35年ぶり?!の床屋

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 床屋である。今日、行ってきた。タイトルにあるように実に35年ぶりである。
 35年という数値の正確性というところであるが、実際は記憶にない。しかし、確実なのは七五三で、5際のとき。どう少なく見積もっても30年ぶりは固い。 とにかくそのくらい行ってない。
 ここまで来れば30年だろうが35年だろうがどうでもいい。どっちにしろ非常識である記録には違いない。 
 では僕は仙人のように長い髪なのかと言えば決してそうではない。どこで切っていたか。それは実家である。床屋嫌いの僕はこの歳まで母親に切ってもらっていたのだ。
 僕の母が床屋だったとかそういうことはない。単なる主婦であるからして、決してうまくはないのだが、まぁ、月1回くらい僕のを切っているから、シロウトなりにうまい、というレベルであると思う。
 僕は、床屋で順番を待っているのが何となく嫌だったし、知らない人に身体を触られるのもあまり好きではない。そういうこともあって、床屋に行かないままこの歳になってしまった。
 ではなぜ行ったのか。
 実家の母親も別に暇ではないし、僕も同様。そうなると、お互いの時間の合うタイミングを計っていると、どうしてもビジネスパーソンとして許されるレベルを超えて髪が伸びてしまうという事態になることが多いわけである。
 今回もそうなってしまって、いよいよ床屋か、ということである。たのは流行りの1000円カットである。
 僕も40手前ということで、今年はいろいろ新しいことにチャレンジしようと思っていたので、これもその一環と割り切って、自らの落とし所とした。
 1000円カットは、余計なことをしないし、あまり待たなくていいし、僕の床屋のイメージの負の部分が少なくていい。
 「どうしますか?」
 と、好みの髪形を聞かれたときに、なんて答えたらいいかわからなかったものの、そこはプロであって、僕のつたない説明で理解してくれたようで、なかなかカッコよくしてくれた。
 ついでに、「眉毛もそろえますか?」なんて聞かれて、「ハ、ハイ」とシドロモドロに回答したところはご愛嬌。
 お店の人にとっては事務的にすませた10分間であるが、僕にとってははるか昔に床屋に行った記憶がよみがえるような、不思議な時間であった。 

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