ゲリラ実験室 MISSION3 Page1


 最近、環境に対する意識が国民レベルで高くなってきたように思う。我がゲリラ実験室でもゴミの分別収集を始め、紙の利用の削減などに取り組んでいる。
 そこで考えた。車のエネルギーを走行以外にも利用できはしないか。我々は、排気ガスの熱を利用してお湯を沸かすことは出来ないかと考えていた。温度的には可能だが、実現するのは難しい。水を入れるものは密閉容器にしないと水がこぼれるし、前走車の排気ガスが混ざるかもしれない。しかし、密閉すれば破裂する恐れがある......。固定方法や、取りまわしなどの面も考慮すると個人レベルでの実現は不可能のように思えた。
 計画はそのまま放置されていた。
 しかし、ある日。エンジンルームを見ていて、気がついたことがある。エキマニの遮熱板に水平部分が存在するのである。
ここで考えついた。もうすぐ正月、
180SXで餅が焼けるのではないか
と言うことだ。水と違って、餅のような固形物ならアルミホイルでくるめばそれで十分だ。密閉して沸騰して破裂、ような危険もなく、高熱なので衛生面でもほとんど問題はあるまい。
 しかも、先述の通り、180SXの遮熱版は、
「ここに餅を載せてください」
と言わんばかりの形状。更に改めて見てみると、固定に利用できそうなものはいくらでもある。温めるものを水でなく、餅にすることによって、この計画は、大きく成功へと近づいた。
「この勝負、もらった......」
 いま、日産の技術者さえもが思いつかなかった世紀の大実験が、我が「ゲリラボ」の手によって実施される!


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 「あけましておめでとうございます、と言うことでね、2000年も、ゲリラ実験室は180SXを始め、車を愛する皆様を代表して、お役に立つ、様々な実験を行なって行きたいと思います。ま、本当にね、読んで下さる方々には感謝の一言に尽きます。月並みな言葉しかないけれど、ありがとうございます、と、お伝えしたいですね。」
 と、当実験室最高責任者、ドクターうるふ氏。らしくない、結構マジメな挨拶である。
 ま、正月と言うことで、それらしく180SXに鏡餅を置いてみた。

 使用するのは、この「食べたらわかる、サトウの鏡餅」である。2000年1月11日の鏡開きはちょっと違ったスタイルで、ライバルに差をつけることもできる。この実験が成功したら、180SXオーナーの方はぜひ試して欲しい。

 今回の実験に関して、ドクターうるふは語る。
「今までね、エンジンの熱を何かに利用できないかなと思っていたんだよ。エンジン内は800℃もの高熱になっている。でもその熱エネルギーが運動エネルギーとしてタイヤに伝わる分は30%以下だって聞いたことがある。つまり、半分以上は熱エネルギーとして空気中に無駄に放出されているって言うわけだ。だから、それを利用して餅を焼くって言うのは、無駄に放出される熱を積極的に利用しようって言う前向きな行動なんだよね。
 排気ガスがエンジン外に出て、エキマニを通るときでも600℃くらいはあるでしょ。遮熱板を通しても200℃にはなっていると思うな。オーブンで餅を焼くときは200度で約15分。だからこっちも15分くらいで様子を見てみたいね。
 え?その前に焼けるのかって?焼けるよ、絶対。今回は成功しか考えていない。問題は火加減だけ。出来る出来ないじゃないんだよね、オレの中では。

出来た餅がうまいかうまくないか
って言うことなんだよ。」

 とにかくその自信は並ではない。今までには感じられなかったほどの自信に満ちあふれている。
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 鏡餅のままでは到底遮熱板の上に置くことはできないので、小さくカットする。火加減がわからないので様々な大きさの餅になるように切った。180SXのボンネットは即座にキッチンに変わる。通勤途中のドライバーが「なんでコイツら、こんなところでモチ切ってんだ?」と、怪しげに見て来るが、無視する。
 切った餅は右の写真のように遮熱板の上に密着するように置き、針金で固定した。今回は量が少なく軽いため、それほど神経質にならなくても良いが、脱落しないように注意しよう。アクチュエーターにでも餅が詰まってトラブルになったら、日産のディーラーに、何故こんなところに餅が詰まっているのか、説明するのが面倒だ。
 ただ、走行時の振動は予想を超えるほど大きい場合もある。餅が遮熱板から離れると焼き具合に大きな影響があるので、しっかり密着するように固定できているか、確認して欲しい。また、装着は必ずエンジンを停止してから行ない、遮熱板が熱いときは軍手をするなどして、事故を防ごう。
 8時55分、鏡餅片3きれを遮熱板に装着した180SXは妙義山へ向けて出発した。15分後にとりあえず様子を見る予定である。
 走行はとりあえず、2000回転~3000回転の通常走行を心がけた。信号での停止もほとんどなく、順調な走行が進む。15分が経過した頃、180SXは国道140号を走行していた。様子を見たいが、ここで停車するわけにも行かない。もうちょっと進むことにする。
 20分。国道140号を離れる頃、ドクターうるふに異変が生じた。
「ヤベェ。オレ、トイレ行きたくなっちゃったよ」
 突発的に訪れた緊急事態。餅を見ているヒマはない。とりあえず、道の駅「おかべ」に向かった。深谷市内を抜け、時間は25分経過。道の駅「おかべ」を目指したのは、トイレだけが目的ではない。餅につける海苔と醤油を購入するためだ。
 更にゆみごん社長は餅の次に第2段として焼きイモを焼こうという計画まで浮上させる。この女、人が苦しんでいるときに良くもそんな悠長なことが思いつくものだ。やはりタダ者ではない。
 「ここだっけなぁ......。」国道140号から道の駅「おかべ」などというレアなルート設定をしたことがないドクターうるふ。しかも、トイレに行きたいという思いが先行して思考がついて来てくれない。既に30分を経過。だが、別段車内には異臭などの問題は起きていない。無論、これは餅の方からの異臭である。ドクターうるふからの異臭ではない。
 餅の装着から35分が経過し、道の駅おかべに到着した。ドクターうるふも事無きを得たようだ。
 さて、いよいよ、待望のボンネットオープンである。果たして、結果は如何に?


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