【E.D.C.】財布に入るツールボックス!ビクトリノックス「スイスカード」

エリーゼ好きは、モノにこだわる性癖の方が多いかと思う。今回は、僕の動画にもよく登場する、ビクトリノックス「スイスカード」を紹介したい。車いじりはもちろん、毎日の生活でも本当に役に立つツールなのである。

ビクトリノックスとは

↑ビクトリノックスホームページより

 ビクトリノックスは、刃物職人のカール・エルズナーが1884年にスイスのシュヴィーツ州イーバッハで刃物の工房を開設したのが始まりである。

 この工房が飛躍したのは、1891年にスイス陸軍にソルジャーナイフを納入したことによる。1897年には、今日のブランドの象徴であるマルチツール、「オリジナル・オフィサー・アンド・スポーツナイフ」というオフィサーナイフの開発に着手し、世界で認められる成長企業としての礎を築きました。

 社名はともに創業したエルズナーの母、ビクトリアとステンレスを表すinoxを合わせたもの。

 現在はマルチツールだけでなく、家庭用及びプロ用ナイフ、ウォッチ、トラベルギア、ビジネスツール、アパレル、フレグランスなども手掛けている。

僕のビクトリノックスとの出会い

 ビクトリノックスはマルチツールのメーカーとしては草分け的存在だ。少なくとも僕の中では、なのだが、多くの方もそうではないだろうか。

 僕が最初にビクトリノックスを見たのは小学校の時だったと思う。記憶でしかないが、ついてたものからするとハントマンだった気がする。ハンドルの中に様々なツールが仕込まれている様子に一気に虜になってしまい、懇願してもらったのだった。

 高校の時、ニュージーランドに1か月ホームステイしたのだが、その帰りに機内販売で「スイスチャンプ」を購入した。さらに革ケースがついていてそこには追加でシャープナーや釣り道具まで入った超何でもアリ仕様。その時は「たくさんあった方がエライ」と思っていた。

↑今も残る、高校の時(30年以上前)に購入した(多分)スイスチャンプ。

 ところが、実際使ってみるとツールの数が多いだけにハンドルが非常識に分厚くなり、使いづらいことこの上なかった。使わないツールもたくさんあり、重いだけであった。この道具はどちらかというと、使うよりも見たり、見せびらかしたりして話題にするような意味合いの方が強い気がする。

 クルマをいじるようになってから、ペンチの使用頻度が高くなり、大型ツールはペンチをメインにした形状のレザーマンに移行した。ビクトリノックスは、今回紹介する「スイスカード」を愛用している。

「スイスカード」とは

 スイスカードは、厚さ4.5mmのカード形状のボディの中に、ナイフやハサミなどのツールが仕込まれたカード型マルチツールである。

 もっともスタンダードな「クラシック」の他、LEDライトが仕込まれた「スイスカードライト」、つめの手入れができる「ネイルケア」などがある。

スモール・マルチツールでない理由

 実は、僕はこのスイスカードにたどり着く前にスモール・マルチツールをいくつかたどった。おなじみのビクトリノックスのしきたりに倣い、ハンドル部にツールが仕込まれているが、収納時の本体サイズが58mmと最も小さいシリーズである。

 スイスカードの存在は知っていたが、ビクトリノックスといえばハンドルの中にいくつものツールが仕込まれているものだ、という固定観念があり、スイスカードは「邪道」な気がして手を出さなかった。

 持ち運びやすさを重視して、小さく軽いものをより好むようになり、ミニチャンプを購入。続いてLEDライト付きのミニチャンプライトへ移行した。この時も「多い方がいい」呪縛がまだ僕を支配していた。小さいボディだからいっぱいあっても大丈夫だろう、と。

 悪くはなかったのだが、やはり使わないツールもたくさんあった。最後は小型持ち運びツールの宿命、「紛失」という終わり方をしたと記憶している。それも一つではない。

 こののち、スイスカードに移行するわけだが、その理由は「カード型の方が持ち運べるシーンが多いのでは?」と考えたからだ。

 学生の頃などは「ペンケース」などがあったから、ミニチャンプライトはそこに入れたりしていた。車のカギなどにつけたりもしたが、カギが邪魔で使いづらかった記憶がある。

 しかし、社会人になると、必ず持つものは財布であった。ミニチャンプライトは小銭入れなどに入れたりもしたが、分厚くなるし、小銭の金属粉がついて黒くなって困っていた。

 そこで、試しに「邪道」と食わず嫌いしていたスイスカードを手にしてみたのである。

「スイスカードライト」の方が便利そう?

↑スイスカードクラシック

 最初に買ったのは繰り出し式の分度器がついたモデルだったが、今はないようだ。ただ、スイスカードクラシックのケースをよく見ると、当時分度器があった「跡」が今でも残っている。

 それが壊れた後、光りモノがやっぱりよさそうに見えてスイスカードライトにしてみたが、こちらはあまり使い勝手はよくなかった。

↑スイスカードライト

 まず、LEDが暗すぎる。ホームセンターでも買えるようになった極小サイズの高輝度LEDライトのようなものを期待してはいけない。電池が終わりかけなんじゃないかと思うような明るさしかない。

 さらに、このLEDは本当に壊れやすい。これも持ち運びツールの宿命だが、落下のリスクとは隣りあわせだ。しかし数回落下しただけで簡単に壊れる。スイッチとなるスライド部分が分離して電池が吹っ飛ぶ。しかし、小さすぎて壊れたことに気づかない。例えば上の写真もスイッチが壊れて紛失しているのだが気づくだろうか。その場では慌てて本体だけ回収することになり、いざ使おうと思ったときに「あ、スイッチがなくなってる」みたいな感じになる。

 次に、付属の板状のドライバーが極めて使いづらい。ドライバーはやはり棒状で軸の中心にドライバーが来ていないと回しづらい。マルチツールのドライバーはその機能上、ほとんどが偏心していて使いづらいが、この板状のドライバーは群を抜いて使いにくい。

 回しにくい、ねじの頭から外れやすい、落としやすい、と来ている。できれば使いたくない。

 この利用価値の低いLEDとドライバーが入ったことにより、爪とぎと楊枝がなくなっている。この2つは何気に便利である。爪とぎはちょっと作業中に爪が割れたときとか、これ以上の悪化を食い止めるために割れ目を平滑化させたりできる。先端はコジッたりするのに使える。

 楊枝も結構登場する回数は多い。もちろん、楊枝としても使うが、細かな隙間に今にも落ちそうなゴミをとったり、プラスネジの溝に詰まった泥を取り除いたり。

 ミニカードライトを買うまではこれらの便利さを無意識下でしか理解していなかったが、なくなって初めてその重要さに気が付いた。楊枝の代わりをナイフで行っていたが、決して使いやすいものではなかった。

おすすめはスイスカードクラシック

↑再びスイスカードクラシック。ツールを全て出した状態。

 ということで、おすすめはスイスカードクラシックになる。ここについているツールで使わないものはほぼない。あえて言うなら、本体に刻まれた「定規」くらいか。

 やはり主役はナイフとハサミだ。日常でも車いじりでも、ナイフは袋や封筒を開けたり、段ボールを止めているテープを切ったりするのに超活躍する。ハサミもコードの被膜をはがしたり、商品の袋を開けたり、ひもを切ったり、使えるシーンは多岐にわたる。

 爪とぎと楊枝は先ほど書いた通り。ピンセット(毛抜き?)と虫ピンもよく使うがここでは割愛。

 で、ビクトリノックスシリーズで意外と秀逸なのがボールペンである。替えインクのリフィルだけみたいな本体なので、決して持ちやすくはないが、「書けなくなった」ということがない。こんなところのボールペンは使用頻度は高くないのでいざ使おうと思ったら書けない、と想像してしまいがちだが、しばらくぶりに使ってもヌルヌルと滑るような書き心地でその想像をいつも裏切ってくる。

 持ちにくいが、書きにくくはない。このインクの滑るような感触は、このインクを使って1本のボールペンを作っても商品になるのでは、と思うほどである。

 僕は、給油時にレシートに走行距離をこれで書いている。ほかにも書くものを忘れたときやペンが見つからないときの最後の手段としてこのボールペンが活躍したことは数知れない。

スイスカードの欠点

 スイスカードはその形状から「持っている」可能性が高く、クルマだけでなく日常生活すべてにおいて便利に使える道具である。前述のとおり、「クラシック」はほぼ無駄な道具もなく、パフォーマンスが高い。

 では、欠点はないのか?というと、ある。

 それは、プラスチックの本体であることゆえ、壊れやすいと言うことだ。どこでも使えるだけに外や出先で不安定な場所で使うことも多い。使用回数も多く落下させる可能性も高まるわけだが、やはり堅牢性は通常のマルチツールには及ばない。

 前述のとおり、複雑機構のスイスカードライトはたった1回の落下でLED部分が終わることもある。カード型の中でも最も壊れにくいのはクラシックだろう。

まとめ

 入っているツールはスモールマルチツールでも同じかもしれないが、どんな便利なツールであっても、欲しい時に持っている、これが前提条件だ。

 スイスカードは財布のカードポケットに入るので、どんなシーンに於いても持っている、持って行ける可能性が僕の場合は一番高い。

 使う頻度も高いとどんどん使い慣れてきて、本当にうまく使いこなせるようになって気持ちいい。

 あ、便利だな、と思えることがとにかく多い、そんなツールである。

【ビクトリノックス スイスカードクラシック】
↑アマゾンで確認してみる

前へ

【アンケート結果発表】愛車のエンジンオイルについて

次へ

【クルマ趣味入門】🔰初心者向け:自分でオイル交換、ここが不安!