2016年4月アーカイブ

 高らかに「明日30万km」と宣言したものの、それより1日遅れ、本日180SXは30万kmに達した。
 1日遅れた理由は、早い話が、ピパ子氏と長女カス子氏も一緒に行きたいということになり、昨日はバモスでの移動となったからである。家族持ちではよくある予定変更だ。自分だけの趣味は常に最も後回しにされる。
 この休みに僕はある仕事をしなければならなかった。僕の会社の商品がトイザらスで販売されているのだが、その様子を実際に言って確認してくるというミッションで、僕は熊谷店のほか、太田、伊勢崎、前橋の群馬3店の計4店を巡回することになっていた。
 これは今までも何回か行われ、家族も一緒に連れて行き、ついでに群馬の公園などで遊んだりしていた。
 土曜も日曜も、夕方に用事が入っていたため、土曜に2店、日曜に2店行くことに。土曜はバモスで熊谷店と太田店を巡回した。当然、180SXのオドメーターは動くはずもない。
 そして今日。180SXで残った伊勢崎店と前橋店を巡回に行く。朝の時点のオドメーターは299,954km。違いなく180SXは30万kmに達する。
 今日は15時から熊谷で用事がある。来週から始まるサッカーのリーグ(自分が出る大人のリーグ)のためのグラウンド整備があるのだ。
 トイザらスの巡回の準備、サッカーのグラウンド整備の準備に加え、30万km達成を記録するための準備を短時間で済ませ、出発した。

 いったいどこで、30万kmに達するのか。撮影などはしやすい場所か。そんなことを考えながら上武道路を北上した。今回は、デジカメを使用して、30万kmに達する瞬間を動画で撮影したいと思っていた。
 「いた」と書くと周到に準備していたように聞こえるかもしれないが、出る直前に思いついたようなレベルである。
 
 トイザらス伊勢崎店に到着したとき、オドメーターは299,995kmであった。
 まだ開店していなかったため、少々移動してマクドナルドに入る。昨日の調査のまとめと、今日入る2店の準備を行う。
 決めた。伊勢崎店に入る前に30万kmの撮影を終えよう。撮影ポイント、すなわち30万km達成のポイントは西部公園前の直線道路。
 付近の住宅街で299,999kmに達する。この状態で静止画の撮影を行い、180SXをスタートさせる。
 デジカメの動画機能をスタートさせ、180SXも走行開始。望遠レンズがついているため、自由度は低い。後で見たとき、どこを走っているときかわかるようにしたかったので、所々、前方の様子も画面に入れた。直線道路なのでハンドル操作はほとんどない。
 180SXは、難なく30万kmを刻んだ。
DSC02140_.JPG
「来た~。やべぇ~!」

 見たこともないほどゼロが並んでいる様子が不思議だった。インパネに映り込む空がビデオの映像上、オドメーターを消していないかが気になった。とにかく、走行距離を撮影するときは、この点に常に気を遣った。
 達成の瞬間は、撮影に意識が行っていて、感慨に浸る暇は一切なかった。単なる作業に過ぎなかった。
 30万kmを達成してしまうと、今度は300,001などのようにゼロがたくさん並んでいるのにピッタリではない様子がなんか気になる。半端感が気持ち悪いのだろう。完全なるバラバラの数字にして「揃えたい」という発想がわかないような数値にしたくなる。この衝動は20万kmの時もあった。

 このまま180SXに乗り続けるのか。それは、この180SXなのか。それとも別の新しい180SXなのか。全く別の車にするのか。別の車に乗ってみたい気もする。180SXに乗り続けたいという気持ちもある。別の車とは何か。180SXも持ちつつ、新しい車をもう一台持つ方法はないか...。いろいろなことが頭を去来した。
 不思議と、この車とのいろいろな思い出が頭をよぎることは意外にも少なかった。なくはなかったが、これからどうするのか、の方が僕の中で喫緊の課題なのだろう。
 思い出を振り返るのは、きっと廃車の時に違いない。
 そんなことを思いながら、自宅につくと、オドメーターは300,101kmになっていた。
 この時がついに来た。
 明日、僕の180SXは30万kmという大きな通過点を超える予定だ。4月1日だがこれは本当のことだ。
 明日は、仕事で群馬方面を回る。(別に隠さなくてもいいんだが、もうすぐ「明日」でなくなってしまいそうなので省略する)
 決行されれば確実に30万kmは達成するだろう。
 できれば、特別なセレモニーでもやってみたり、バカな車中泊をしていたころと同じような装備にしてみたり、超軽量バージョンにしたりして、この記念すべき通過点を彩りたいところだが、そういう時間はない。
 やはり、すごいスピードで流れゆく日常の中の一瞬として、この大きなマイルストーンを超えることになるだろう。
 それは、僕がサラリーマンを生業とし、妻と子供を持ち、ごく普通の人生に身をやつしていることの代償である。これを後悔するべきか。否、こういう生活を送っていながらも、180SXという車に乗り続けられたこと、その奇跡を有り難く思うべきではないか。
 本来ならば、こういう自分の大きな転換点や通過点を超える際に、もっと時間をかけて準備できる、そういう人生を望んだ。しかし、今はできていない。
 敢えて言うが「今は」というのは、まだその夢を捨てていない、という気持ちを端的に表したものだ。
 夢は、捨てさえしなければ失敗はない。夢は逃げない。逃げるとすれば、それは自分だ。持ち続ければ最後は成功する。失敗も通過点でしかないのだ。そう、明日起こる、30万kmという通過点と何ら変わりはない。
 180SXを30万km乗る、という夢自体はたぶん明日、実現する。
 次は、もう少し大きな夢を実現させるだけだ。オレはまだ負けてはいない。

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