スーパーセヴンとR35、対極にあるクルマを乗り比べる

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 先日、スーパーセヴンとR35を乗り比べるという贅沢に浴する機会があった。

 と言っても特別なことは何もない、箱根にある「Fun2Drive」というスペシャルな車をレンタルする所があって、そこで件の車を借りたという、やろうと思えば誰でも出来ることだ。
 今回は2台を6時間借りて3人で交代で乗りながら伊豆半島の中ほどに位置する大室山近辺までを往復した。結構なロングドライブである。

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 最初に乗ったのはスーパーセヴンである。こんな車怖くて乗れない、と思ったのがファーストインプレッションだ。聞かされていたのは、クラッチのつながるポイントがあまりにも奥過ぎる、ということ。足が届かない、と言うのである。ただ、着座位置が前に行くように座布団状のものを貸してくれるので問題ない。

 シートは10cmくらい前にスライドできる。しかし、背もたれの剛性は全くない。一番後ろにしていればシートが車体の内殻に密着しているので問題ないが、前に出したら背もたれは大きくたわむ。

 ドアはないのでまたいで乗り込む。乗るときに手で体重をかけられる場所は限られる。件のシートの背もたれなどに手をかけると、壊れるんじゃないかと思うくらいにたわむ。

 これは、個体差だと信じたいが、このクルマの多くの部分がグニャグニャで、車そのものはダイレクト感満載の作りだと信じたいが、この「セッティング」(?)のおかげでそれがスポイル(ある意味マイルドに)されてしまっている(んだと思う、いや、そう信じたい)。

 例えばブレーキもカッチリ感は皆無だ。何ならウチのNOTEの方がまだダイレクト感がある。踏み始めは全く力が要らない。どこまでがアソビなんだろうと思っているともう効き始めている。効いている感じは足で感じるというより、減速するから効いているのが分かるというものだ。

 前から聞いていたクラッチは確かにその感覚を代表するべきものだった。ストローク100%のうち、クラッチがつながるポイントは奥の95%くらいまで踏まないといけない位置にある。
 アソビは30%くらいの所で一旦止まる。そこから少し重くなる。前述のつながるポイントまではその重さのまま行く。

 驚いたのは、左足のフットレストがないこと。最初は当惑したが、数km運転して謎が解けた。これは、クラッチがフットレストを兼ねているのだ。クラッチのアソビ部分を踏み込んだ位置でいったん重くなるが、そのポイントをフットレスト代わりに使え、と言うことだ。少し重くなるそこからがクラッチワークだ。クラッチのつながるポイントが通常のマニュアル車のそれとは全く異なる深い位置にあるのはそのためなのだ。この設定をそう解釈するのが妥当だろう。

 ハンドリングもクイック...なのかもしれないが、エリーゼほどではない。ただ、ハンドルを切るとタイヤが動くところが見えるので、視覚的には曲がっている感がある。

 エンジン音は相当大きく、マフラーはそれに輪をかけて非常識なほどのものだ。アクセルオフするとパンパンパンパン音がしてうるさい。駐車場で車庫入れするときなど、クラッチミートが難しい位置にあることも相まって空ぶかしと爆音のオンパレードになる。オラオラ、オレを見ろ!スーパーセヴンに乗ってるんだぜぇ!とやっているようにしか思われないこと必至だ。

 ちなみにマフラーは助手席側の車体脇を通っている。乗るときには当たらないようにしないと火傷する。このクルマの風の巻き込みはとんでもないが、ひどかったのは自らの排気ガスも運転席に巻き込んでしまうことだ。30分も運転していると口の中から化学物質感のある変な味がしてくる。

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 この日は季節的なこともあって、とにかく寒かった。ちなみに一応暖房(というかエンジンの熱を足元に入れる機構)はある。しかし、顔周りが寒くてしょうがない。最後はほとんど冷静に運転できない状況だった。

 あとは困ったのが、方向指示器が単なるトグルスイッチであること。もちろん、自動的には戻ってくれない。右の場合は、ハンドルを右に切ったときに見えるのだが、左は見えない。僕は30分くらい左ウィンカーを出したまま走行していたことがあった。ま、これは慣れればOKかもしれない。

 しかし、注目度はエリーゼの比ではない。場所柄かもしれないが、かなりの確率で被写体になってしまった。わかる人は後で写真を見て「わ」ナンバーであることに気づくだろう。

 大室山付近でR35に乗り換える。

 対極...とはこのことだ。現代のスーパーカー。キーはGT-Rのロゴはついているものの、ウチのNOTEと同じだ。

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 ドアは信じられないくらいの角度まで開く。これは乗り降りしやすい。

 着座位置は高い。しかし、僕の身長だとシートをさらに高くしないと前が見えない。そのくらい、インパネなどのコンポーネントの位置が高くまでそびえている。ハンドルの位置を下げるレバーがハンドル下にあるのだが、操作方法は分からなかった。ハンドルを下げると、インパネも一緒に下がるのだが。仕方なくシートの高さを上げる。もちろん電動。前後、シートバック、座面の倒れ具合などすべて無段階に電動で調整可能。

 ボタンを押せばエンジンがかかる。僕はあまり好きではないが最近のスポーツカーでは必須の演出だ。

 室内は静寂そのもの。ちゃんとエンジンスタート出来たのか、タコメーターを見ないと不安になる。さっきの爆音セヴンから乗り換えたから余計にそう感じるのかもしれないが、これまたウチのNOTEと同じ。車に詳しくない人だったら、日産のデザイナーが腐心したであろうこの演出も全く通じず、「タダのクルマ」と一括りにされるに違いない。

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 シフトは見た目上、PとNとDしかない。Dから右にちょっと倒すとマニュアルモードになる。Dに入れて走り出す。低速ではゴゴゴゴゴ...という断続的なショックがあって少々戸惑う。機械式LSDか、クラッチミートを機会にやらせる限界なのか。レンタカーの宿命ゆえ、走行は11万kmに達している。そうした部分もあるのかもしれない。

 ただ、違和感はそれだけだ。それを除けば、良くも悪くもただのファミリーカーだ。車体はデカいが、それ以外はNOTEと同じ。エアコンは効くし、静かだ。街中を普通に運転している分には、このクルマがポルシェと張る車であることを感じるタイミングはどこにもない。アクセルワークを間違えると急加速してしまうなんてこともないし、そんなそぶりもない。

 カーブは良く曲がる。しかし、それさえほとんど主張して来ない。スピードメーターを見て初めて、結構出てるけど曲がれるんだって気づく。大体、速度感が非常に感じにくい。感覚的には80km/hくらいに思っても120km/hくらい出ている。音が静かなのが大きく影響していると思う。

 で、今度は、底までアクセルを踏んでみる。まずは選択されているギアのまま加速する。その後すぐにギアがダダダッと下がって、異次元の加速が始まる。加速の段付き感は分かりにくいけど2段階くらいあるように思える。(オレ的感覚の)2段階目の加速を味わうには少し踏み続けないといけなくて(つっても2秒くらい?)、スピードメーターに目をやると、一般道最高速度自己新記録をあっさり更新していた。

 しかし、スピードメーターを見ない限り、その速度感はない。
 大体、スピードメーターが340km/hまで刻まれているので、常用域は実はちょっとハンドル切っていると隠れて見えない。170km/hくらいになってようやくハンドルの向こうから針が姿を現す感じだ。

 アクセルを戻せば、また普通車。さっきまでの極寒だったのが素晴らしいエアコンの環境で、暮れなずむ山並みを眺めながらもう眠くなってしまって、GT-Rを堪能するどころか、前走車についてしまった後は眠気と戦うのに苦慮してしまった。

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 ...ということで、総括だが、スーパーセヴンについては、車体の性格というよりも、この個体そのもののセッティングの問題のような気がして、この1台でセヴンがダメ、と結論付けてはいけない気がする。

 今回僕はエリーゼを買ったが、候補にはセヴンも入っていた。エリーゼよりもとがった乗り味を期待していて、エリーゼはどちらかというとそれを妥協して少しは文明的な設備もあった方がいいと思っていたのに、"この"セヴンに関しては、僕のエリーゼほどのダイレクト感もクイック感もなく、ただ寒い、うるさいだけが強調されたに過ぎなかった。

 GT-Rはオートマで4WDなので、僕のクルマ選びの条件には合っておらず、今回のメンバーからも散々な評価をされていたが、僕は実はこのクルマはある意味凄いと思った。

 1.7tもある車体をあれだけの異次元の加速をさせるパワーを持ちながら、普通に乗っている分には完全にそれを隠し通している。車に全く興味のないママでもプリウスを運転できる人なら何不自由なく、プリウスと同じように運転してしまうだろう。

 でも、踏んだらすごいんです、買い物帰りにサーキット行ってもOKです、みたいな。

 僕は、パドルシフトのオートマが全く分からないので、今回はずっとDで走っていた。オーナーになって、DやRモードに入れるようになると、もっとすごいんだろうね。

 まさに、誰でも時300km/hを味わえる、300km/hでも日常会話ができるというコンセプト通りに仕上がっていたと思う。その点は、ホントに凄い。

 でもまぁ、今回この企画をやってみて、僕は180SX→エリーゼというクルマ選びは、本当に良かったと思える。自分の車だから、相当フィルターがかかってると思うけど、やっぱり、180SXとエリーゼはオススメだな。

今日あたりの180SX走行距離:305,770km
 

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