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【ナンバープレート新基準】2021年4月1日より全面適用

本年4月1日からのナンバープレートの新基準の全面適用がいよいよ目前に迫った。今回は、一般消費者目線でこの基準を読み解いてみたいと思う。
 
 本稿はYouTubeチャンネルの視聴者よりリクエストを受け、動画作成の下準備として投稿いたしました。当サイトおよび、YouTubeチャンネルはこうした読者、視聴者の皆様からのお声で支えられております。感謝申し上げます。
 
 
 【このブログの内容】 
 
 ・そもそもナンバープレートとは?
 
 ・この法律の目的は?
 
 ・内容については分かりやすく国土交通省ホームページに記載 
 
 ・罰則はあるのか
 
 ・この改正の焦点は
 
 ・そしてオレなりのツッコミ、これは誰も言及してないゾ
 
※本稿は一般消費者目線で本基準について解釈し、ネタとして面白可笑しく語ったものであることを予め告知致します。
 執筆者は法律家でもなければ国土交通省の職員でもございません。最終的な解釈の判断はご自身でもお調べください。
 
【そもそもナンバープレートとは?】
 ナンバープレート(自動車登録番号標、軽自動車にあっては車両登録番号)に記載される番号を、「自動車登録番号」と言い、1台につき1つのユニークな(唯一無二の)番号(文字・記号含む)が割り当てられる。
 
 縦16.5×横33cm(普通乗用車の場合)程度の大きさの中に、管轄する陸運局、普通・小型・商用などの種別、自家用・レンタカーなどの区別など様々な情報が含まれている。
 
 これにより、その車両が道路運送車両法上の保安基準に適合していることや、保管場所の確保、自賠責保険への加入、自動車重量税の納付が行われていることなどが確認できる他、有料道路の料金の収受、ひき逃げなどの犯罪捜査、自動速度取締機による車両の特定、無謀運転・迷惑駐車などの通報など、様々な用途に利用できるものである。(国土交通省「ナンバープレートの機能」参照)
 
 
【この法律の目的は?】
 
 まぁ、これはあまり深く語らなくてもわかると思うが、ナンバープレートが見えない、見えにくい状態では、前述の目的が達成できないからに他ならない。
 
 にもかかわらず、2輪車などでは極端な角度に折り曲げたりナンバーを縦向きに90度回転させて取り付けたりしている。自動車に於いては悪質なものだと自動速度取締機(オービス等)の撮影から逃れるため、フラッシュに反応して反射し、逆光状態にして判別不能にする機能を持ったフレームや、走行風を受けて前傾し高速時には視認できなくなる取り付けステーなどが存在したりした。
 
 また、意図せず(もしくはそれを装って)ナンバーに泥の塊が付着して、もしくは汚れがひどく堆積したまま(故意に?)放置し、全部または一部が見えない状態になっている車両もある。
 
 中には、コンビニの袋をナンバーに引っ掛けたりして(これならば故意かどうかは容易に判別できない)、自動速度取締機が何キロで作動するか実験する輩もいたりした。更にエスカレートして、オービスに向かってピースサインまでしていたバカが(こうなればもう故意)待ち受けた警察官にその場で捕まったケースもある。悪質だったため、「速度違反」では処分されていなかったと記憶している。
 
 既に道路運送車両法19条では、国土交通省令で定める位置に「被覆しないこと」「識別に支障が生じない...方法により表示しなければ」ならないとされていたが、これではあいまいで解釈に相違が生じ、現場レベルでは混乱もあったのだろう。今回それをより具体化したものと僕は考える。
 
 
【内容については分かりやすく国土交通省ホームページに記載】
 
 内容については何も難しいことはない。国土交通省の「ナンバープレートを見やすく表示しましょう」のページを見て頂ければ問題ないが、同サイトから説明画像を引用し、掲載しておく。
 
 以上のとおりである。
 
 読めば分かるが、注意したいのは左右の傾きの角度で、傾けていいのは左向きだけであって、左右ではない。おそらく、クルマが左側通行の我が国にあって、歩行者側に向ける分には構わないが、歩行者がいない方であろう右側に傾けることはNGとしているものと推測できる。
 本件について紹介した記事をいくつか読ませていただいたが、中には「左右」傾き5度と読み取れる記載をしているものもあったので注意されたい。
 
 つまり、自然な形で車体右側に寄せて取り付けたら右を向いてしまうので、現実的でないと看ていいだろう。
 180SXがいい例だ。この車は車体左側にインタークーラーがある。右側はウォッシャータンクがあるだけなので、できればナンバーは右に寄せたいが、その為には少なくとも正対するように取り付けねばならないから、上から見たときに車体のラインとは沿わないことになる。
 
 僕は付けていないがナンバーのフレームも人気のドレスアップパーツの一つのようで、量販店では棚の一角を占めている。これには決まりができたが、ダメではない。基準が明確になったのでこれに則っていれば問題ない。上記サイトにも「フレーム・ボルトは一定の大きさでなければならない」と画像とは別に文章で記載されており、ダメとは言っていない。
 
 上記画像には「識別に支障が生じない」としか記載がないが、同サイトには「汚れた状態」も不可とされている。故意でなくとも、判別できない汚れはNGとされる可能性があるから、常にきれいにしておくことを心がけるとともに、泥濘地などを走行した後は汚れの状態を目視で確認するなどのケアがドライバーとして求められるとみていい。
 
 
 
【罰則はあるのか】
 
 この部分は各人e-Govなどで法を参照して頂くか、専門的知識を持った方にアドバイスを受けるべきかと思う。上記サイトにも罰則の記載まではなく、そのためか本件を紹介した記事にもこの点に触れていないものも多かった。
 
 が、自分が見つけた中で記載していたのはMotorz「ナンバー位置を変更すると違反になる!?2021年4月から罰則が強化されます!」のページで、そこには
 
 

また、ナンバー文字のペイントが剥がれたり、汚れで読み取りにくいと違反となり、50万円以下の罰金(道路運送車両法 第109条第1項)、悪質なものだと3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(道路運送車両法 第106条)となるため、今のうちから十分注意してください。

引用元:Motorz「ナンバー位置を変更すると違反になる!?2021年4月から罰則が強化されます!」
 
 とある。
 
 僕は法律家ではないのだが、一応エーGovで確認してみた。
 
 僕の理解では上記で言う所の道路運送車両法 第109条第1項の50万円以下の罰金については該当するように思えたが、同法106条の3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金の方はちょっと該当するようには読み取れなかった。
 
 
 
【この改正の焦点は】
 
 で、まぁ、おそらく多くの人が知りたいのはこの法に「誰が該当するのか」であろう。これも自動車関連サイトの記事によって微妙な差があったりするのだが、これは本家国土交通省のサイトが最も明確な気がする。
 
 要は2021年4月1日以降に初めて登録・検査・使用の届出がある自動車が対象なのである。それ以前から使用している僕たちのようなユーザーに対しては、「自動車の運行中番号が判読できるような見やすい角度によること、番号を被覆せず、脱落するおそれがなく、自動車の運行中番号が判読できるフレームまたはボルトカバーを取り付けることができる」(そう明記されている)と言う基準さえ満たしていればよい。
 
 次の車検からこれに適合するようにせよ、と言う意味でもないはずだ。
 
 この法律が施行された2016年4月1日からは準備期間であって、主に自動車メーカーなどに対して4年後からそういうデザインでないと違反になるから、今からそれを織り込んで準備しといてね、ということであって、我々一般ユーザーにはそれほど関係ない。
 
 で、だ。よせば良いのにここで連呼されている「自動車の運行中」と言う言葉が僕の性格上、気になってしまった。この文章に拠れば「自動車の運行中」でない場合は好きにして良いわけで、自宅の駐車場でエンジンを停止させている場合であれば、ナンバーを隠して撮影するようなことは問題ないと考えられる。
 
 「運行中」という定義について調べ始めると、これはかなりの大迷宮で、この法律の性質からすると道路運送車両法第2条に定義される「運行」で良いと思うが、「自賠法」などまで読み解くとかなり定義は広がり、解釈もさまざまで正解はないようだ。
 
 また、道路運送車両法上であっても、車両の停止、エンジンの停止は必須と考えるとしても、今度は「道路」の定義にぶつかる。自宅の駐車スペースであればOKだろうが、高速道路のパーキングや一般道の路肩はダメっぽい感じがする。公園の駐車場などはグレーだ。難しいので触らない方が良い。
 
 
 
【そしてオレなりのツッコミ、これは誰も言及してないゾ】
 
 そして最後にもう一つ。これは各自動車関連サイトで誰も突っ込んでいないのだが、僕はメチャクチャ気になるので付け加えておく。ここからが僕のアイデンティティであり、これまでの部分は僕特有の長い前置きと言って良い(それもアイデンティティ?)。
 
 それは、ナンバーの面の向きについては全て「範囲」が設けられているにもかかわらず、水平方向の傾きにはその許容範囲が一切なく、単に「水平」と書かれているだけである。特に水平方向の傾きは「何に対して」なのか?そして「許容範囲はないのか?」である。
 
 これを正確に解釈(法律なんだから当然だ)しようとするならば、僕に言わせれば「ザル法」であり、現場は混乱すると看る。
 何故ならこう書く以上、もう「自動車を運行する全員が違反者であるが、それを違反であると確定させることも誰もできない」と僕は解釈するのである。
 
 理由はこうだ。
 
 「水平」とだけあって許容範囲がない以上、「確実に水平」でなければ全て違反だ。1度1分の狂いもダメだ。完全なる水平。そうなってくると、「何に対して水平か」が問題だ。地面か?車体か?
 
 車体だと言うなら、今度は「車体」とはどこか?になる。ナンバーが取り付けられているバンパーか。それとも骨格であるフレームか。バンパーだって厳密には水平ではない。フレームだって確実に真っ直ぐではない。曲っている。工場でラインオフするその時から、許容された公差の中で曲っているのだ。
 
 つまりこの法に依ればすべてのクルマは
 
生まれた瞬間、違反車
 
 こうなる。
 
話を厳密にするなって?
国土交通省が一切許容範囲のない「水平」って言うから
オレも合わせざるを得ねぇんだよ。
 
 だから、このナンバーの傾きについて、取締現場では車体をまず確実に水平な場所に置く必要がある。警察官は人工衛星の電波などを利用して測定し、数学的かつ地球物理学的に1度1分の狂いもない水平な場所を用意せねばならない。なにしろ傾斜した場所に車を置いては何が水平か分からないし、車体だって微妙にひしゃげてしまうからだ。
 
 タイヤの方減りや懸架装置の経年劣化による左右の傾きの誤差も全て0に修正してからだ。理由は同じでそれらの傾きがあればフレームにしろバンパーにしろわずかにゆがむ。
 
 たとえそれが1mmであってもダメだ。何しろ国土交通省は許容誤差を許していない。
 
 で、そうした「場」が用意できたとして...だ。
 
 その「完璧な」ステージでまさか現場の警察官は目視なんかでナンバーの傾きを測るわけではあるまいな?車検場の検査員も同じだ。検査場の地面も数学的かつ地球物理学的に水平であることが求められる。
 
標準公差?
もちろんゼロだ!
 
 検査装置もそれは大掛かりなものでなければ信用に足らない。ナンバーの水平をそのまま両側に100km程度延長し、人工衛星からの電波を受信して計測することを数回行い、その全ての値が同じである必要がある。
 
 何?平均をとれだと?平均なんか無ぇんだよ。誤差は0なんだから。100回計測して100個とも同じ値でなきゃやり直しなんだよ!
 
 もし、地面に対して水平と言うなら、自動車の運行中、ナンバーは常に水平に保たれている必要がある。10式戦車の砲台のようにだ。
 
4月1日からはその装置が標準装備だ。
 
 クルマは100万円でもナンバー水平維持装置が1億円とか、そうなる。最高のエイプリルフールじゃないか!
 
 どうだろう。
 
 この世にナンバーが「水平」なんてクルマは1台も存在しない。しかしまた、そうであることを証明することも、車検場や取り締まり現場では、できないのだ。
 
 当然、これから判例などが出てきてその範囲は定義されることになるだろう。そうでなければ運用できない。であれば、最初から何に対してどの範囲で、と決めてやればいいと思うのだが。それとも、特に誤差の指定がない場合として包括的に決められているのだろうか?

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