 メガネレンチのその最大の機能は、ボルト・ナットの6点全てに力が加わることによって、破損の可能性を最大限に抑えているという点だろう。だからこそ、本締めはこれで行うべきなのだ。

 スパナやモンキレンチのように2点しか力の加わらない工具で本締めをすると、ボルト・ナットの頭を破損する可能性がある。取り換えれば済むボルト・ナットなら良いが、オイルのドレンボルトや足回りなどのボルト・ナットとなると、壊すと非常に面倒だったり、高くついたり、修理に時間を要したりする。

 ラチェットハンドル+ソケットなら6点に力が加わるが、工具側の機構が複雑で内部のパーツによっては強大な力に耐えられず、工具本体を壊してしまう可能性がある。
 (基本はそうであって、実際ラチェットもそんなヤワには作られていない。壊す覚悟でラチェットを固着したナットを緩めるのにパイプで延長して使ったりしているが、全然壊れない。メーカーによっては、メガネレンチ以外の工具でも本締め可としている商品はあるので、個別の商品の特徴についてはそれぞれ確認されたし)

 メガネレンチの価値は安心・安全。だから、工具も高くても確かなものを選ぶべきなのだ。


■180SX時代までは2本でOK、エリーゼで1本追加

 話は分かるが、そうは言っても高価なメガネレンチをどこまで揃えれば良いのか?セットを買えば間違いないだろうが、無駄な買い物はしたくないだろうし、本数が絞れるなら、ワンランク上の物にも手を出せる、そういう考え方もあるだろう。

 結局僕レベルの作業であれば、180SXの頃までは、10-12mm、14-17mmの2本でOKだった、と言うのが結論だ。

 8mmも実際良く遭遇するサイズなのだが、このサイズはビッグトルクで本締めしないといけないようなものは少ない。ソケットレンチか前回のイグザクトレンチで問題なし(注:うるふの経験による私見)。

 10-12mmは内装やエンジンルーム内のあまり力を要しないパーツ類の付け外しによく使う。14-17mmは180SXのエンジンオイルのドレンボルトや、座席の取り付け、足回りなどで使用。

 ほぼこれでOKだった。

 エリーゼもこれでほぼ問題なかったが、エンジンオイルのドレンボルトが15mmで、13-15mmを買い足した。エリーゼでエンジンオイルを交換しないのであればひとまず10-12mm、14-17mmの2本でOKではないかと思う。

 もしかすると、トヨタエンジンになったらドレンボルトのサイズも14か17に変わっているかもしれない...。そうすれば工具1本軽量化、予算も軽量化できるのだが...。情報求ム。


■コスパと機能の点でKTCのスタンダード

 メーカーサイトでも特に名称がなかったのだが、同社には「ネプロス」という、高価格帯ブランドがあるが、僕が持っているのはもちろんそれではない方。

 冒頭の写真の下2本は古いのでデザインが異なるようだが、現行品は上の13-15mmのデザインになるようだ。

 スタンダードな位置づけだが、頭もかなり小さく、肉厚も薄く、使える範囲が広い。価格と機能のバランスではこれで良い気がする。ホームセンターでも置いてある(KTCを扱っていないチェーンもある)。

 もちろん、TONEとかでも全く問題ないと思う。自分で使っていないので、言ってないだけだ。デザインやメーカーに対するあこがれなどで選ぶのも良いだろう。所詮は趣味なのだから、思い入れのあるメーカーを選べば良いと思う。

 僕は、12角でストレートではなくオフセットされたものを使っている。12角は面ではなくて点で力が加わるので、ボルト・ナットの破損を防ぐ意味では6角の方が有利だが、12角の方が狭い場所で使える可能性が高まる。どちらの方が求めるケースが多いかと言うと12角だと思う。相当ハードな使い方をしていて、そのいい例が下に示す動画のエリーゼのドレンボルトを外すシーンだろう。これも12角だが、こうした使い方をしてもボルト・ナットを痛めたことはない。




■まとめ

 自分が作業する範囲で、このように信頼感が欲しいボルト・ナットのサイズはそう多くはないと思う。まずは、10-12mm、14-17mmの2本からスタートし、自分のクルマと作業するうえで必要であれば、買い足していけばいいと思う。

 買う時は、オフセットしていた方が良いのか、長さはどのくらい必要か、頭は入りそうか、などは前回の切り込み隊長「イグザクトレンチ」を入れてみると見えてきたりする。工具も安くはないので、ボルトのサイズだけでなく、その他の情報も見極めてから買いに行けば間違いがない。



 ■この工具をエリーゼに積む理由

 ・足回り、ブレーキ、ドレンボルトなど、安全にかかわる場所の本締めに必須。 

 ・まずは12角の10-12mm、14-17mmの2本からがオススメ。 

 ・後は、自分の作業内容で買い足していく。



 
KTCメガネレンチ
10mm-12mm(amazon)

      KTCメガネレンチ
14mm-17mm(amazon)

      KTCメガネレンチ
13mm-15mm(amazon)

ロータスエリーゼを買って3年。レギュラーメンバーとして今でも車載している工具を一つずつ紹介する。3回目の今回は、ガタつかないモンキーレンチ、TOP工業の「イグザクトレンチ」を紹介する。全てのレンチを揃えるのは物量的に難しいのでモンキーとなるが、買うなら絶対これだ。


 ■このブログの内容

 ・全サイズを持てない以上、モンキレンチは必要 

 ・ガタつかない「イグザクト」、頭が小さく薄いのも良い 

 ・未知の場所への切り込み隊長
 

※現在「ストレート」は、正常進化した「薄型ストレートモンキ」という商品に引き継がれている。ここで紹介する機能は全て備えているので、購入の際は「薄型ストレートモンキ」で探して欲しい。なお、角度のついた「ベント」は「イグザクトレンチ」のまま継続している。
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■全サイズを持てない以上、モンキレンチは必要

 安全確実にボルト・ナットを回したいなら、メガネレンチが最高である。しかしながら、クルマには色々なサイズのボルトが使われており、全てをメガネで揃えようとすれば、結構な本数になってしまう。

 また、代表的なのはブレーキホースだが、メガネレンチが使用できないような状況もある。

 重量もスペースも(予算も...)限られたエリーゼに車載するとすれば、全て完璧はムリだ。何かを捨てねばならない。

 エリーゼに積む工具は野戦病院だ。工具としてのお作法はあるだろうが、できることとできないことを自己責任で取捨選択する。その最たるものが、モンキレンチだと思う。

 「モンキレンチ」。JIS規格では伸ばさず、こう表記するとのことなのでそれに倣う。緩めたいボルトの大きさによってフレキシブルにその幅を変えられるという1本で多機能のレンチだ。しかし、何でもそうだがあちらを立てればこちらは立たずで、モンキレンチの場合、ボルト6面のうち、2か所しか力がかからないため、大きな力をかけるとナットが壊れる。

 しかも。

 モンキレンチがボルトを掴む開口部の幅をスムーズに動かすために、可動部分にある程度の隙間を必要とする。そのため、いざ、力を加えると開口部がやや幅が広がるという「ガタ」が生じる。

 また、頭が大きく、分厚いので、どこでも使えるというわけではない。そういうアバウトな感じのある工具という印象で、僕はあまり使いたくないという認識だった。

 しかし、180SXに乗っている頃から、これは金銭的な理由で、全てのレンチを揃えるのは難しかったため、不満はありながらも1本だけ、家にあったモンキレンチを工具入れに入れていた時期はあった。


■ガタつかない「イクザクト」、頭が小さく薄いのも良い

 ところがある日、ホームセンターを散策していたところ、とある商品に目が留まった。正確な売り文句は忘れたが、とにかく「ガタつかないモンキレンチ」という意味の事が書いてあった。それが、この「イグザクトレンチ」との出会いである。

 手に取って見ると、確かにガタつきがない。開口部の幅を変えてみると動きも非常に精密な印象だ。しかも、頭も小さく何より、薄い。これを見てから普通のモンキレンチを手に取るとおもちゃレベルに感じる。多分3,000円くらいしたような気がするが、この精密さに惚れてその場で買ってしまった。

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 この時買ったのは先に角度のついた「ベント」と言うタイプだった。(写真上)

 これが使ってみると最高に良い。モンキレンチは2か所しか力が加わらないと言うが、これはガタつきがないために2点と言うより「2面」で力が入る。そのために結局これだけで本締めと同レベルの締め具合が実現できてしまう箇所もある。後からメガネレンチをかけて確認はするが、イグザクトレンチでOKだった、となるケースだ。

 持っていないサイズ、工具の入りにくい場所など、エリーゼではまだそう言うことはないが、180SXの時は、このレンチで助けられたケースは多い。


■未知の場所への切り込み隊長

 この工具の本領発揮はやはり未知の場所への切り込み隊長的な使い方だと思う。

 初めてやる作業では、どんな状況、どんなサイズのボルトがあるか分からない。

 大トルクが不要な場所であれば、自在にサイズを変えながら、この1本でどんどん切り込んでいける。
 大きなトルクが必要な個所や、絶対に壊したくないボルトなどに遭遇した場合は、このレンチをノギス代わりに使用して必要な工具を知ることもできる。

 例えばエリーゼのオイル交換がそうだった。ドレンボルトのサイズが分からず、アンダーカバーを開けたのちに、イグザクトレンチをかけてみて、そのサイズが15mmという持っていないサイズであることを知った。ミッションオイルの注ぎ口のボルトなどもそうだが、非常に手が入りにくい場所のボルトのサイズを測るのにもこのレンチは活躍する。

 イグザクトレンチは開口部の幅を測るためのゲージが切ってあり、ノギスの様にも使用できる。ガタつきがないから、計測値の信頼度も高い。

 後は、ボルトナットになっていて、レンチが2本必要なシーンもある。同じサイズのレンチを2本持っているというのはなかなかない。エリーゼに車載することなどあり得ない。しかし、これがあれば、2本目の役割を果たしてくれる。ボルトナットの場合、裏側は工具が入りにくいケースもあるが、薄さもまた大きな武器になる。


■まとめ

 結局僕はこの工具があまりにも良すぎて、「ベント」に加え、先に角度がない「ストレート」をもう一本買った(現行品は「薄型ストレートモンキ」)。こうなるともう自在である。全然工具が入らないスペースにあるヘキサゴンなどを、ビットを手で挿し込んでこの工具で少しずつ回したりできる。


 ■この工具をエリーゼに積む理由

 ・限られた工具の中で、これだけ安心感のある構造のモンキレンチは秀逸。 

 ・頭も小さく、薄いから使用できるシーンが更に多い。 

 ・ノギスとしても利用可能。新たな作業をするときの頼もしい切り込み隊長。 


 工夫次第でかなりいろいろな使い方ができるこの工具はとにかくお勧め。本締め用にメガネレンチは必要だが、スパナのセットを買う理由は僕の中ではなくなってしまった。
 
イグザクトレンチの後継品
薄型ストレートモンキ(amazon)

      イグザクトレンチ
200mm ベント(amazon)

エリーゼを買って3年。車載レギュラー工具を一つずつ紹介する。2回目の今回は、180SX時代から受け継がれているタイヤを外すための十字レンチ、ジャッキ、延長用鉄パイプの3点セットだ。このセットがあれば誰でもタイヤを外せる。


 ■このブログの内容

 ・エリーゼはスペアタイヤなし。タイヤ外す必要ある?

 ・人生初のパンク。車載工具ではタイヤが外せなかった 

 ・数々の経験でバージョンアップしてきた安定の道具。 
 

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■エリーゼはスペアタイヤなし。タイヤ外す必要ある?

 エリーゼにはスペアタイヤがない。代わりにパンク修理キットが搭載されている。つまり、パンクしたとしても、タイヤ交換をする場面にならない。サイドウォールを傷つけたり、パンク修理剤では直せない大きな穴の場合などは修理不可能。自走での帰宅は諦めるしかない、という潔い仕様だ。

 では、工具も潔く、タイヤを外すものは要らないのでは?となる。十字レンチやジャッキを持たなければ、かなりの軽量化になる。が、やっぱりそれはできない、と言うのが信条だ。クルマ乗りである以上、タイヤを外せるくらいの工具は持ち合わせていないと...。これは、あるべき論に陥っているのだろうか?

 確かに今の所、外でエリーゼのタイヤを外さなければならない事態に陥ったことはない。

 しかし、パンクでないにせよ、車体に原因不明の異常が発生した時など、タイヤを外せれば、確認できる個所は圧倒的に広がる。特に後輪に関してはタイヤを外さなければエンジンやミッションのトラブルでは上から覗き込むしかない。これではできることは相当限られてしまう。

 もちろん、ブレーキやアーム関係のトラブルが疑われる場合も同様。やはり、タイヤを外すのはパンクの時だけではない。スペアタイヤがないエリーゼでも、タイヤを外せる工具は積載しておくべきだと、僕は思う。


■人生初のパンク。車載工具でタイヤが外せなかった

 ちなみに過去にも書いたが、僕は初めてのパンクで、自分でタイヤを外せなかったという苦い経験がある。

 大学がクルマ通学だったのだが、橋の上でパンクした。一瞬で空気が抜ける、分かりやすいパンク。橋の上で路肩がないので、パンクしたまま渡り切り、土手の上に退避した。そこで教習所で習った通りに車載工具でタイヤを外そうとしたのだが、車載工具では良くあるL字型のレンチが全く回らない。教習所では上手く行ったのに、なぜ...?

 仕方なく友達を電話で呼ぶ。持って来てくれたのは持ち手が伸びるタイプのもので伸ばすと50cmくらいになったと思う。これで外れた。

「車載工具じゃダメなんだ...。こんなことくらいで友達なんか呼んで情けねぇ!」

 大学4年間ずっと車通勤するわけだからトラブルは必ずまた起きる。次は一人で脱してやる、と、強く誓った。


■数々の経験でバージョンアップしてきた安定の道具

 それからクルマはS13 シルビア、180SXと変化した。タイヤ交換は当たり前の作業になった今、タイヤを外すために車載している工具がこれらである。


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 まずジャッキ。自宅では電動のものを使っている。これもシガーソケットから電源を取れるので、車載できなくはないが、エリーゼに常備するには大きすぎる。と言うことで積んでいるのは日産純正の車載工具。ただ、車載ジャッキは最悪だ。あの、頼りない輪っかみたいな部分をひっかけて連結させてクルクル回すのが、ハッキリ言ってスムーズに行った試しがない。

 ということで、長いボルトにジグソーで切り込みを入れ、車載工具のジャッキの回転部分に噛ませることにより、ラチェットで回せるように改造した。ラチェットは当然車載しているので、それを兼用。これでジャッキを回すことにしか使えない棒2本ともオサラバできる。


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 十字レンチは嵩張るところが良くない。180SXの頃からそれは思っていて、折り畳み式を購入。エリーゼになっても使い続けている。ただ難点もあって、この折り畳み機構が働かないようにするロックが思うようにハマってくれない時がある。緩すぎるとガタつくし、自然に外れても行けないので、ギリギリの所にしているのだと思うが、ここがちょっと難ありか。
 本当はクスコの「スマートクロスレンチ」が欲しかったのだが、アレは軽くて更にコンパクトになって、最高(手に取って見たわけじゃないから想像)なのだが、カネがなくて買えないまま今に至っている。今なら別に買えるが、折り畳み式が壊れたわけじゃないし...。イカン。書いてたら物欲が復活しそうなのでここで止めとく。(しかし、これ書いたらやっぱり欲しくなってポチりました。詳しくはこちらの約半月後のブログで...)


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 そして鉄パイプ。正確にはステンレスコーティングされた鉄パイプのようだ。これは、ナットが固着していた場合に十字レンチだけだと回らないことがあるため。180SXではより長い90㎝の鉄パイプを使用していたが、長すぎて逆にバックミラーに当てたりする問題もあって、エリーゼには傷つけたくないので短いものにした。

 また、クルマの下回りなどは長い鉄パイプでは入らない。このサイズで延長し、足で押す方法で大体何とかなる。エリーゼの限られた車内スペースも考えると、30cmで十分だ。

 ちなみに、多くの工具はパイプで延長して使用することを禁止している。そりゃそうだ。ユーザーがどんな長さ・太さのパイプを使用するかも分からないのに、強度の保証などできっこない。なので当然自己責任。
 ただ僕は力がないので、普通の人なら延長しなくても掛けられる力を、このパイプを使って楽をする、というのが殆どだ。

 確かに固着しているボルトにはかなりの力が加わっていると思う。だからと言って、回らなければ作業は進まない。自宅ならまだしも、出先の山道で一人ボルトが回せない状況だったら、メーカー保証外なのでやめときます、は良いがその先どうするのか?僕は自己責任に於いて延長して作業を進める方を選ぶ。

 ちなみに長年使用している90cmのパイプは、テーピングで巻いてある。これは作業時にコンクリートの地面に置いたときガラガラ音がして近所迷惑だからだ。30㎝のものは工具袋にポンと入れてしまう。

 ちなみに、タイヤのナットを外すときはパイプを使うが、締めるときに使ってはいけない。規定トルクを大きく超えてしまうからだ。締めるときは十字レンチのみで手締めでいい。

■まとめ

 前述の通り、僕の場合タイヤを外す道具がエリーゼから外されることはない。ただ、その座に就くのはどういった工具なのか、これは取って代わられる可能性がある。その中で、今の工具は一定のバランスがあるからその地位を得ていると言えよう。

 タイヤを外すのは車いじり、メンテナンスの基本でもある。もし、まだやったことのない方は、外出自粛の今、チャレンジされては如何かと思う。外してまた着けるだけで良い。

 その際、一度、車載工具でチャレンジしてみるのも経験として良いと思う。車載ジャッキの何かダメかも分かり、自分に何が必要かもわかる。ここに書いたのはあくまで僕のケースであって、人それぞれ判断基準や必要なものは異なる。

 いづれにせよ、トラブルの時に初めてタイヤを外す、と言うのではそのトラブルから脱するのは覚束ないだろう。


折りたためる十字レンチ


ロータスエリーゼを買って3年。レギュラーメンバーとして今でも車載している工具を一つずつ紹介する。1回目の今回は、エリーゼを買って、すぐに買いに走った超スタメン工具。インパネの見慣れないネジ。更に、ハードトップの付け外しもこのネジだった!使用頻度ナンバー1の超オススメ工具!


 ■このブログの内容

 ・これ何?乗ってすぐ気になった「持ってない」ネジ

 ・エリーゼ乗りには必携のマルチドライバー&ソケットセット 
 


この記事は動画にも投稿されています。


■これ何?乗ってすぐ気になった「持ってない」ネジ

 エリーゼを購入して、いや、試乗した時からもう気になっていた。何しろインパネのネジが全てこれ。初対面のエリーゼと格闘しつつ、気にはなっていた。

 納車の日は小雨。エリーゼとのファーストコンタクトに四苦八苦し「今はそれどころじゃない」と心の隅に押しやってはいたが、このネジがやたらと目についたのを記憶している。
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 欧州スタンダードか...?
 こんなネジのビットは持っていないので「いつかは買わないとな」くらいには思った。インパネを外すことがあるかは分からないが、ここの他にもいろいろ使われているかもしれない。

 何回か見たことはあるものの、これまで必要性がなかったため、調べもしなかったが、この星形のネジは「トルクス」ネジと言って、アルファベットでは「TORX」と表記するようだ。ただこれは登録商標なので、一般名称は「ヘックスローブ」と言うらしい。

 そして気づいた。ハードトップの装着にヘックスローブが使用されていたのだ。L字型の純正工具はあったが、一部、ピラーが干渉してぐるぐる回すことができず、1回転させる度に挿し直さなければならなかったのだ。これでは気軽にハードトップとソフトトップを付け替えることはできない。

 すぐ買わねば。欲しい仕様も決まった。

 ヘックスローブのビットを含む、ラチェット機構のレンチのついた、コンパクトなセット。これである。


■エリーゼ乗りは必携のマルチドライバー&ソケットセット

 エリーゼに積むのだから、大げさでなく、コンパクトにまとまったヤツが良い。そんな都合の良いのあるかな?と思ってジョイフル本田に行ったら即あった。ヤバい。これはイイ。非常コンパクトなケースにまとまっていて、期せずしてエリーゼと似た緑のケースに収まっている。そして、銘柄はBOSCH。悪くない。いや、良い。価格も2,500円くらいだったと思う。なかなかここまで思い通りの商品に出会えるということはほとんどない。もう即買いした。

 その実物がこの写真。エリーゼとほぼ同じ使用歴になるから3年くらい使っていることになる。
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 で、である。

 これはもういきなり効果を発揮した。エリーゼに乗るなら必需品である。とにかくハードトップの脱着が楽になった。純正のL字工具、アレはいけない。純正にするなら、車体に干渉しないようにして欲しい。しかし、ラチェット機構があれば、ジコジコやれば即脱着可能。

 ちなみにケース右側にあるのアダプタは、ハードトップのネジを早回ししたいときに使っている。ここにあるビットをセットして、ネジが緩い時などは、このアダプタの黒い部分を持って回せば、非常に速く回せる。最後の締め付け時のみ、レンチをセットすれば良い。

 通常のプラス・マイナスドライバーのビットもこれ以上ないくらい豊富だし、ヘキサゴンレンチもある。差込角6.35mmの6角レンチも6㎜~13mmまでの物なら入っている。

 しかも、レンチが薄くて頭も小さく、ビットを付けても厚み最小限で済む構造になっている。手が入りにくいエンジンルームのパイピングのバンドを緩める際などにも大活躍する。

 このレンチのもう一つ良い所は、締める方向と緩める方向を切り替えるレバー。本当に小さなレバーなのだが、操作感がカッチリしていて気持ちいい。小さいのに頼りになる感じがある。

 アンダーパネルを外すときにもこのセットが重宝した。8mmのボルトとヘキサゴンでついているのだが、この工具ですべて外せる。下回りではあるが、強大なトルクでついているわけではなく、この短いレンチで十分に回せた。


 室内はもちろん、アンダーパネルやエンジンルームまで使えて、狭いエリーゼの車内でも全く場所を取らないこの工具はエリーゼにピッタリだ。そう高いものでもないので、エリーゼを買ったらまず購入して間違いない、安心して勧められる工具である。

 もちろん、今でも使用頻度は最も高い。




【この工具を使っている動画】
【詳解】ロータスエリーゼSr.2 幌・ハードトップの付け方・外し方
純正工具が車体に干渉するシーンとこの工具の紹介もあります。

クルマ好きならまずは「乗りたい」それが第一だが、今は日本のために力を合わせ「やっぱ、日本人はやってのけるよね」と世界から言われたい。そんな今、僕はエリーゼを動かさずにどうやって楽しむか。それはこのクルマを眺めながら庭で一杯飲む、これに尽きる。

 ガレージのない僕にとって、外飲みがしやすい気候になってきたことが、せめてもの幸運である。これが、極寒の時期だったら、青空駐車の僕は完全に引き籠るしかない。
 カネなし、ヒマなし、時間なし。当サイトをご覧の方なら僕がそうであることはもう十分ご存じかと思うが、そんな僕でも楽しめる、ブリティッシュグリーンに合うスパークリングワインを今日は紹介したい。

■やっぱり気分が上がるのはスパークリングワイン

 僕はとにかく炭酸が好き。なのでワインもスパークリングを好む。エリーゼを眺めながら飲むとなれば、ワインのみか、あってもちょっとしたつまみ程度になるなので、ややワインの主張が強い甘めのものがいい。甘いワインと言うのはなかなか見つけにくいが、そんな時僕は「ランブルスコ」を選んでいる。
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 炭酸ワイン、つまりシャンパーニュやスパークリングと言えば「白」。自分にはそういう固定観念があった。しかし、ランブルスコは赤の微炭酸(白やロゼもあるけど)。これが何となく希少性を感じられていい。で、それが安い。なのに、ウマい。

 ランブルスコと言うのはブドウ品種の名前なので、メーカー、価格、味も色々選べるが、高くてうまいワインは他にもあるので、店頭でランブルスコと言えば安いワインとしての扱いが主流に感じる。しかし、安心して欲しい。安いのを選んでもあまり外れがない。そして僕好みの甘い物も取り揃えられていることが多い。ラベルを見て「ドルチェ(DOLCE)」と書いてあるものがそれだ。

 ワインは店でこのラベルを見ながら選ぶのも楽しい。オレってワイン通?なんて、自己陶酔しながら、もう、買う時点から酔っているわけである。それでいい。同じ買うなら、選ぶ時からなりきって、少しで幸福度をアップさせよう。

 ちなみにランブルスコの産地はイタリア半島の付け根に位置するエミリア・ロマーニャ州で作られている。

 これ以上は僕が語ってもアレなので書かないが、知りたい方は「ランブルスコ」で検索してみれば、このワインの魅力について更に知ることができるだろう。ワインについても知識をつけるのは、より楽しく飲むことができるし、教養としても良いことだと思う。

 で、ランブルスコだが、昔はなかなか見なかったが、最近は置いてある店も結構増えて来た。もちろん、アマゾンで「ランブルスコ」で検索すればちゃんと出てくる。今は店でゆっくり買うのも難しい時期なので、ネット購入がお勧めである。

 ランブルスコは安くても質は決して悪くない。ワインとしてももちろん秀逸なので、たとえ炭酸が抜けてしまっても、結構フレッシュな感じで飲めてしまう。しかし、僕はやっぱり炭酸好きなので2日くらいで飲み切るようにしている。一度抜いたコルクはもう入れられないので、専用の栓があると良い。


スパークリングワイン用の栓(amazon)

■エリーゼとランブルスコの競演をゆっくりと

 やっぱり炭酸は華やかさがある。僕は一人飲みは完璧にネガティブ思考だ。そこから、なにクソ、見てろよ、と自分を奮い立たせるようなステップで月曜を迎えるというパターンが多い。だが、時にはハッピーな気持ちで飲みたいときもある。むしろ、そういう流れに持って行きたいときに無意識的にスパークリングを選んでいるんだと思う。

 エリーゼのブリティッシュグリーンと、ランブルスコの上品な赤ワインの色が何ともよく合う。赤と緑の逆の色ながら、どちらもトーンを落としている。なのになぜか内に秘めた光を感じる。エリーゼはその奥に控えめにメタリックを含んでいるし、ランブルスコはきめ細かな泡を幾筋も生み出している。

 ああ...。ため息が出る。何度もこの不思議なワインと、エリーゼのこのコントラストを見比べては、またため息を漏らしている。飲む前から既に幸せなのだ。

 さて。酒は飲むものであって、眺めるものではない。にもかかわらず、眺めている時点でこれだけ幸せになれているのは、エリーゼという幸福増幅装置が働いているからか。
 では頂くとしよう。ようやく酒本来の用をなすべく、この美しい液体を体内に流し込めば、幸福感が洪水のように押し寄せる。

ヤバイ...。

 先ほどまではいつまでも眺めていたいと思っていた自分はどこへやら、この幸福感を途切れさせてはならないと、今は口に運ぶ手が止まらなくなっている。

 しかし、ランブルスコはアルコール度数が普通のワインの半分程度しかない。最近、めっきり酒に弱くなって来た僕も、長時間この酒を味わうことができるのは実に嬉しい。僕は幸福感を享受したい、それだけだ。アルコール度数が低くても得られる満足感が大きいならそれは大歓迎である。
良いか、お前たち...。
サラリーマンにだけは、絶対に...なる...なよ。
ぐふっ。

何を隠そう、僕は酒好きである。最近は歳のせいか、めっきり飲めなくなってしまったことが、何より悲しい。それでも、酒好きなのである。好きな酒だからこそ、毎日、長時間、たっぷりと、飲みたい。

■恒例の長い前置き

 ただ、僕は、酒そのものと言うよりか、酒を飲むという「時間」を楽しんでいる。これは間違いない。つまり僕は、「いい時間」を過ごしたいわけだ。「いい時間」を彩る道具として、酒が欠かせない、そう考えている。

 ちなみに、僕の中で「いい時間」を演出するのに、酒の他にあると嬉しい道具は、クルマ、焚火、限度のない時間、そしていい景色、辺りであろう。こう書くと、これらのことについてもここで書きたくなってしまうが、それは僕の悪い癖だ。ここはぐっと我慢して別の回に譲り、今回は酒の事だけにフォーカスする。

 ただ、「限度のない時間」と「いい景色」について、近いことは過去に書いている。→「今日は完全なる独り言」

 で、である。酒である。

 僕の場合、ただ酒だけ飲めれば良いというのではなく、良い環境で飲みたい。だから、エリーゼを眺めながら飲んだり、今の時期は家の前の桜並木まで行って飲んでみたりする。繰り返すが、豊かな時間を過ごす、その演出として酒が必須なのだ。
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 演出装置であるがゆえに、この酒選びは重要である。ストレスフルな日常。「ストレス」と言う名の困難な異物を強制的かつ効率的に浄化するのに使う薬品は、良質でなければならない。そのうえ、ストレスは毎日大量に発生する。従って、それを浄化するための酒も毎日必要だ。だからこれは安価である必要がある。

-安くて良質-

 いつ、どの世界でも求められるバランスだ。カネがあるなら頭も使わず、良いと言われるものをカネに任せてガバガバ買えばいい。だが僕は、このブログでもYouTubeでも再三言っているようにカネがない。

 価格以上のストレス浄化効果が望める酒を、慎重に選ばなければならない。

 安い酒はある。しかし、やっぱりうまくないものが多い。ウマくなければストレスを浄化しきれない。しかも、酒は自らの身体に対しては「毒」でもある。翌日、粗悪品は頭痛がするなどの弊害をもたらす。これはいけない。翌日処理するストレスが更に増加されるだけだ。

 出せるコストと、それを少し上回る浄化性能。この絶妙のバランスを実現した僕の夜の友を、今回は紹介する。(前置き長ぇ)


■日々はやっぱりウィスキー

 ウィスキーはワインと異なり、価格と味の関係が非常シビアで、特に低価格となると「安いのにウマい」という掘り出し物がない。そのくせ、高いのにマズいはあるから始末に困る。税抜き1,200円~1,400円くらいの価格帯になると価格の割に頑張っている、と言う物もあるが、僕の場合はその価格帯であっても毎日飲むには手が出ない。欲を言うなら600円台でいいのがあれば良いが、この価格帯だと凛などだが、やはりアルコール感がどうしても消毒液のような感じがして、今一歩だ。

 先ごろ僕が見つけてハマっているのが「ティーチャーズ ハイランドクリーム」というもので、700mlで800円~980円くらいで手に入る。800円(税抜)で買えるのはどこか、と言うと僕の家の周りだとベルク(埼玉県に本社があるスーパーです)である。何故かこの商品に限ってはここが安い。僕はこれだけを買いにベルクに行っている。他は880円とか、900円とかの値札を下げている。

 いいウィスキーは、注いだ時にふわっといい香りが上がってくる。安い物は、それがないか、香っても薬品的な感じがする。

 ハイボールを作る際、氷を入れてウィスキーを注いで最初にステアするときに香りがふわっと上がってくる。上記の「ティーチャーズ」はこれがちゃんとある。強くはないが、ちゃんとスモーキーだ。これはラベルにもそう書いてあって、店頭ではまずそれに惹かれ、次に価格に惹かれ、それではお手並み拝見、とばかりに注いでみたら「オッ、ちゃんと来るゾ」ということで一発でレギュラー入りした。最安の「凛」も用意はしてあるが、「ティーチャーズ」を知ってしまうと、「凛」にはなかなか手が伸びない。今、僕の中でこの価格帯の「掘り出し物」である。

 他にもお気に入りの安酒はあるが、別の回に譲りたいと思う。

サーモス 真空断熱タンブラー 600ml(amazon)


■エリーゼを眺めつつ飲む

 日曜の夕暮れ時。もうすぐ休日も終わる。エリーゼを自宅駐車場の奥側に停め、前にNOTEを入れ、エリーゼを封印する。明日からはまた、会社と言う名の戦場に行かねばならない。

 入るまいと思っていたラットレースに、今はどっぷりと浸かってしまった。この深い淵の抜け出せなさ加減は想像以上だ。死なぬ程度の定額収入を約束する代わりにオートでこの国に税金を納めさせるこのシステムは考えれば考える程良く出来ている。

 目の前にあるエリーゼは、この淵から抜け出さんとして打ち込んだ、渾身のハーケンだ。
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 しかし、このハーケンを頼りに半身ほど身を引きずり上げ、手を伸ばして先をまさぐってみても、出口の気配さえ感じられないことを知る。

 また、一週間、命と言う有限の時間をすり減らしてストレスと戦う。その間は戦いで手一杯だ。ここから抜け出すための積み上げ回せる分は知れている。

 そんな、絶望感に満ちた気持ちももう慣れたものだ。この感覚が妙に一人酒飲む刹那の時間を楽しむのに合っていると感じるから不思議だ。

 ここから脱するための渾身のハーケンだとのたまうエリーゼも、一歩引いて冷静に見れば積み上げたカネを食いつぶす存在でもあるという皮肉。それもまたコントラストと思えば一興である。

だがまだ夢は捨ててはいない。

 エリーゼはゴールではない。むしろ、ここから抜け出す戦いに名乗りを上げた一筋の狼煙。時間と空間の制約から自由になる。そのゴールにたどり着くか、もしくは命果てるまで、僕はもがき、さまよいながらラットレースと言う深い淵の出口を探すだろう。

 そんなことを想いながらグラスを傾ける。明日をも知れぬ戦場を前に酒を飲めば、語り口はどうしても饒舌になるようだ。

 酒は安くとも、エリーゼを前にすれば、流れる時間は最高の物になる。


■エリーゼと楽しむ一杯をYouTubeでもご覧ください。

今月から、180SXの駐車場が新しい場所に変わった。これまでの場所が駐車場としての事業を継続しないとの事で新しい場所を探さなければならなくなっていた。今度の場所は家からは若干近くなったが砂利で価格は据え置きの3,500円。

 ども。うるふです。

 これまで180SXの駐車場として使っていた、下の写真の場所が、2020年3月末を以て使えなくなるという通知を昨年10月時点で受け取っていた。このことについては、2月にブログにも書いていて、今回の内容は一部それと重なるが、ご容赦願いたい。→「駐車場、なくなる。」今日のエリーゼと180SX
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 そして、今月から、新しい場所に180SXを移動した。

 残念ながら、今度は砂利。これまでの場所のように、一時的なら隣も使っていい、などと言うようなユルユルの制度はない。1台分と言ったら1台分なのである。なので、上記写真のように、ウチのクルマを3台とも一時的に置いたりとかそう言うことはできない。

 実際、これができると結構便利なのである。僕の自宅駐車場は2台の駐車スペースがあるものの、奥に入れた車は前の車を出さないと出れないという形状になっている。
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↑ま、こういう状態。

 土日は僕はエリーゼ、ピパ子氏はNOTEをランダムに乗るので、どちらを前に置いても、タイミングによっては移動してもらって出る、ということが必要になってしまう。なので、土日はエリーゼを借りている駐車場の180SXの脇に置いたりできた。

 しかし、これからはそういう使い方はできなくなる。これは不便。今までの場所はアスファルトだったし、色々作業もできてメリットは大きかった。

 難点は、木の下だったので、葉っぱやら鳥のフンやら、木の実やらがどんどん落ちてきたこと。クルマはすぐに汚くなってしまう。

 今度の場所はそう言うことはないが、前述の通り、1台は1台であって、それしか置けない。砂利だし。
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 一番良くないのは出るときの見通しが悪いうえに車の通りが多いこと。上の写真は駐車状態の180SXの運転席から撮ったパノラマ写真。出るのが面倒だし、右も左も見えないので、カンで鼻先だけ出して、車が来ていれば、「すみません」って感じで入れてもらって出るしかない。ちょっと危ないね。フロントバンパーに覗き見カメラみたいのを付けたい。なんて言うのか知らないが、路地から出るときなどに使う、車体先端についてる広角で見えるカメラ。

 ただまぁ、毎朝の出勤時に180SXの目の前を通って行くので毎朝、180SXを見て会社に行ける。砂利だけど、木の下とかじゃないので、こっちの方が実は車はキレイに保てるかも。

今日の180SX走行距離:311,028km

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